【コラム】ヘッドギアの影──ゴジラ・ミレニアムシリーズ・フィルムガイド
まえがき
ゴジラ(GOZILLA)。それは災厄の名であり、異形の怪物の名であり、マスコット・キャラクターの名であり、そして神の名である。そうしたすべて──1954年公開『ゴジラ』に連なる体系のすべてを包含する名としてこれはあり、ありつづけている。
フィルムに焼き付けられたその「怪獣」──この概念もまた同映画とともに生まれたという経緯をもつ──はあらゆるものの象徴として絶えず視られてきた。黒々としたその巨躯はそれ自体一つのインターフェースであり、あらゆる時代、あらゆる思