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【イベントレポ】『蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE』大ヒット感謝イベント IN 尾道 ~邂逅~(石井真さん多め)

内容:覚えている限り、聞き取れる限り書きますが、石井真さんと真壁一騎関連の内容が比較的に多めです。細かく書く部分もあり、重点的な情報しか記録できてない部分は箇条書きを使用。

ネタバレに関して:BEHIND THE LINEを語るイベントのため、どうしてもありますが、TV放送期間中のBEYONDは可能な限り伏せました。また、無印、EXODUSもイベントの対談に多少出てきました。

司会:キングレコード・マスダさん
登壇者:石井真さん、喜安浩平さん、能戸隆さん、冲方丁さん、angela(atsukoさん、KATSUさん)、中西豪さん

登壇者自己紹介

●石井真さん
石井:蒼穹のファフナーBEHIND THE LINE真壁一騎役の石井真です。
みなさん、おかえりなさい

●喜安浩平さん
喜安:(深呼吸)間に合いましたーー
石井:いやいやいや、いやいやいや、結構前から言ったから。
喜安:おかえりなさい!皆城総士役の喜安浩平です。

●能戸隆さん
能戸:(喜安さんに)お前、不器用だな
石井:(笑)そんな角度から来ます?
能戸:えー監督の能戸隆です。よろしくお願いします。

●冲方丁
冲方:シリーズ脚本構成の冲方です。
みなさんおかえりなさいって言いつつ、
わたくしですね、尾道初です。
みなさんどうぞよろしくお願いいたします。

●angela-atsukoさん
atsuko:はい、みなさん、おかえりーー
(コールアンドレスポンスに
 間に合わない観客もいるので)
atsuko:そこ「ただいま」です!
みなさんおかえりー
観客:ただいま
atsuko:蒼穹のファフナーシリーズ主題歌、とか!
色々歌ってるangelaのヴォーカルのatsukoです。
よろしくお願いいたします。

●angela-KATSU
KATSU:元人類軍役、angelaのKATSUです。
みなさんおかえりなさいーー(敬礼

●中西豪さん
中西:みなさん、おかえりなさい。
蒼穹のファフナーシリーズプロデューサーのキングレコード中西豪です。
尾道でこうやってみなさんと会えました
本当に今日は楽しんでいただければと思います。
よろしくお願いいたします。

蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE ~制作の軌跡~

マスダ:座っていただいて、じっくり話を聞いていこうという形になってます。

そのとき、冲方さんのファフナーTシャツに興味津々の中西Pが気になります。そして率先的に喋り始めた登壇者は石井さん↓

石井:喜安さんなんか若干、兄貴感出てますよね!
喜安:今更そんなことを言う?
石井:組長っていうか兄貴感。
喜安:今まで別にそんなのってあったでしょ?言われることは。
石井:ア、ア兄貴ィイーーっていう感じですけどねーー
マスダ:本日はこのメンバーが揃ってるということで、どんどん話を聞いていきたいと思うんですが…

『蒼穹のファフナー』のイベントを観たことある方ならご存じだと思いますが、石井さんと喜安さんコンビは話題がどんどん広がりやすいので、ほっといたら尺的に大変なことになるからか、進行のために石井さんがスルーされて、観客からatsukoさんまで思わずクスッと笑った気がします。

ジェンガから形になるまで

マスダ:ジェンガの賞品で平和なスピンオフという最初の種が生まれたような気がするんですけれども、そこからどういうふうに本格的に始まっていったのでしょうか。

中西:コロナが始まる直前くらいなので、2020年の1月ですね。能戸さんと冲方さんと、新宿の個室で密会しまして、そこで平和なスピンオフ作りましょうって話をさせていただきました。

能戸:元々、作りましょうっていう会じゃなかったんですよ。新年会みたいな「どう〜?」軽い感じで呼ばれて行ったんですよね。そしたらなんか…
冲方:そうそう、打ち上げだって言われて
atsuko:みな騙されたみたいな
KATSU:二人騙されてる!

