プリが風化してボロボロになるまで UFOキャッチャーのぬいぐるみが汚れてくたびれるだけ ただそこに幸せがあればと また新しく買い換えてボロボロになって あと何回僕たちはキーホルダーを買い替えれるのだろう 時刻は午後11時 鍵を回し、僕は真っ暗な玄関に灯を点しそっとリビングに向かった。
「少し出かけようか」 そういった君の後ろをついていった 夜の散歩は特別な気分を味わえた ソファーと比べ、上下に揺れる木の板の感触はあまりに座り心地の悪いものだったがこんなに楽しく座っていたのは今年で一番だった そして暗闇と反比例して眩しいくらい光る照明のなか、水色のタイルの冷気を首筋に感じながら 影になった君のくちびるを追った
君が一人寂しくご飯を食べているところなんて 君が誰かと楽しくご飯を運んでいるところなんて 見たくないから 口いっぱいに手羽先を頬張るところも いそいそとステーキのコーンを食べるところも 全部みていたいんだよ とりとめのない日常の とまらない妄想が 溢れてしまわないように まだそっと蓋をしておきたいんだよ
もうすぐだよもうすぐ そっちの暮らしは元気かい? もうしばらく会っていないからね どんな風になっているか楽しみだよ 地上は元気かい?家族とは再会できたかな? 空からももうそろそろ見れそうだよ まだ窓からは見れない 燃料はどれくらいあるだろう 燃料が切れたらそっちに向かう予定だよ 他の飛行機は羨ましいねー 性能が違うみたいだ 着陸方法は決まってない 首吊りなんかが主流みたいだね まぁなんか検討しとくよ 正確な時刻は伝えれないけどそっちに着く頃には連絡する
好きになった方が負けだなんてそんな嘘は良くないぜ まだ好きな方が負けなんだぜ 今日は負けといてやるぜ 明日も負けといてやるぜ 別に勝ち負けなんてどうでもいいぜ ずっと君の勝ちでも別にいいぜ でも勝負はずっと続くぜ 先にやめた方が負けなんだぜ 君が始めたんだから君に辞める権利はないぜ もうそろそろ終わるんだぜ 長いようで短かったぜ 負けたくなんてないぜ 本当はもっと続けていたいんだぜ 明日もまた続けていたいんだぜ ずっとまだ続けるんだぜ
私に春は来ないけどまた君に春をつげるよ 来年も再来年もそう春を告げるよ 今年の桜は綺麗だよ 私の方が綺麗なんだっけか。 人が沢山いるケーキ屋は嫌だね なんのお祝いだろう 私はなんのお祝いでもないよ 一人にホールケーキは多いよね 全部なんて食べれないや なんでチョコのホールケーキなんだろうね でも安いのがいいよね まだ君のお弁当使ってるよ 流石に君の歯ブラシは捨てたよ いやまだ使ってるよ 掃除に便利なんだよ あのヒヨコちゃんは捨てたよ もう汚くなっちゃったから