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西成に行った(2023.9.12)

西成に行くと三角公園で一服するのがルーティンになっている。そこで西成の雰囲気に体を馴らして、そこから写真を撮り始める。歩きながら撮るときもあれば、一緒に話しながら撮らせてもらうこともある。

で、今日はもう座ってるときからちょっと若めのおじさんが話しかけてきた。
「こっちがキレイだよ、こっち来たら?」「今日雨降るよ」「お兄さん遠くから来たの?」「私そこに住んでる」と少しカタコトの日本語。「雨降りそうだね、家来る?来ていいよ」と誘われたので、じゃあちょっとだけお邪魔しますーとなぜかすんなり誘いを受ける自分。

一緒にそのマンションまで歩いてるうちにだんだんヤバいことになるかもしれんと思い始めて、「え、お兄さん、悪いこととかしてないっすよね?笑」と冗談っぽく聞いてみる。何を返されようが信用なんてできないんだけども、「私は悪いことはしてない、悪いことしたらダメ、大家さんに怒られる」との返事。そっかーとか思いながら歩いてると、そこはもうマンションの下。エレベーターに乗ってしまった。

部屋の前。ドアを開けると玄関もあってないような感じで、適当なとこまで土足で入っていくおじさん。かなり狭い部屋で、ベッドと人ひとりが通れる隙間がある程度。促されるままにベッドに座った。

聞くとベトナムからこっちに来たそうで、韓国での勉強を経て、現在は西成の飲食店を掛け持ちしながら働いてるらしい39歳。日本語学校にも通ってたそうで、たしかにそれなりに話せる方。「仕事キツいね、毎日疲れるよ。マッサージ行きたいけど高い。それに下手だよ」と愚痴。「私マッサージ習ってたよ、お兄さんほら横になって」と自然な流れ(…いや、そんなことないだろ、そもそも初対面なんだよ…)でマッサージを提案された。汗の臭いが染み付いたベッドに横になるのも憚られたけど、もうここまで来てしまった手前断るのもつまらんなとか思って、言われるがままにうつ伏せになった。その際ポケットに入れてたカメラを出すと、一瞬の間があった。

「ここ痛い?痛かったら疲れてるよ」など上手なのか下手なのかよくわからんマッサージをされる。世間話などをしていると、彼は毎日仕事で忙しく西成に友だちは誰もいないらしい。ひとりだけベトナムからの知り合いはいるらしいけど遊んだりはなく、仕事して帰ったら寝る生活の繰り返しだそう。寂しいんだろうなと同情したりもしつつ、そうはいっても初対面で人を家に連れ込むかね…?と思ってたら、ベトナムでは当たり前とのこと。いや、そんなん俺は知らんけどさ…。

そうこうしてるうちに仰向けになるよう言われる。お兄さん飛田行ったことある?あそこ高いよね~何回くらいイける?など話は下に傾きつつ、おじさんの手は鼠径部へと伸びていく。お兄さん若いから元気でしょ?などと言いながらちょいちょいチンタッチが挟まれ、自分が若いサルなことを悔やみつつチンが20%くらいになってしまった。すると、服の上からじゃマッサージしにくいよ、パンツ履いてるでしょ、これ脱いでよなどと提案してくる。さすがに断るけども、恥ずかしいの?抜いてもらいたくなってきた?飛田に行けばいいよとか何が冗談なのか分からなくなってきて、さすがにもうムリですね。

予定あるんでもう帰りますと告げ、せっかくだし写真撮ってもいいですか?と聞くと、「写真は一番嫌い」えー、せっかくこうやって仲良くなったんだから…「嫌だ」「私カッコよくない」じゃせめて後ろ姿くらい…「向こうでいっぱい写真撮れるよ」と俺を押し出すようにエレベーターに乗せて、さようなら。あらあら。

とまぁ、こんな感じで写真を撮ってきた西成。個展やるんでぜひ来てください。

鷲﨑雄一写真展「西成」展示情報

会期:9/16,17
会場:アートギャラリー ヒルズワン
大阪府豊中市本町6-1-1 2F
阪急宝塚線「豊中駅」から徒歩8分
※入場無料

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