冲方:最初に打ち上げって言われて、おおって行ったら、いきなり「BEYONDの嵐来たりての絵コンテがきました!」仕事っぽいなと思いながら、「ここ割と大事なキャラが砕け散るんですけど、セリフどうしましょうね」「じゃあ、『(BEYONDのTV上映もあるため伏せておきます)』にしよう」みたいな、完全に仕事だったんですけど。そこにジェンガの話が突然始まって、平和な話がやりたい。僕はもう制作の方でいっぱいだったので、イベントのことを知らなかったんで、一騎と総士がジェンガをやる話を書けって、何言ってんのかとっさによくわからなかったです。
石井:平和ですね!
冲方:どうせ総士が考えに考えるから全然進まないいつまでも抜かないみたいな。
中西:そうですよね。
冲方:そんな感じです。

マスダ:ほぼちょっと騙し討ちみたいな感じなんですけど、中西さんって、もうそのつもりだったんですか?

中西:そうですよもちろんじゃないですか。

喜安:へらへら、何をへらへら笑いながら…
atsuko:冲方さんはただ飲みたかっただけな気がするけどなーー
冲方:今日休めるぞと思ってね。しかも全く話聞いてなかったんで、スケジュールどうするんだよと思ってですね。なんとか、なんとかなりました

マスダ:ありがとうございます。その…責任の一端を持っている喜安さんなんですが…
喜安:押し付けんなよ。

マスダ:こんなことが行われていたようですよ。最初の種から。
喜安:いやいや、ありがたいですね。あの…大丈夫ですかって聞いたんですよ!その、3つお願いをお互いね、出していいっていうのは。
石井:でしたっけ?
喜安:そうなんですよ。
石井:一つしか覚えてない、そう。

〈補足〉
石井さんの3つの願いは以下です。
①しっかりとterraをデュエット。
②じゃ、太陽と月でもOK。
③もう、じゃライブしよう。
「ただこれ全ーー部、実はデュエットってことなんですけど」と石井さんが当時言ったので、覚えている唯一の願いは、もしかしたら「デュエット」かもしれません。

2017年皆城総士生誕祭

喜安:とりあえず一回3つ出してみてって言われたんです。どれが行けるかわからないから。3つ出して、最終的に、僕が勝ったら平和なスピンオフにしちゃいますけど大丈夫ですか?つったら(中西さんが)「大丈夫ですーー」
石井:でしたね!確かにそうでした。

喜安:まあ、それは確認した上でジェンガをやったんですよ。実際。言うたってジェンガじゃん。
石井:まあまあ。確かに、そう。
喜安:そこそこ良いところで、どっちが負けてああっみたいなね、なると思いました。二人とも本気だったんね。全然、全然、もうーー負けようとしない。
石井:負けるわけがないじゃないですか!そんなものは。当たり前ですよ。
喜安:いやもうだって、こんなジェンガであんな、ジェンガで土俵際な人ってあまり見たことないですけど。
石井:(爆笑)

喜安:もう倒れ始めるところ、こっちもこれ勝ったら平和なスピンオフになっちゃうし、どうしようみたいな⋯思いながら、もう早く、早く負けろよっていう複雑な気持ちでいたんですけど。
喜安:実現すると思っていなかったですから。
石井:まあ、僕途中から負けたくはないけど平和なスピンオフが良いって思ってまして。
喜安:(笑)厄介だね。
石井:うんうん。
喜安:じゃあー負けりゃいいじゃん!
石井:いや負けたくはなかったから!

↑このヘンの、厄介と認めたけど負けたくない、だだこねるような石井さんの返事がなんかかわいい。

マスダ:まず密会が行われたわけなんですけれども、実際にシナリオを起こしていかれるとき、どういうふうにお話を進められて行ったでしょうか。冲方さんお話を伺っても宜しいでしょうか。

冲方:まず時間軸どこに置きましょうっていう話ですね。時間軸においては登場可能なキャラクターは変わってしまうので。EXODUSのその前くらい、成人ちょっと前の一騎と総士会話できるドラマがいいじゃないかと。

平和っていうけど、その何か平和なのかな、状況が平和なのか、心情的がものなのか、それとも平和ってとにかく言い張るのかみたいな。

ラスト、花火で締めたいと仰ってて、また残酷なことやり始めると思って、じゃあ、お祭り合わせで、時間軸決めて祭りにいろんな人が参加する過程を描く。とりあえずなるべくいっぱい出したいって言うんので、順繰りね、全員の顔がこうでてくるように。あとは、前の話とあとの話のとにかく回収を何個できるか、ずっとやっていました。

中西:飲み会のときに、しゃぶしゃぶやでビール飲みながらですけど、結構冲方さん、スピンオフです、平和ですでつったら、うーんじゃこのあたりのこうすればいいんじゃないかっていうのを、結構早めにすごいアイデアが出ていらっしゃいましたよ。

冲方:っていうかもうスケジュールが逼迫する。今のうち少しでもこの二人から意見を聞いとこうと。BEYONDの絵コンテが入った封筒にそれをずっと書いて、「俺はまだ終わってねんだぜ、こっち」みたいな。

マスダ:先の花火で終わりたいみたいなお話もありましたけど、能戸さんが意外と結構ビジョンが見えた感じですか?

