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西成

個展前最後に西成を歩いた。もう展示準備は終わって、後は気持ちの整理といったところ。行ってみて前半は全く写真が撮れず、文章だけこっちにまとめましたよ、っと。↓

まぁこんなことがありまして。誰かに話してぇなぁと思いながらふらふら歩いてると、この前の夏祭りで撮らせてもらった陽気なおっちゃんが座ってる。こんちはーと挨拶して隣に座らせてもらってゆっくりしながらさっきの話をしていると「愛にオトコもオンナも関係ないんや~!」と高らかに笑い飛ばされた。やっぱりおもろいコトは人に話して笑ってもらうに限るなぁとか思いながらホッとするなどした。

しばらく座ってるとスマホを構えた兄ちゃんと演者らしき兄ちゃんふたりがおにぎりを配りにきた。なんとなく見たことあるなぁと思ってると、ブレイキングダウンに出てる醤油ニキだった。西成、今はほんとにYouTuberの恰好の的になっていて、でも彼らもそれなりにイイコトはしていて、ただ写真を撮ってるだけの自分としてはむやみに否定できるもんでもないなとか思ったり。

その後、若い兄ちゃんふたりが後ろに座って酒を飲み始めた。陽気なおじさんも隣にいて、みんなでいろいろ話をすることになった。俺ひとりじゃおじさんに聞けないようなことだったり、兄ちゃんたちのことだったり。西成に来るとみんなどこかオープンな気分になってしまうんだろう。こうやって知らない同世代と喋ったりするのは案外都会の街中じゃできなくて、おじさんだけじゃない西成の街の良さを実感した。

兄ちゃんたちとはちゃっかりインスタを交換して個展の告知。行けたら行きますわ~と笑顔で別れた。

帰り道、四角公園に寄ってみると、この前会ったおばちゃんがいて、この前ヤマちゃんの誕生日のときに会った者です、お久しぶりですと声をかけた。向こうは忘れてるらしく、いつやっけ?よく遊びに来てるん?などと軽く話して西成を後にした。

今日西成に行ってみて、改めて西成は一期一会の街だなと思う。この街に住んでいる人はみんな高齢で、いつ亡くなるかもわからないし、なんなら酒ばっか飲んでて昨日のことなんか覚えちゃいないような人もいる。でも、今、ここで楽しく過ごせたらいいじゃないかという開き直ったかのような明るさがあって、俺はその空気感が好きなんだろう。

それぞれに暗い過去があったり、写真に残されたくない事情がある人もいて、その人の全てを引き受けるのはどうしても自分には荷が重い。そういう人たちとしても、他の人にそこまで自分を受け入れてもらいたいというような承認欲求みたいなものもなく、だからこそ今ここで楽しめてるのかもしれない。俺もこれからなんな嫌なことがあったら、ここに来て酒を飲んでどうでもいいこと喋って笑い飛ばすんだろう。

やっぱり俺はこの街が大好きだ。


鷲﨑雄一写真展「西成」展示情報
会期:9/16,17
会場:アートギャラリー ヒルズワン
大阪府豊中市本町6-1-1 2F
阪急宝塚線「豊中駅」から徒歩6分
※入場無料


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