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「にじみ出るヤバさ」を目指して「ディスプレイする」という動詞

古本屋からの古道具屋。大きな川をたまに渡るのもいいだろう。京都・北白川にある「itou」店主の伊藤槙吾さん。彼のお店は京都一の風変わりな古道具店だ。オブジェ。店内に並ぶ謎の物体。「焼いてない花瓶」「事件性を感じるブックエンド」「鉢 口底に穴のあるタイプ」など、店主の値づけならぬ名づけのセンスがキラッと光る。一般的に古道具屋は、モノ選びと店のディスプレイが一直線になる。彼の場合はそこがちょっとだけ違う。モノのためのディスプレイではなく、ディスプレイがディスプレイとして独立した感じ。つまり、ディスプレイそのものを表現し、それを売っているのだ。モノを売っているのにモノのための空間をつくってない。その矛盾すらも楽しんでいる。モノを選ぶ、そして気を配って置く。シンプルな動詞のハーモニー。「空間のコラージュ。その素材としてしかモノを見てない」という彼のことばにグッとくる。と、みうらじゅん風に言ってみた。

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