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猫と暮らして

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愛猫との生活の記録。彼らへの偏愛。猫を飼うことの意義。それらを綴っていきます。
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2020年9月の記事一覧

条件・お断り・めぐり合わせ-猫と暮らして(3)

某年の春。数年ぶりに引越しをした。引越し先は猫が飼えるアパート。猫が歩きやすい床、猫の爪とぎに耐える壁紙など、猫が生きやすい作りになった建物を選んだ。わたしは猫を飼う決心をつけたのだ。 改めて「ペットのおうち」を検索した。 私がこだわった条件は、「兄弟/姉妹・二匹・雑種」だった。 私は日中は家にいない。一匹だと寂しい思いをさせてしまうだろう。 ある友人は2匹の兄妹猫と暮らしている。 「性格にもよるが、2匹だと寂しくないみたい。血がつながっていて生まれたときから一緒に暮らし

猫の価値・人の都合・引っ越し-猫と暮らして(2)

「どうして猫を飼おうと思ったの?」と聞かれることがある。 猫と暮らすのが子供の頃からの夢、だったわけではない。猫の扱われ方に対する憤りと同情と責任感。それが綯交ぜになり、いつしか飼うことを決心した。簡単に言うとそういうことだ。 ある日ふと興味本位で動物の値段を調べてみた。亀や金魚のように安い動物もいれば、希少動物だと車の値段に匹敵するものもいる。 代表的なペットである猫も値段の上下が大きいなと感じた。 猫の「価値」は様々だ。店頭で数十万で売られている猫がいる。そうかと思

記録・偏愛・その日に向けて−猫と暮らして(1)

私・見える彼ら・見えない彼ら我が家には猫が二匹いる。目の前で餌を食べ、遊び、寝転がる。しかし、姿が見えないことも多い。移動のとき、足音を消してどこかへ歩いていったりもする。それなのに、確実に私の家に息づいている。どこかに気配がある。それが私には分かる。 目に見える彼らと家と一体となり空気として存在する彼ら。私は二種類の猫と日々暮らしている。 勝手・絡み合い・共に暮らすなぞ猫には猫の勝手がある。人はその様子をわがままと呼んだり、気高いと呼んだりする。 夜明け前。眠い中叩き起こ