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芭蕉布界の新星! 備瀬・フクギ並木近くの「よきさや」へ


本日、2023年9月2日(土)から大阪日本民芸館では秋季特別展「喜如嘉の芭蕉布物語」がスタート。会場の賑わいはSNSから窺い知れますが、沖縄県内の芭蕉布シーンだって目を離しちゃいけません。
本当は山原工藝店さんへ、現在、種類豊富に揃っているという芭蕉布作品を観に行きたいのですが、畑仕事で少々疲弊した私。今日は、先日お邪魔した「よきさや」さんをご紹介することに。

備瀬のフクギ並木は夏でも涼しい

糸芭蕉アクセサリーと芭蕉布のお店「よきさや」さんがあるのは、観光スポットとしてお馴染みの備瀬・フクギ並木のほど近く。
実は私、フクギ並木に行ったのも、この日が初めて。太陽が照りつける“ザ・沖縄の夏”といった暑〜い日でしたが、フクギ並木に一歩足を踏み入れると日差しが遮られて涼しい! うっすらと軽井沢を思い出しました……。
てくてく歩く私の横を、近くのホテルに泊まっていると思われる方々が電動ボード的な乗り物でスイスイ追い越していきます。ラクそうっスね。

フクギ並木から海へと抜ける小道もあります。絵になる〜

フクギ並木を海岸線とは真逆の方向へ横に抜ければ、目的地「よきさや」さんの看板を発見。素敵な佇まいのアトリエにお邪魔しましょう。

糸芭蕉アクセサリーと芭蕉布の店「よきさや」

フクギ並木の終点近くにある店舗。
終点でいいのか? 少し心もとないですが、多分あっちが終点かと

昨年、2022年にオープンしたばかりの「よきさや」。今帰仁(なきじん)村にある染織工房「バナナネシア」で経験を積んだ柘植皓史さんが営むお店です。

壁のボルドー色が特徴的な、落ち着いた雰囲気の店内では、柘植さんオリジナルの糸芭蕉アクセサリーが販売されています。
糸芭蕉繊維の魅力のひとつが上品な光沢感だと思うのですが、このアクセサリーは、そのツヤが生かされた逸品。手織り布のように糸を交差させるのではなく、同方向に並べて作っているため、透明感と輝きが際立っているのです!

柘植さんご自身は「苦し紛れに開発した」と謙遜されるオリジナルアクセサリーですが、この美しさ、次回の訪問時には必ず手に入れたい……(この日は驚くほど財布に現金が入っていなかったのでした。何歳だよ)。

先述の通り、光沢感が魅力の糸芭蕉繊維。従来の手法でもツヤッとした糸は生まれますが、糸を作るときに柘植さんが行なっているやり方は「生(なま)引き」。鍋で炊いて熱を加えることなく、生のまま皮を剥いで繊維を取り出しているため、より一層、白っぽい透明感にあふれた糸に仕上がります。
柘植さんの生引き技術の巧みさは、同業者である芭蕉布作家さんたちも口々に称賛するほど。芭蕉布界の期待の新星、とお呼びして差し支えないのではないでしょうか?

くらっとする美しさ。特に写真奥のテーブルセンターをご覧ください……ため息もの♡

店舗では、糸芭蕉アクセサリーや芭蕉布作品の購入のほか、糸芭蕉繊維を用いたコースター作り体験も可能。糸芭蕉と、フクギで染めた黄色い綿糸で織り上げるコースターは、備瀬を訪れた記念品として大正解かと。ワークショップの所要時間は大体1時間くらいとのこと。

現在のところ、週末の土曜、日曜限定営業。タイミングが合えばぜひ、柘植さんの手から生まれる透明感のあるアクセサリー&芭蕉布をご覧ください(そして手に入れちゃって)!

よきさや/Information

住所:沖縄県国頭郡本部町備瀬618番地
営業時間:土・日曜9:00〜18:00

問い合わせメールアドレス:info@yokisaya.com

公式サイト:https://yokisaya.com/
公式オンラインショップ:https://yokisaya.square.site/

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