能戸:ビジョンは、間の話なんでなんとなくこんなのかなっていうのはありましたね。

マスダ:シナリオが完成して、次は絵を作っていく作業なんですけれども、この辺は苦労したなっていう話がもしあれば能戸さんからお伺いしたいんですが…

能戸:苦労っていうか、やっぱり総士とか一騎とか真矢とかカノンとか、見せてこなかった表情を必要になってきてしまうので、どうしたらいいのかっていうのが悩みつつ、絵コンテを打ち合わせしつつ、直しながら進めてましたけど、一番困ったのは、ねむねむ総士なんですよね。眠そうな総士ってあんまり出てこないんで、だからそこはもう、平井さんに丸投げしました。

マスダ:それはどうやってお伝えするんですか?

能戸:いや、向こうももう慣れたもんだから、もう、なんだろう、ラフでシュッシュっていう感じで。

能戸:いや、シュッシュじゃないけど、何日間もかかりましたけど、実際はね。
喜安:(爆笑)
石井:イメージとしては一発OKな感じだったんですか?

能戸:いや、(囁き声)だって平井さんってだめって言えないでしょう

喜安:マイク入ってる!
石井:コソコソ!
喜安:入ってる!どんだけちっちゃく言っても…
能戸:いや、でもすごくいい表情の眠そうな総士が出てきたんで、あの、だめっていうか、一発OKですよ。

マスダ:そこからアフレコになって行くわけですけれども、ねむねむ総士とそれに付き添ってる一騎のシーンって結構、今回の映像の中でも好きなシーンですと返ってくださる方も多かったんですけど、どうでした?そこのねむねむ総士ゾーンは?お二人。

石井:(笑)どうでした、あぁだから、舞台挨拶のときにも、こんなことがあって〜って話はしてましたけど、最初は「総士、寝ちゃってるよ」ってツッコミのような一騎をやっちゃっていたので、ね。
喜安:ああもうだって、石井さんですもんね。
石井:いいえ!
喜安:そうなっちゃうと。

石井:言い方は今の僕ですけど、一騎でね、一騎での総士だったんですけど。だけど、うん、もっとね、労るような「大丈夫かな」、「心配かな」っていう、その一騎っていうのを、あっそっかそっちのほうか、ぜっ全部違うじゃんみたいな、ことになっちゃうので、うんうん。
喜安:っていう調整をしてたよね
石井:そうそう、調整をしてました。

喜安:僕はもう、ただ本当に眠いなっていう気持ちでやってればいい、全然本当に。
石井:いいですね!なんかもうその瞬間にこうーーなんかまどろめるから、リラックス感が出ていきますよね。
喜安:リラックス、そうそうすごいリラックス。
石井:僕みたいに緊張してたら、まどれーー、ん?(喜安さんを見つめて助けを求める)まど?
喜安:まどろめない
石井:そうそれ!ですからね。
喜安:あれ?大丈夫ですか?
石井:(笑)大丈夫ですわ。

「よ・く・噛・む・ぞ」宣言(WEBラジオ「蒼穹のファフナー EXODUS」第4回48:00あたり)をしたほど、ラジオやイベントで少なくとも1回くらいは噛む石井さんですが、この日も例外なく噛みました。

マスダ:お二人、最初ストーリーを知るのは台本だと思いますけど、はじめてご確認いただいたとき、どんなふうに思われましたか?

