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生体リズムを整える過ごし方

体調を整え、健康を維持するためには、規則正しい生活リズムが欠かせないのです。食事、睡眠、運動の3つの要素はどれも大切で、どれかひとつで大丈夫ではありません。それぞれが体内時計に合った最適なタイミングと方法があります。

【朝の過ごし方】


毎日同じ時間に目覚めることは、体内時計を調整し直すのに効果的です。夜更かしをしてしまっても、起床時刻はなるべく一定に保つように心がけましょう。

朝の6~7時に起きてすぐに食事を摂取することで、体内の血糖を調節するホルモン(コルチゾールやカテコラミン)が活性化します。これにより、血糖を下げる役割のインスリンが効率的に働き、自律神経のバランスが整いやすくなります。また、体内時計が活性化し、運動効率も向上することが期待できます。

朝食時には、炭水化物とタンパク質をバランスよく摂取することが大切です。炭水化物を摂ると、血中のインスリンが分泌されるため、このインスリンのシグナルによって体内の時計遺伝子が活性化され、体内時計が調整されます。さらに、同時にタンパク質を摂取すると、インスリン様成長因子が分泌され、体内時計の調整にも寄与します。

朝食後から昼食前に軽い散歩をすると良いです。激しい運動は夕方に行うのが適していますが、この時間帯に軽いウォーキングなどをすると、血液中のブドウ糖がインスリンの働きによって内臓や筋肉に取り込まれ、代謝が促進されます。この習慣はダイエット中の方や高血糖に注意が必要な方に特におすすめです。

【昼の過ごし方】

12時前後にランチをとるのは、体内時計の働きによる影響もあります。この時間帯は、食べたものが脂肪に変換されるBMAL1(ビーマルワン)と呼ばれる時計遺伝子が最も活発に働く時間帯であり、肥満予防に効果的なタイミングと言えます。

仕事中には、90分ごとに休憩を取ることがおすすめです。人間は24時間サイクルのサーカディアンリズムを16の90分区分に分けて活動していると言われています。この周期は、作業効率や認知・行動機能が活性化する理想的な周期とされています。定期的に90分ごとに休憩を取ることで、仕事の効率が向上する可能性が高まりますので、積極的に取り入れてみてください。

【夕方から夜の過ごし方】

15時から19時の間に、有酸素運動や筋トレを行うのがおすすめです。この時間帯は肺や心臓の機能が最も活発であり、筋肉が柔軟性が高まっています。そのため、ほとんどのスポーツにおいて最適なタイミングと言えます。体を安全かつ効果的に鍛えることができるでしょう。

夕食は18時から19時に摂取するのが良いでしょう。この時間帯は味覚が最も敏感であり、消化も促進されやすいです。夕方に運動をする場合は、消化の良いおにぎりなどの軽めの食事を摂っておき、運動後に夕食をとると良いでしょう。

アルコールを摂取する場合は、20時から21時の時間帯が適しています。この時間帯はアルコールに対する身体の抵抗力が最も高まっています。ただし、健康のためにはアルコールの摂取量には注意し、控えめにすることが大切です。

就寝時間には柔軟性が求められ、毎晩同じ時間に寝る必要はありません。体内時計を整えるためには、起床時間を一定にして規則正しい生活リズムを保つことが重要です。体内時計は朝日を浴びてから15時間以上経過すると眠りたくなるように調整されているため、夜更かしを避けて早寝早起きの習慣を心掛けることが望ましいです。また、良質な睡眠を得るためには、就寝の1時間前までに入浴して体温を上げ、体温が下がってきたタイミングで眠るのが効果的です。

生活が忙しく、規則正しい生活が難しい場合でも、週に1〜2回だけでも前述のアドバイスを参考にし、食事、睡眠、運動のリズムを整えることができます。毎週同じ曜日にこのリズムを取り入れることで、体内時計のリセットがしやすくなります。


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