体内からの紫外線予防
紫外線が気になる季節。デメリットが叫ばれる紫外線ですが、利点もあります。皮膚におけるビタミンDを生成することなのです。ビタミンDは骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防に大変重要なビタミンで、日光にあたることで変化していき、骨へのカルシウムの取り込みを増やします。一方で、紫外線に長時間あたると、皮膚、目、免疫などにあまりよくないことがわかっています。体内からの紫外線予防対策をご紹介します。
【紫外線とビタミンC】
私たちの皮膚にはメラニン色素という色素があります。強い紫外線を浴びた時に、皮膚の炎症を防いだり、正常な細胞を守ってくれます。ところが、色素は沈着してしまいます。メラニン色素の沈着は、シミやソバカスの原因になってしまいます。紫外線が多いと、細胞が活発に活動していき、メラニン色素をたくさん作り出して皮膚を守ろうとします。そこで、メラニン色素が沈着するのを抑える働きをするのがビタミンCなのです。さらに、紫外線を浴びると、活性酸素が発生します。活性酸素は、シミやくすみのもとになったり、皮膚を老化させる原因になってしまいます。ビタミンCは紫外線から私たちの皮膚を守り、健康的な肌を作るために重要な役目をしてくれます。しかし、ビタミンCは体内で作ることができません。必要な量は食品から摂らなくてはならないのです。
【ビタミンCはどのくらい摂ればいいか】
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれていることが知られています。日本人成人の1日あたりのビタミンC推奨量は100mgとされています。ビタミンCを100mg摂取できる量の野菜・果物は、ブロッコリー0.3株83g、黄パプリカ0.3個67g、赤パプリカ0.3個59g、柿1個143g、キウイフルーツ1個98gなど。オレンジなどの白い果皮や薄皮には、ビタミンPという、毛細血管を強くしビタミンCの吸収を高めるビタミンとともに、食物繊維が多く含まれています。薄皮ごと食べるのもよいでしょう。さらに、柑橘類に多く含まれるクエン酸、カルシウムの吸収を促進してくれたり、食欲を増進、疲労回復などの効果も期待できます。。
【ビタミンCを摂るときの注意】
ビタミンCは加熱に弱く、水にも溶けやすいため、切ってから水に長くさらすと壊れていきます。さらに、タバコや飲酒、ストレスは、ビタミンCを消耗させる原因となってしまいます。また、肥満や中性脂肪が高めの方、糖尿病の方は、糖分の多い果物の食べ過ぎに注意です。果物は、薬の作用に影響することもあります。高血圧などの薬を服用している方は、主治医や薬剤師の指示に従ってください。
【そもそもビタミンCとは】
ビタミンCは、水溶性ビタミンの一つです。16世紀から18世紀にかけての大航海時代に、新鮮な野菜や果物の摂取量が極端に少なかった船員たちの間で血管がもろくなり出血がからだ中でおこる壊血病が大流行しました。その壊血病を予防する成分として、オレンジ果汁から発見されたビタミンです。
多くの哺乳動物では、体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができます。ところが、ヒトやモルモットなどの一部の動物は、合成に必要な酵素を持っていないため、ビタミンCを合成することができず、食事からビタミンCを摂取する必要があります。ビタミンCの化学名は、アスコルビン酸で、生体内では通常還元型のL-アスコルビン酸または酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。
【ビタミンCの吸収と働き】
ビタミンCは、骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必須の化合物です。ビタミンCが不足すると、コラーゲンが合成されず、血管がもろくなり出血を起こします。これが壊血病です。壊血病のそのほかの症状は、イライラする、顔色が悪い、貧血、筋肉の減少、心臓障害、呼吸困難などがあげられます。また、毛細血管、歯、軟骨などを正常に保つ働きや、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きもあります。
最近はビタミンCの抗酸化作用に注目が集まり、がんや動脈硬化の予防、老化防止にビタミンCが期待されています。
【ビタミンC不足】
ビタミンCが不足すると壊血病、皮下の出血、骨形成不全、貧血になるおそれがあります。ビタミンCは、果実類、野菜類、いも及びでん粉類、し好飲料類に多く含まれています。バランスの良い食事を心がけていれば不足の心配はないされています。
逆にビタミンCは水溶性ビタミンのため、余剰分は尿と一緒に排出されるため過剰症はないとされてきました。近年、ビタミンCの過剰摂取により、虚血状態により組織や細胞中の酸素濃度が低下した場合には、活性酸素を産生し、細胞死を引き起こす可能性が示唆されてきているようです。サプリメントによる過剰摂取には注意した方がよいかもしれません。
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