石井:う〜〜〜ん、どうでした?
喜安:どうだった?えーと、いろんな解釈があるのをわかった上で、でもあっ、平和だなって思いました。本当に。その、そっか、平和を一瞬掴みかけたときがあったんだなっていうことを知れたことが嬉しかったし、なんか、なんていうのだろう。みんなの昔の、知ってたらどうなったんだろうなと思いつつ、その先のお芝居が。でもこれ遡ってきたから、多分巡り合ったストーリーだなと思ったから、そこの何かがここに戻ってきてる感じは、素敵だし、ちょっと皮肉めいてるし、そんなことを思ったような気がしますね。

石井:今までのファフナーもそうですけど、絶対に日常的なシーンが挟み込まれていて、もうそのまんまだなっても思って、台本読んで、あの日常的なシーンっていうのは、多分あえてちょっとずつちょっとずつしか、小出しにしか見せてくれなかったんですよね。でも実際はもっと、ちゃんとした会話が本当あそこでも沸き起こっていて、そこのちょっとだけ僕らは見させてもらってたんだろうなっていうふうに思ってたんので、だからBEHIND THE LINEは、そうだよね!っていう気持ちで、全体的に見ていられたんですよ。だから、えっと平和だなって思うし、あっ(嘆き)平和か…ってずっとこうーー

喜安:一気に重くなるですね。
石井:どうしても、やっぱり、そうだよな!やっぱり自分のことを色々考えるときには、みんなこう眉間にシワ寄っちゃうよな、っていう雰囲気をですね、持ってしまいまして、だからああやって、一騎が自分のことを悩めたのは、平和な印だし、とっても、辛かったです。(笑)

マスダ:冲方さん、辛かったそうです。
冲方:そうですか。よかった
石井:はははははは。
冲方:ありがとうございます。

喜安:一騎はだってね、平和な夢とか見ちゃう人だもんね。
石井:見ちゃってましたね。あっ、ああいう夢だったんだって思いましたね
喜安:ふはははは。
石井:EXODUSのときにね、見てた夢。

EXODUSの平和な夢に関して、背景設定はBEHIND THE LINEの夢とやや違うみたいですが、夢に登場するキャラクターはほぼ一緒のはず。

2015年のイベント「-痛み-」

喜安:そうね、平和っていう言葉にね、一番口に出して言ってるのは、真壁親子だなと思っている

一騎:そうですね、ただみんながわーっている中、なんで一騎は一人で外に外れて見てるのかなっていうのが、なんか切なくなっちゃうんですけど(泣きそうな声)。

マスダ:アフレコ終わって、それの前から作業が進んでるといえばangelaの二人、主題歌の発注があったと思うんですけど、どんなふうに作っていったのかなとお伺いできればと思うんですが。

atsuko:スケジュール帳を見返したところ、最初にレコーディングをしたのは2021年の秋っぽかったです。それより前に、2021年の秋より前に、多分中西さんあたりからちょっとずつ小出しに、やろうと思ってるんですよみたいな情報が出てくるじゃないですか。

中西:そうですね、ちょいちょい言っていて。

atsuko:そうなんですよ、ここです!っていうよりは、割とね、合うたびにファフナーの話題になったときに、実は、BEYONDのあとこういうの、みたいな、そんときは、ね!とか言われながら、中西さんって本当にそういうところがあって、打ち上げとかそういう場で次の話をしてきますよね。終わった〜みたいなところでしてくる、ありますよ、そういうとこ。

KATSU:今日は中西さん、被害者の会

atsuko:そんなことない!中西さんがそうやって振ってくれるからこそ、こうやってね、19年続いているわけですからね。

中西:いやでも、すごい楽曲に関してはもう、あの本当に、また、作るんですかっていう言われることも覚悟しながら、小出しにしながらちょいちょいこうなんですかね、やってもらうように相談するんですよ。能戸さんからこういう感じがいいなっていうのは、花火シーンが最後あってのももらってたんで、キングレコードの会議室でこんな感じがいいですのをお話した、すごく覚えています。

atsuko:そうですね、バラードが良いそうですとか、そういうお話を伺いながらイメージしてきました。

石井:「Start again」どれくらいの期間で作られたんですか?

atsuko:ドラムだけはね、打楽器のレコーディングだけはさきにとって、別の作品を作ったりして、いろいろ考えつつ、結構長くかけたよね。
KATSU:結構長くかけまして、
atsuko:何ヶ月か…

KATSU:期間で言うとファフフェスが決まったときはまだ知らなかったんですよ。
石井:あ(うなずく)。
KATSU:本当にファイナルだと思っていました。
石井:お、思ってました

K:ファイナルフェスの打ち合わせで、能戸さんのところに相談に伺ったとき、バカを装って「続編的なの…?」みたいな、能戸さんはっきり「ない」と言ったんですよ。もうBEYONDで終わるんで、ちゃんときれいに完結させますっていう、僕のほしかった答えと全然違う

石井:僕も能戸さんからはそういう風に聞かされました。

能戸:嘘じゃないですよ。終わらせるのはちゃんと終わらせたんで、戻るってことはあるから。

石井:(大笑い)そんなあります?

