図書館どこまで機械化できるか問題

AIに仕事奪われるぞと言われるようになってはや云年、司書もやばいんじゃね?とか言われることがあるので、独断と偏見で色々考えていきたい

貸出や返却業務
ここらへんはAIすらいらんし、なんならすでに全て利用者が自分で全部できるようになっているところもあるぐらいだからはやくどこもそうなってほしい
司書の仕事の半分は貸出返却で時間が潰れるからこれがなくなればかなりの時間を他のことに使うことができる
ただ、個人的にはカウンターで利用者と二言三言会話するのも楽しいからそれがなくなってしまうのも少し寂しさはある
というのと、貸出返却が利用者自身が行えるようになったとしても必ず一定数の操作がわからない人が出るので開館から閉館まで誰も見ていなくていいというわけにはいかないと思う

予約、検索、レファレンス
これは完全に機械化、AI頼みは無理だと考えている
まず予約について
予約入力は今も利用者側で検索から予約入力まではほぼできるようになっている、しかしそれはパソコンの操作がわかる、インターネットを利用できる人に限る状態である
残念ながらインターネットを使えない人はまだたくさんいるし、端末と説明書あるから勝手にやってねで済ませられるほど人間はできていない
検索についても全て機械化AI化は難しいだろう理由は
「利用者は自分が探しているものを見つけられないから」
いやいやそんなことねぇーし、探せてるし!っていう人もいると思う
そういう人は「本当にちゃんと探せている人」と「本当は複数選択肢があるのに検索不足で一部、もしくは【無い】と判断した人」のどちらかだ
前者は完璧なのでそのまま頑張ってほしい
後者はどういうことかというと
「本当は文庫本を探しているけどハードカバーしか見つけられなくてそれをそのまま借りる人」
みたいな「検索する技術」が足りて無い人のこと
司書は検索そのものや、その検索システムに慣れているので適切な検索をして利用者が探しているものを見つけることができる(もちろんダメな司書もいるにはいる)
そんなのAIがあればできるだろって思う人もいると思うが、AIはあなたが言った言葉以上のことは推察してくれない
司書が利用者からヒアリングして検索をする時には利用者がタイトルを間違えて覚えている可能性、著者を勘違いしている可能性や「これぐらいの大きさで表紙が青くて白いラインが入った本」のような直接本のタイトルと関係の無い情報を聞いて調べる
調べると言っても司書が自分の記憶の中から本を引き摺り出すことも多い
こういうアバウトな情報から本を特定する作業や利用者から本の情報を引き出す質問をすることはAIにはまだ難しいのではないか
本のアキネイターでもあればいい線いきそうだから誰か頑張って作ってもらいたい
もう一つAIには難しいと思う部分がある
それは探している本がなかった場合、利用者にいかに納得をしてもらうかということ
利用者が探している本が見つからないことは多々ある、まだ買っていなかったり破損汚損していたり…
そういう時に「上手く諦めてもらう技術」も必要になる
同僚が質問を受けている時に上手く諦めさせられず、揉めているところを何回か見たこともあるのでそういった細かな感情に対応するのも人でないとできない部分ではないだろうか

配架、書架の整頓
超高性能配架書架整頓マシーンはよ誰か開発してくれ
返却された本を元の棚に戻す作業を配架とか整架とか呼ぶんだけど、これが一番時間の無駄だと思う
もちろん利用者が元の場所に本を戻すのは難しいし現実的ではないから必然的に手の空いているスタッフがやるんだけど、そのスタッフもやることがなくてぶらぶらしているわけではなく、配架をしないと本が溜まる一方だから仕方なく配架作業をしているわけで、この作業がなければその分他の仕事を進められるわけである

元の場所がわからないからといって適当なところに本をつっこんで帰る利用者は足首を捻ってしまえばいいと思う

結論
…私たちはつい機械を万能なものとして見てしまいがちではあるが、機械は私たちが操作したようにしか動かない
AIはもしかしたらかなり人に近いところまで来れているのかもしれない
だがそれが図書館で利用できるようになるまではまだまだ時間がかかるだろうし、予算や物理的なスペースなどの導入までの壁もまだまだある
機械やAIに任せて効率化をしていくべき部分、人間が対応して細やかなサービスを行う部分を上手く見極めていく必要があると思う

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