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台風の夜に・・・

少し間が空いてしまいましたが、皆さんお久しぶりです。

前回の更新から今回までの間の3連休に、超大型台風19号が上陸して日本列島に多大な被害を与えていきました。まずは皆様がご無事であることを心から願うと共に、被害に遭われた方々の一日も早い復興を望んでおります。

今回はその台風当日に犬太郎が経験したこと、そしてその時に強く感じたことなどを書いていこうと思います。

今回は上陸前からメディアなどで、過去最大級とか非常に大型で強い台風という表現で警戒を呼び掛けていましたが、実際にその言葉通り・・・場所によってはそれ以上の被害を受ける結果となりました。

犬太郎の地域も例外ではなく、夕方から夜にかけてスマホの緊急発令が絶え間なく鳴り続けていました。そして夜・・・町役場からの放送で近くの川が危険水域に達しそうなので、非難の準備をするようにとのアナウンスが流れたのです、、、。犬太郎の住んでいる町は川と川に囲まれていて、そのうちの一つは日本最大の川。そんなこともあってか、私はかなり緊迫しておりました。というのも、巨大な川だからこそ決壊したときの被害は尋常ではないのですが、その分対策が非常にしっかりしており、実際に犬太郎が今の家に来てから30年近く経ちますが、その間に記録的な大雨が降ったことも度々ありながらも、川が堤防を越えて町に溢れてきたというような出来事は一度もないのです。

犬太郎が引っ越してくる前は記録的な利根川大氾濫を含め、何度か氾濫の被害に遭っていて、かなり古くから住んでいる住人の家には一家に一台ボートがあるという話を転校初年度に学校で聞いて、かなり怖がっていた記憶があります。

この30年で『これ、やばいんじゃないか?』と思える程、雨が降った時も何度かありましたが、そういう経験をして来た以前からの町の住人たちが『全然大丈夫!』的な対応で全然焦ってなかったので、過去の大被害があったからこそ鉄壁な対策が出来ていて、ちょっとやそっとじゃ崩れることはないのだろうと安心するようになって来たのです。

そんな、以前からの町の住人達が今回の台風ではニュースの報道と同じように、直撃前からかなり騒いでいたことから、その尋常でない危険度を感じずにいられませんでした。

そして深夜、スマホのアラームが各部屋や家々から一斉に鳴り響き、テレビをつけるとテロップの避難勧告のエリアに犬太郎のエリアが!この出来事がすでに初体験の犬太郎は、もうパニック状態。『どうしよう、、、。避難した方が良い?寝ている家族がいるけど起こした方が良い?周りの家はどうしてる?』、、、実際にこういう状況に直面して、自分のダメっぷりを完膚なきまで思い知らされた犬太郎。最終的に避難してくださいとマイクでアナウンスして回る車が来たことで、非難が最優先と心を決めたのですが、今度は家族がバラバラ。自分は残ると言い出す者、もう少し様子を見ようと言い出す者、動くのに時間のかかる老人、いろいろな物を持って出ようとバタバタ家探ししている者、そして避難最優先と決めてからは、何も持たなくていいから取り合えずまず避難をしようと急かす犬太郎。想像の中ではもっと早くすんなり避難できるものだと思っていました。実際現実に体験してみてこんなにまとまらないものだとは・・・。

そして、学校か老人ホームか、、、3階以上の建物が少ない田舎町の中でどこに非難すべきかを役場に問い合わせたところ、『町自体が危険なので、もっともっと遠くへ!とにかく町から離れて下さい!』との返答が・・。

最終的には、あまり歩けない人間が家族にいることから、家から近い場所にある5階建ての老人ホームに非難することになったのですが、そこの2・3階を非難住民に開放してもらい、そこで翌昼まで過ごさせていただきました。

その中で、何度か区長さんが現状説明や重要事項の発表をするために家族の代表者を集めてお話をして下さったのですが、今回の1件で今でも考えさせられる言葉があります。

『危険水域が〇〇〇を超えました。もういつ決壊してもおかしくない状況です!いまならまだ、歩いて10分くらいの〇〇小学校から〇〇市の避難所行きのバスが出ています。そこまで行けば、周りにお店もありますし、避難所なので設備も整っています。ここにいて、もし川が決壊したら完全に陸の孤島になります。おそらく水が引くのに半月~20日はかかるでしょう。もともと住んでいる老人達に4・5階に移動してもらって空けているスペースなので、ここでは全員分のベッドはありません。ソファや椅子で寝てもらうことになります。』

犬太郎にはその後に(時間がないです!さあ選んでください!貴方が!今!!さあ!!!)という実際には言ってない言葉も含めて、区長の言葉として残っています!何でこの言葉が心に残ったのか・・・おそらく人生の選択としてこんなに迷った選択は記憶にないからでしょうか?そして自分で何かを決めることがこんなに怖いと思ったことも・・・。

う~ん・・・うまく説明できないのですが、何かを自分で決めていくことの大切さとそこには責任を背負うということを改めて突き付けられた出来事だったからなのかと今は感じております。