KATSU:僕もそれに気付かなくて、ファイナルフェスは本当にファイナルだと思って、準備をしている途中に…そのBEHIND THE LINEね実は…ふふふふっていうプロデューサーからの話をいただき、ファイナルフェスより前に実はもうレコーディングに取り掛かってはいるんですよ。フェスの準備とレコーディングの準備を順次にやりつつ、年明けてからちょっとを取ったり、半年以上はかかっちゃいましたね。

中西:熟成して作ってるなと思ってたんですよ。でも、素晴らしかった👍
KATSU:👍

KATSU:ファフナーは制作期間長くいただけるんで、じっくり、島民の方が必ずしっくりくるような曲を作れるだけの期間をいただける作品なんで、なんの話でしたっけ?
マスダ:どういうふうに作ったのかな~。能戸さんも曲はなんとなくこういうのがいいかな、中西さんにお伝えいただいたときも、イメージは割と湧いていた感じですか?
能戸:なんとなくっていうか、こんなのかなっていうのがあって、中西さんに話して、打ち合わせして、結局どうでしたっけ?
中西:demo一回お送りして、一発いいね

最初はTV版の90秒ver.だったらしく、90秒ではちょっと変なところで終わっちゃうと能戸さんが判断され、フルサイズになりました。

atsuko:シナリオ、絵コンテがきて、情景が見えてしまって、歌詞に落とし込んでいったら、BTLを語るになっちゃったんので、そのように使われててすごい感動しました。嬉しかった。
能戸:あれって、絵コンテの尺を計算して歌詞とか書いてたんですか?
atsuko:それはできない、流石に(笑)
KATSU:「永訣の日」EXODUS17話のときは計算しましたけど、今回丸投げでした。絵コンテだけ来て、どっから始まるのがわかんないですよ。

能戸:丸投げっていうか、プロファフナーじゃないですか。
atsuko:プロファフナー!
石井:信頼ですね、信頼!

マスダさんが完成した作品を観た感想などについて登壇者に質問。

冲方:震えました。すごいなー、なんでもう一回本編作ったなっていうくらい、クォリティーが高くてびっくりしましたね。
KATSU:俺、見事な回収芸だなと思って。
冲方:芸w

KATSU:石井くんが言った、ご褒美だったファフナーの部分がつめあわさってるBEHIND THE LINEを見たときは本当に拍手を(送りたいです)。

冲方:キャラクターがいきいきしていて、見せなかった顔を見せる。真矢が甘えるところ。カノンが「私は遠慮しない」あそこまで前のめりのなったことないですよ。戦い以外だと。一騎がそこまでかわいそうな顔をしたまま実はなくて。ものすごくおかしい総士が書きたかったっていうのもね。こいつ本当面白いなと思って。全部違和感なく、絵が演技しているわけです。声と一緒に。本当に素晴らしかったですね。

冲方:
・BEYONDから密度が変わる。
・BEHIND THE LINEの風鈴に止まった虫は何時間かかっただろう。
・背景にドラマがあって、
 真壁家の卓上の赤べこ、遠見家の台所の千鶴ママの献立など。
・至るところにドラマがあってすごい密度。

能戸:
・脚本に対してこの絵をつけようとするだけではダメ。
・考えてないじゃないかと思うところをうまく埋めていく。
 冲方さんを驚かそう!
石井:あら探し
能戸:あら、あら探っ、なんてそんな言い方悪いすか?

KATSU:
ストイックなんですよね。
・完璧にできててんじゃんと思ったら、能戸が渋い顔をして、
 これから絵を書き直すとストイックさ全開。

マスダ:冲方さんがちゃんとまんまと驚いてくださったんですね。
冲方:まんまと驚きました。BEYONDを作りながら(このクオリティーを出せるなんて)頭が下がります。

隣の最初のお客様を観察するような、能戸さんがチラチラ冲方さんの様子をうかがうという。
冲方さんも初見のお客様気分。

冲方:最初はあんなシーンなのに、次はあのおかしいシーン、どうして?!無になります。
能戸:すごい真面目に作ったんですよ。おかしくならないように。ここは逆によかったのかもしれないですけど。
冲方:そうそう。総士もそうなんですよ。真面目にやっているから面白いんです!あれは受けを狙ってやってたら、もういいよお前っていう感じになるんですよ。

