世界はまた美しいビーチを失った
祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。
『平家物語』第一巻「祇園精舎」より
鐘の声の代わりに小波の音
娑羅双樹ではなくココナッツの木
春いうよりは常夏の夢
ではあるが、私が一夏を過ごしたあの楽園は諸行無常、盛者必衰の理を痛いほどに教えてくれた。自分が愛した場所が目の前で壊されていくことほどに切ないことはあるだろうか。
カ