そして、『犬太郎の生き物日記』として、今回の台風で感じた"生き物”に関わることにも触れたいと思います。

時間を遡って、避難勧告が出て家族で家を出た瞬間、ふと前の家にいる大型犬と目が合いました。前の家の家族たちは犬太郎一家よりも早く非難をしたようで先程だいぶガヤガヤしておりました。その時にこの大型犬もだいぶ吠えていましたが(←基本的に家族が出かけるときは毎回吠えています。)、今はこの深夜に他の周りの家も避難を始めていて、いつもと違う雰囲気にキョトンとしていました。

その姿が、少し寂しそうで、そしてどこか不安気で、どう表現していいか分からないのですが、すごくやり切れない思いに陥ってしましました。

と同時に、皆まずは一時的な避難ということで移動しているだけで、すぐ戻れるという思いがどこかにあっての行動かとは思いますが、もしこのまま実際に決壊したら、この犬はどうなるんだろう、、、。家の中に放し飼いで置いていかれたわけではなく、庭で鎖に繋がれて、もし洪水でも来たら、、。

考えるともう発狂しそうになったので、一旦考えるのをストップしました。実際緊急時での出来事であり、この場合の正解が私にも分からないので、このこと自体の発言は控えようと思っております。

そんな犬太郎が老人ホームについて、そこで夜を過ごすことを決めてから、椅子に座って寝床を確保したら、今回の台風の現状を知りたくてスマホをいじり始めました。

その時に出てきたニュースの一つに、ある芸能人が自宅の1部を開放して、一時的に避難せざるを得ない家族のペットを預かります、、、。という内容のものがあり、先程の大型犬の一件もあったことから、それが真っ先に目に入って来たのです。

それを見た瞬間、私は非常に感銘を受け、先程まで感じていた何とも言えない悲しさや、ぶつけようのない怒りから救われた気がしました。

毎回、こういう話が出ると必ず賛否両論が出ますよね、、、。有名人が被災地を訪れたり義援金を送れば、売名行為だとかひっそりと行けばいいのにとか、、、。被災地を元気づけるためにライブやイベントをすれば、そんな気分になれるか!もっと現地の人の気持ちを考えろとか、、、。

でもね、これは一言でこれが正しいとか、間違ってるとか言えるものではないことは十分承知の上で、犬太郎個人考えとして有名人という非常に世間に対して強い影響力を持った方が、その立場で最大限出来ることをしていて何が悪い!?と思うのです。義援金に対してもわざわざ大っぴらに言わなくてもひっそり行えばいいじゃん!という方もいますよね、、。確かに誰も見ていないところで、周りの評価などを気にせずに一人の人間としてひっそりと現地に行かれて、人知れず現地の復興に貢献した方も非常に素晴らしいと心から思っております。 

強い影響力を発信できる方が大っぴらに行うことで、結果としてたくさんの方の心を動かすことが出来るのであれば、それはそれで正解なんじゃないか?本当にうまく言えないのですが、少なくともこれだけは言えることがあります。

何だかんだ理由をつけて結果的にただの傍観者で終わってしまっている人に、正しいかどうかは分からなくても真っ先にその人の正義を持って動いている行為を批判することは出来ないんじゃないかということです。

これは、今回のような大きな災害時だけでなく、日常生活の中でも度々出てくることですが、例えばすごく傷ついている人がいてその人を助けたいという思いが前提にある中で、こんな状態の人にこんなことをして逆に余計にその人の傷を深くするんじゃないか?触れないのが一番いいんじゃないか?よし、そっとしておいてあげよう!・・・そして、さも"そっとしておくというベストな行為”をした気になっているけど、実際何もしていない。それよりは、迷惑がられても、結果的に間違っているかもしれなくても、その人のために動ける人間の方が、少なくとも犬太郎は100倍立派だと思っております。

こんな偉そうなことを書いてしまっておりますが、現状の犬太郎は間違いなく"そっとしておこう”という側の人間です。毎週更新していたこのnoteも、自分の考えをただ伝えるだけなのに、こんなことを書いてよいのだろうか?一方的な意見でしかないのではないか?そう思うと訂正したくなったり思いとどまったりで結局3か月も空いてしまいました・・・。 

ただ、私は一人旅をたくさんしているのですが、そこで知り合いになる人間の中には、国内で何か災害が起こればすぐに現地に飛んでいき、時にはボランティア団体に入って積極的に人助けをしている旅仲間が結構います。そんな人間を見ているうちに、その行為が正しいかどうかを気にするよりも、その人(動物)を助けたい!という思いが本物であれば、自分の正義に従ってまずは動くことのできる人間になりたい!!と、心の底から思えるようになって来ました。

そんな人間に近づけるように、まだまだ"いきもの”としての成長を続けていこう思っております!

               《19日目終了 20日目は通常に戻ります》


大好きな犬はもちろん、動物全般、、、いや鳥・魚・昆虫・植物に至るまで生き物に関することをいろんな角度から私、犬太郎の想いをただただ好きに語っていく日記です。