マスダ:たしかに。喜安さんも、真面目に?
喜安:もちろんそうです。そんななんかふざけたところは、私なんか一切ないです。
石井:言い方言い方!なんか含まれてる(自分を指す)。
喜安:いやいや何でもないです。一切。
石井:(笑)

喜安:すごくしゃべりやすかったし、演技しやすかったっていうか、作品のムードがそうさせるかどうかわからないですけど、呼吸のしやすいシナリオだったんですよ。呼吸のしやすさがゆえに、全編通してずっと楽しかった記憶しかないですね。緊迫感のあるシリーズの時は緊迫感のなかでバリエーションをつけなきゃいけないっていうか、そのキャラクターの心のディテールを表現しないといけないですけど。それよりはもう少しふり幅が、怒ったり、落ち込んだりとか、感情の幅とか種類が、フラットなシチュエーションだから出るのはあったりもして、体が自由だなっていうのはすごく感じながらやっていましたけどね。

マスダ:石井さんは難しかったなっていうセリフはあるでしょうか。

石井:呼吸のしやすさって、今喜安さん言ってましたけど、間違いなくそのリラックスの中に生まれるものなんですよね、呼吸って。ってBEHIND THE LINEが何がそうさせるかって、そのリラックス感っていうものを、どれだけ喜安さんが体で感じられていたかったと思うんですよ。ってだから、よく言いますけど、今回、めちゃくちゃガチガチだったので。リラックス感っていうもの、僕が最初感じていられなかっただけに、全体の歯車が合わないわけです。っていうところが、まず一つ難関だったんですよ。歯車合わせて行かなきゃいけないから。

喜安:本当に緊張してる!すごい緊張。

石井:あんで、始まった瞬間にふわっと、あのわかります?みなさん。例えば乗り物に乗って、ジェットコースターみたいにすっと降りるときに体がふっと浮く感じわかります?あの感覚を始まった瞬間に感じてしまったんです。なぜか、ふって。そしたら、体が「動かねぇ」ってなったんですよ。

喜安:(笑)十何年やってるのに、恐ろしいね!
石井:恐ろしいですね、不思議と。だから、いつも緊張感の戦いの中にいた一騎が、そうじゃないところに降り立った時、「はっ」となっちゃったのかもしれませんけど。

マスダ:その中で出来上がったものを冲方さんが自然と受け入れられていたってことは、大丈夫だったってことって大丈夫ですか?

冲方:まあ、ファフナー大体最初入る時、みんななんか悲壮な顔をしている場合が多いですね。EXODUSの第1話で、三間さん(音響監督)が途中で止めて「葬式じゃないんだよ」。
石井:(苦笑)
冲方:今回平和なのになんでそんなに怯えているんですか?
石井:(笑)
冲方:ちょっとわからないです。
石井:本当です。わかんないですね。

ダビングの話

中西:久々にダビングに行ったんです(プロデューサーに勤めるのが久々)。冲方さん、こんなに朝早く起きられるんだと思いました。
冲方:最近健康です。


19年前の自分へ

マスダ:第一期が始まる頃の自分に対して、今の自分から「蒼穹のファフナーってこうよ!」みたいなのを伝えるとしたら、どんなことを伝えるかな?っていうのをちょっとお聞きしたいですけど。まあここまで19年続いたっていうところで、誰から聞こうかな?

石井:19年前の自分へ?
マスダ:そうですね。あっじゃ石井さんお願いします。
石井:(笑)なんですか?その振り方。

石井:そうですね、そうですね…うん…

石井さんパート

石井:こんにちは。19前、19年前の、2004年の石井くん。
冲方:そこから始まるの?
能戸:なんかラップが始まるみたいな。
冲方:やるの?
石井:いやーーそんなのやりませんわ。そうですね…

喜安:ちょっと待ってください。いいですか?これ(石井さんの胸ポケットに入っている一騎ぬいぐるみ)、垂れ下がってるよ。
石井:(爆笑)一回、これね、ちょっと入りが…
冲方:せっかく子総士で留めてあげたのに。
石井:缶バッジで留めさせて、ぶっ刺してね。一回楽屋でなくしたのですよ。なくなちゃって、ここに入れてたはずなのに。
喜安:「一騎くんが迷子になりました」って言い始めまして。
石井:一騎くんが迷子になりました。本当になくなっちゃって⋯

石井:のもあったんですけど…何の話でしたっけ?

