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なぜレイヤードはかかりつけ医を支援するのか

こんにちは。レイヤードの毛塚です。
レイヤードは「医療をもっと、わかりやすく」をテーマに、生活者と医療者が重なる部分を医療インターフェイスと定義し、かかりつけ医を支援する複数のSaaSプロダクトを展開しています。
かかりつけ医という言葉はコロナ禍でよく聞くようになった人も多いと思います。現在は政府も骨太方針2022で「かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行う」との方向性を明示しています。
レイヤードとしても、日本でのかかりつけ医を推進・支援する立場をとっています。でも、なぜかかりつけ医の強化が日本で必要なのか、医療業界以外の人だとわかりにくいと思うので、今回はそんな「かかりつけ医」について少し書いてみたいと思います。

日本ではかかりつけ医の定義が曖昧である

日本ではいまだにかかりつけ医の定義が曖昧で、生活者・患者にとっても医療者にとっても、誰がかかりつけ医で誰がかかりつけ患者なのかしっかり認識している人はごく少数です。
厚生労働省の定義によると「健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。」としています。
ちなみに日本医師会の定義によると「病院の医師か、診療所の医師か、どの診療科かを問うものではありません」とも言っています。
でも、これを読んでも結局かかりつけ医って何かはよくわからないですよね。患者を診ている医師はみんなかかりつけ医なんでしょうか。

世界的に見た「かかりつけ医」に求められる要件とは

世界的に見ると、ヨーロッパを中心にかかりつけ医制度(あるいは家庭医)を強化する流れになっています。
世界的な潮流としてのかかりつけ医の要件は下記の4つになります

世界的な「かかりつけ医」標準機能

1. 簡易アクセスの担保

まずは生活者が一番最初に医療にアクセスする窓口がかかりつけ医になります。当然ながらかかりつけ医へのアクセスが悪いと届けるべき人へ医療を届けられなくなります。コロナ禍の初期に一部の病院でしかコロナを診なかったため病院がパンクしてしまったことは記憶に新しいと思います。

2.プライマリ・ケア機能

イギリスでは医療問題の約9割をかかりつけ医にて処理していると言われています。かかりつけ医にて一般的な急性疾患から生活習慣病の慢性疾患の重症化予防や管理まで幅広い疾患への対応を行います。

3.ゲートキーパー機能

かかりつけ医にて一次対応を行い、より高度な検査や治療が必要だったり、専門性が高い疾患の場合に専門医や病院へ紹介を行う機能です。医療はサービス受益者と提供者側で情報の非対称性が非常に大きい領域で、

4.全人的医療の提供

全人的医療とは「特定の部位や疾患に限定せず、患者の心理や社会的側面なども含めて幅広く考慮しながら、個々人に合った総合的な疾病予防や診断・治療を行う医療」と定義されています。つまりいままではどちらかというと肉体的な病気を治すことが医療の中心であったことから、より精神的・社会的な要素へも医療の範囲を広げて行くべきという考え方です。

なぜかかりつけ医の強化が必要なのか

日本の医療費は2021年度で45兆円。年々増えています。

医療費は年々増えている

医療費上昇の理由は高齢化や医療の高度化にあります。昔であれば対処しようのない病気も治せるようになってきました。その一方で高度医療1件あたりの医療費は高騰しつつあります。
そういった高度医療を抑制するためにも、病気予防や慢性疾患の重症化予防と終末期医療の変革が必要です。これらで中心的な役割を果たすのがかかりつけ医です。
私がいろんなドクターと話をする中でも、病院でバリバリに手術をしていたような先生がクリニック開業を選択した理由として「どうしてこんな重症化するまで放っておいてしまったのか。少しでもこういう患者を救うために開業しようと思った」という話をいくつも聞きます。

かかりつけ医を医療DXで支援する

WHOでも健康を下記のように定義しています。
「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱 の存在しないことではない。」
医療とは健康を目指す存在であり、そのためには病気そのものだけでなく良好な社会生活を送れるところまでサポートすることが理想である、と言うことだと理解しています。
そのための伴走者がかかりつけ医であり、私達は生活者とかかりつけ医がお互いを信頼しあえる関係性を作りたいと思ってます。

医療技術や治療法はこの数百年で大きく進歩しているのに、医療における患者と医療者のコミュニケーション手段はほとんど変わっていません。インターネットによって生活環境も人のコミュニケーションも大きく変わってきたのに、医療コミュニケーションだけが変わらないのはおかしい。

私達はICTで未来のかかりつけ医と生活者のコミュニケーションを変えていきたい。かかりつけ医と患者が今より簡単にコミュニケーションを取れて、患者それぞれの医療データに基づいたパーソナルな医療を提供できる仕組みにしていきたい。それこそが私達の目指す医療DX(デジタルトランスフォーメーション)だと思ってます。


医療は40兆円産業だけあって本当に広くて深い業界です。私達はそんな広大な領域においてかかりつけ医にフォーカスして事業を推進しています。市場全体からしたらまだまだ小さな会社ですが、私達のやっていることがきっと将来に大きなインパクトを生むと信じています。
少しでも面白そう!と感じる方は是非気軽にコンタクトしてください!一緒に医療を前にすすめるためにチャレンジしましょう!

今日はこんなところで。

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