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Milano have a GOD.

ラインナップ

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代表ウィーク明けの初戦となったミラノダービー。ホームのインテルは新型コロナウイルスの感染でシュクリニアル、バストーニ、ガリアルディーニなどが離脱。スタートは彼らのかわりにダンブロージオ、コラロフ、ブロゾビッチが入った。対するミランはガッビアがコロナウイルス感染で離脱したが、ロマニョーリが昨シーズン終盤に負った怪我から復帰。最前線にはコロナウイルス感染での離脱から復帰したイブラヒモビッチが最前線に入り、肘の脱臼で離脱したレビッチが入る予定だったLWGには前節2ゴールのレオンが入った。

キーになるのはテオ・エルナンデスとアクラフ・ハキミのマッチアップだろう。互いに攻撃能力に長けた選手だが、ここをどれだけ押し込めるか、前に出た時の裏のスペースをどう使えるかは重要なポイントだ。あとは中盤を支配した方がおのずとゲームを握る展開となった。


サイド封じとポストプレー

インテルは3バックでのビルドアップで相手を引き込み、両サイドから最前線の2人に斜めのボールをいれて展開していく狙い。といってもこれはコンテの十八番のイメージではある。対するミランはチャルハノール、テオ・エルナンデスらの推進力を活かしたカウンターが狙いになる。

立ち上がりはウイングバックを自由に使われるのを嫌って、中盤からWBへのコースをふさぎに行くが、これを上手いこと使われたのが2:53からのシーンだ。

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ここではサレマーケルスはブロゾビッチからペリシッチへのコースを切っていたが、その結果コラロフにフリーで前進を許してしまいチャンスを作られそうになったシーンだ。WBからだけではなく、ストッパーの位置からもこういった展開を作れるというのを示したこのシーンはのちの展開にかなり影響を与えたと思う。

まさしくこのシーン以降、ミランは最終ラインへの圧力を強めていくが、これはこれで中盤を簡単に経由され、サイドに流れたルカクを起点にインテルはオーバーロードとサイドチェンジを用いてミランの守備網を攻略しにくる。

もっともこのあと、インテルのサイドチェンジでの展開をひっかけてのカウンターから10分にはPKを獲得し、一度は阻まれるもイブラヒモヴィッチが自ら押し込んで先制すると、さらに16分にはレオンの突破から再びイブラヒモヴィッチがネットを揺らして2-0。

対するインテルは29分にそのルカクのポストからアクラフ・ハキミが逆サイドのコラロフに展開すると、ペリシッチの折り返しをルカクが押し込んで1点を返される。

さすがにまずいとおもったのか、ここからミランは相手の最終ライン、中盤に対してマンツーマンでプレッシャーをかける。たしかにこれで最終ラインや中盤を経由した展開というのはシャットアウトできたが、結果としてこの形の脆弱なポイントを突かれて試合終了まで守勢に回ってしまった。

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このようにピッチ全体でマンツーマンでマークをして相手のビルドアップを阻害することには成功したが、それでもインテルに苦しめられたのは間違いなくルカクの働きだろう。最終ライン付近まで落ちていく中盤にもろちんマンマークでついていくが、この結果2トップの手前に広大なスペースを与えることになる。ここでインテルがしたたかだなあと思ったのはキックオフから決していいとは言えないパフォーマンスだったロマニョーリのところにルカクを当ててきたところだ。彼がルカクを全く抑えることができず再三相手に決定機を与える展開になったのは間違いないだろう。一度収めてから反転といったプレーをするには、ルカクにとって十分すぎるほどのスペースを与えてしまったと思う。ただ、こうやってやるのが一番合理的だったのだろう。実際、ポストで時間を作ろうとすればケシエ、べナセルらが戻る時間を与えることになるしたしかにロマニョーリは全く抑えられなかったが単騎突破にしかならずテオ・エルナンデスやケアーがカバーに間に合うといった形はとても多かった印象だ。

総括

まずは何よりもデルビーに勝ったこと。これが一番大きいだろう。シーズン38試合ある中でも特に勝たないといけない二つのうち一つの試合なのだから。そして、90分を通して高いインテンシティでのプレーを繰り広げ、ここまでいい試合を見せてくれた両軍の選手に感謝したいところだ。

ただ、やりたいことをやれたのか、と言われるとそこには疑問符が出てくる試合だった。ルカクを基準点に添えて、尚且つ怪我明けでコンディションの良くないロマニョーリにあてるというのはさすがコンテといったと感想をうけた。その中でもルカクが収めた後孤立したりしがちだったところはインテル側も改善の余地があるだろうし、逆にミランも現状の4-2-1-3でのハイプレス以外のプランを用意する必要があると突き付けられた試合となっただろう。正直なところルカクに後半真ん中までに一つやられていたら逆の結果になってもおかしくなかっただろう。

それでも、ドンナルンマ、ケアーを中心に相手の攻撃をしのぎ続け、勝利を掴んだミランの選手を僕は讃えたいと思う。

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