マスダ:19年前の自分へ。

石井:台本読んで、しかめっ面してるじゃないか。
驚くことにな、そのお前今向き合っている作品、
19年後にも向き合っているぞ。
そしてまた驚くことに、ずっと、しかめっ面だぞ。

だけど、しかめっ面をしてた分、大っきいものを得るぞ。
そして、お前がしかめっ面をしてた分、
たくさんのその作品が好きな人たちが生まれるぞ。
だから、懸命に向き合え

ああそれと、そんな作品だから、
まあイベント事とか全然ないと思うよな、
だけど驚くことにな、
そのあと、めちゃくちゃイベントするぞ。

(客席から拍手が起こる)

えーー、一緒に登壇する喜安さんという人と、
松本さんという人がいるんだけど、
あっまだあんまり話してないかな?
あのさあ、その二人、
喜安さんはなんとすごい作家先生になっている。
松本さんは、今日東京ドームで始球式だって。

(登壇者を含め大笑い)

お前は、相変わらず、
猫を追っかけてる。(笑)いい加減にしろ!
以上です。

マスダ:ありがとうございます。では喜安さんお願いします。
喜安:(石井さんを指す)別にこのスタイルじゃなくて良いですか?
マスダ:大丈夫です!
喜安:なんで最初にこんなことをしちゃったんですか?!
石井:ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
喜安:語りかけるって本当に語りかけちゃったんね。
石井:っていうから!
KATSU:語りかけてほしいな~
喜安:(苦笑)

喜安さんパート

・(総士は)自分がやる役と思ってなかった
 ほかのイベントでも話した。
 間違って自分のところに流れ着いちゃうのでは?
・もちろん適当にやるつもりはなく、すぐ見抜く人しか周りにいない。
 いつも銃を突きつけながら演じてきた。

・17、18年目のある日、どんなセリフを与えられても
 彼(総士)の言葉として喋れると、収録の時に感じた。
 そんなところまでたどり着かせていただけるキャラクター。
・「一つ一つの出会いを大事にしなさいね!」
 当時ぼんやり、アロハを着てスタジオにきた自分に言いたい。

能戸さんパート

・まだ30代の頃。(ほかの登壇者に年齢は要らないとツッコまれました)
・最初はすごく悩んでいたが、途中から中西さんも入って、相談相手が増えた。
・ある特典映像で自分だけスーツ。
 みんなスーツを着る約束だったのに、未だにトラウマ。
 それから何を言われてもスーツは絶対に着ない。
・19年前の自分、スーツは着るな

冲方さんパート

飲み会に警戒しろ
・その場で何か考えないといけない場合が多い
・無印16話がまだ自分の記録を抜かない。
 夜アフレコが終わって、締切が明日の8時。
 アニメ業界ってこんな感じなんだ!すごいな!
 若い僕はすっかり信じてやってしまいました。
・平和なときは戦いに備えろ。
 今おいしい飯と酒を食ってるってことは、後で来るぞ!
・でも逃げるなよ!それが楽しいから。

atsukoさんパート

・「fly me to the sky」、「Shangri-la」あたりでひーひー言ってはダメ。
 トータル34曲も作るから。
・そのたびにプロデューサーからもっと痛いやつをとリクエスト。
・(島民たちが)深い思いをしてくださってありがとう。

KATSUさんパート

・曲ができない、辛い日々はこう思え!
 ファフナーはアニメじゃない(人生です)。
・アニソンを作る感覚と違う。
遺跡の発掘するような感覚で出来上がって行く。
 狙って作るというか、結果こうなったっていう曲がファフソン。

そして、島民の味方であるプロ島民のKATSUさんが、冲方さんの話したエピソードに反応を示されました。

KATSU:伝説の「5秒待って」も16話ですよね。あんな痺れるのが短時間で書いたとは知りませんでした。
冲方:このあとやっちゃったなと思って、「あっ、こいつできるんだ」と思われちゃって、情け容赦のない締切がどんどん来る。

ギネス世界記録認定式


angelaさんが34曲のファフソンでギネス世界記録を達成しました。
式は英語と日本語で行う、アニメ系のイベントにしては不思議な体験。

atsuko:私たちというより、オファーし続けてくれたプロデューサーのおかげです。これ本物ですよね?世界一ですよね?どうしよう?そういうキャラじゃないのに。

ふざけたことをたくさんしてきたangelaなので、惜しい!また次回のチャンスに!とか、そういうオチもあり得るから、まさか本当に記録を達成できました的な話をされました。

