フットサル4-0システムスーパ―マニュアル ~トレーニング編~
ずいぶんと放置してしまいました。4-0マニュアル。最終版のトレーニング編でございます。4-0システムについて、いくつものパートに分けてご紹介してきましたが、今回はこの4-0システムをどのような考え方でトレーニングに落とし込んでいくかというところを紹介していきます。
第4章-2 4-0システムの構築
まずはじめにトレーニングにあたってどのように練習メニューを構築していくかのベースとなる発想です。ここの部分は戦術的ピリオダイゼーション理論から拝借して書いております。
かっこつけて書いていますが、ここで言いたいことはいくつもの重なり合った要素をどのようにフォーカスするかによってやることが変わるよということです。
僕的な解釈で言えば4-0システムは2つの構造( 3 on lineと逆サイドのトライアングル)の複合から成り立っています。ですので、戦ピリ的にいうならこの3 on line、トライアングルをそれぞれ一つの区(Sector)として見立てそれぞれの区内の作用およびそれらの2つの区間の連結という3つの枠組みをトレーニングしていくということですね。
さてそれではその三つの枠組みをどう構築していくのかを見ていきましょう。
第3章-3 4-0システムにおけるSectorのとらえ方
前の項でも述べた通り、僕は4-0システムを2つの構造の相互作用から成り立っているものと捉えています。その2つを”区”(Sector)として考えたときにそれぞれのSectorでトレーニングしたいコンセプトは何かを整理していきます。まずストロングサイドでは”フィクソ”、”3人目”、”逆アラ”の3人からなる3 on line(細かいことは構造編を参照!)を無意識的にできるようにしていきます。
この3 on lineを機能させるために必要なキーファクターが3つあります。
①”3人目”が誰なのかを認知すること
②”3人目”の背中側にパスを通すことの意識
③相手の反応によって”3人目”を用いるか、”逆アラ”を用いるかを選択する
という3つです。ということでトレーニングを構築する際にはこの3つのキーファクターを習得できるように制限を設定することが必要です。
ちなみにもう一つの構造、3人目の死角からのサポートは
①3人目が1列目の背後をとる。
②フィクソが離れることでライン間を広げる
この2つがキーファクターになります。
第4章-4①Sector内の相互作用のトレーニング
さて、ではここから具体的なトレーニングのお話をしていきます。今回は3つほどトレーニングをご紹介します。
まずはじめにアナリティックなトレーニングから紹介していきます。このアナリティックなトレーニングの目的は「動きを覚えること」です。たまにアナリティックとかドリルを否定する人もいますが僕はぜっったいやってょうがいいと思います。もちろん1セッションまるまるドリルはおいおい!って感じですが、相似形を探すのにはまず元の図形を知らないというのはなかなか無理がありますよね。そりゃ3つの辺で構成されて3つの頂点からなる図形を探してね!っていうより三角形の絵を見せたほうが早いでしょうというお話。
ちなみに大学生&フットサル初心者に4-0を教えるときにもアナリティックありとアナリティックなしどちらのパターンでもやったことがありますが、ありのパターンのほうが圧倒的に習得は早かったです。
基本的にはそれぞれのキーファクターに沿った動きをなぞることになります。最終的にはこの2つの区をどのように連結するかをなぞっておわりにします。
2つ目にはグローバルメソッドを用いたトレーニングをご紹介します。(僕の解釈ではこれはプレーモデルなしのトレーニング)
基本的にこの2つは3 on lineの意識を高めるために使用します。1つ目のTR 4vs4+2サーバーのTRでは同サイドレーンではパス交換できない設定にすることで背中を使うこととカットインする意識をさせたいという考えです。
2つ目のポゼッションは前フットサルU-20日本代表監督 鈴木隆二さんがライン間のプレーを習得させるために行ったトレーニングです。自分もアイデアを拝借して、少しアレンジを加えたトレーニングにしていますがコンセプトしては3 on lineを用いてどうやって前進するかという点になります。
相手をいつ迷わすか?3人目はどう関わるか?というところを習得するには使えると思います。
最後はシステミコです。ゲーム形式で実際のプレーモデルに結びつけた形で3 on lineや3人目の関わりを習得させることを目指します。
わりとメジャーなトレーニングで、フリーマンをつかって優位にゲームを進めるためにはルールを上手く活用することが求められます
そんでもってルールを用いれば3 on lineが勝手にできるよねというお話。ちなみにたとえばフリーマンと同サイドレーンにいる場合はボランチを用いてフリーマンと交代というルールをつけ加えることで4-0へのボランチ導入も応用可能です。
ちなみに4-0システムの''同サイド''の位置は1番指導者の考えが出るところだと思っています。府中、町田、湘南、トルエーラ柏などの4-0を用いるチームを見る際は''同サイド''の選手に注目してみてください。
まとめ
というわけでだいぶサボっておりましたが、4-0システムをどうトレーニングしていくかというところをご紹介しました。
これはあくまで一例になります。他にも様々なアイデアがあると思いますが、自分としてはこのようにサブシステムごと構築して行くのがいいのかなと思ってます。他にもなにかこういうアイデアあるよ!とか他にも聞きたい!というのがありましたらぜひお知らせください!
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