また、ライブの準備に入るangelaさんから証書を預かる石井さんですが、喜安さんと以下の会話がありました。

喜安:?石井さん、そんな(体勢で何するの?)
石井:重たい
喜安:えっ、そこに居座る気なの?
石井:(頭を振る)
atsuko:ずっとここで飾る。
喜安:いや、行こう行こう行こう。
石井:(重いものを運ぶような感じで証書を持って一時退場)

angelaライブ

atsuko:こんなことを予想した方いますか?私もないですよ。
やはりみんな仲良くやらなきゃだめですね。うん、そう思うの。

atsuko:喜安さんも言いました、BEHIND THE LINEは呼吸しやすい作品。「Start again」も呼吸しやすい歌です。そういうところってやはりつながるんだな。

セトリは「Start again」と「Shangri-la」。歌声は本当に音源のそのまま。
公式のペンライトやタオル(「Shangri-la」用)を持参の島民が結構います。

告知


一騎と総士のおしゃべりぬいぐるみの発売

喜安:夢の共演(BEHIND THE LINE傷あり総士と胸ポケットのTHE BEYOND傷なし総士)。
石井:本当だ!

石井か喜安:収録音声を見ると、何となく対話できますよね。
冲方:名シーンをおうちで再現できるってことですね。

石井さんと喜安さんが早速対話させようとしたが、喜安さんがうっかり総士のぬいぐるみを押したことがあったらしく、収録音声の順番がずれました。

喜安:(ぬいぐるみを鳴らす)「こうまで想定外か」
石井:想定外ですよ?!

出てくる音声が想定外と、その音声のセリフが想定外を含むという、二通りの想定外がおもしろい。そしてようやく調整が終わり、二人がぬいぐるみにマイクを当てながら音声を再生して対話させました。
「喜安さん、もう一個やってみてくださいよ。」
ファンサービス精神が作動したか、若干強引的な石井さんが珍しい。

また、石井さんの天然ボケが現れるエピソードもあります。
はじめてぬいぐるみ電池交換式ではないことに感謝しました。

石井:個人的に「俺はまだ電池切れじゃない」(のセリフが良い)。
喜安:言い張って言い張って結局電池切れ。せ・つ・な

angelaコンプリートアルバムの発売

ギネス世界記録を達成したファフソンアルバム。


THE BEYONDのTV放送

喜安:つい、先行上映の意味が!
石井:なんで私たちまでひた隠し?

登壇者の一言


能戸さん

・一度THE ENDした総士がまた戻ってきて「何度でも」と言って。
・石井さんは石井さんで19年間緊張してきた。

冲方さん
・尾道に連れてきてくださってありがとう。
・皆さんが扉を開き続けてきたおかげです。

angelaさん
・自分たちの記録は自分で超えます。

喜安さん
・もう少し、お会い出来そうな気配がしてきましたね。
・ファフナーは辞めるとどっと来るんですよ。
・BEYONDで隔世の感。
・長く楽しみ続けられる幸福。
・また元気でお会いしましょう。

石井さん
いつも言うことなんですが、あの、この19年っていう長い時間、僕たちが作品を作りたいからって、19年作れるわけないんですよね。まあまあ、この制作陣が、みなさんを巻き込んだわけなんですが、でも、巻き込またみなさんが、僕たちと同じように、いや、それ以上かな?それ以上の、それ以上に熱中してくれったってことが、やっぱり本当にファフナーのすごいところだなって思います。えーこんなにみんなが一つになれる作品、なかなかないと思うんですけどね。なのでこれからもみなさん、このファフナーっていう作品を抱きしめていていただけたらと思います。ということなので、これからもファフナーを宜しくお願いいたします。

中西さん

・20周年に向けて今夜飲もうかなーー


貴重な裏話などはもちろん、個人的に今回の大きい収穫は、涙を堪える石井さんでした。現地で見たとき、なぜ石井さんがよく顔を上げるだろう?と不思議に思いながら、3階席へのファンサービスだと受け止めました。

帰宅して配信で表情を確認したら、どうやら泣くのを我慢するために、上を向いたからです。イベントではニコニコしていて、陽気な雰囲気やギャグな一面を見せることの多い石井さんですが、今回はいつもと違う顔が拝見できて、まさにファンサービス同様でした。


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