_キーデザインがなくなる社会を目指して_

「キーデザインがなくなる社会を目指して」キーデザイン事務局 大浦佐和

こんにちは、サポーター担当の大瀧です。2019年10月・11月はキーデザインの寄付月間ということで始まりました「キーデザインスタッフ紹介」のnoteマガジン。このコーナーでは、キーデザインのメンバーを紹介していきます。2人目は大浦佐和さんです。

大浦さんは一般社団法人ことばの理事を務めており、キーデザインでは事務局を担当しています。代表の秘書としても活躍していますが、代表とは「はじめまして」の挨拶をしてからまだ1年経っていないそう。

大浦さんの取材ではキーデザインで頑張るモチベーションや、スタッフとして感じているキーデザインの性格がみえてきました。

キーデザインに参画した理由

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ー代表とはいつ出会ったの?

初めて出会ったのは2018年12月に都内で開催されたイベントで、土橋がゲストスピーカーとしてイベントに登壇していたとき。悩みを抱えている人の相談対応の事例や、どんな想いでキーデザインを運営しているのか、寄付での資金調達などを聞いたんだよね。私は普段、一般社団法人ことばの理事をしているから同業者として尊敬していて。

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登壇時の説明が分かりやすかったし、イベントを開催すると毎回10人以上参加者が集まるって知って関心してた。私の法人の場合、イベント開催の課題は集客だから、「どうやって人を集めているんですか?」って質問をしにいったりもして。イベント終了後も困ったことがあったときにはTwitter のDM で相談させてもらったこともあった。

ー最初はイベントで会っただけなのに、どうして今はスタッフをしているの?

お互いの法人のことで近況報告をしていたときに、土橋が仕事に追われている様子だったから、「今抱えている仕事は何個か知ってる?」って聞いたら「分からない」って返ってきて「はっ?!?!?!」ってなって(笑)「大変だね」って労って会話を終わらせることもできたんだけど、そのとき危機感を強く感じたの。

このまま土橋が1人でNPOを続けたとして、キーデザインがつぶれていく未来があったら嫌だなと思って。キーデザインが行なっている事業の尊さを、イベントに参加したときに実感していたからなおさら強い感情があったんだと思う。

「今思いつく限りで、抱えている仕事を紙に書き出してみて」って土橋に伝えたときから、自分にできることがあるって思っていた。

キーデザインの外側からタスク管理をするもありだったかもしれないけれど、土橋と一緒にキーデザインの脳の部分として動いていたら、いつのまにかキーデザインで自分の名刺を作っていたんだ(笑)今は代表の秘書として、経営からイベント企画・運営まで幅広くやっているんだ。

私がキーデザインで頑張る理由

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ー危機感以外にも、キーデザインで頑張るモチベーションはあった?

法人の成長するステップとしてチームになる必要があると思っていたんだよね。「僕たち・私たち」を主語にして考えていくことが、組織自体の安定感とか安心感に繋がっていくと思っているから。

土橋が「キーデザインは僕ひとりなんだ」って思ってしまったら辛いんじゃないか、とも。土橋って普段いっぱい泣くじゃない?私にとって泣くことは一大事で、心を打つものがある。

私がキーデザインで頑張る理由の1つには、涙が出て止まらならなくなるほどの思いをしながら働いている土橋が作りたい世界を、私も何とかして一緒に作りたいっていう気持ちがあるから。

それに私と同じような子どもたちが増えないように。

ー同じ子どもたち?

自分のことを一ミリも信じられなくて、この人生を今すぐやめてもいいと思う時期が私にもあったんだよね。「そんなんじゃ違う」「今のままじゃろくな大人になれない」ってマイナスな言葉をかけられて育ってきて、親は自分のことを少しも好きじゃなかったって思ってる。

親からかけられた言葉は、辛くてどうしようもなくなったときに呪いのように思い出してしまうから親の影響って本当に大きいと思う。だから私の法人では、子どもたちが小さいときからプラスな言葉をかけて肯定して、愛して、認め合って生きていけるような方向性のことをやってるんだよね。いわゆる予防。

でもキーデザインは、すでに苦しい思いを抱えている子たちを一生懸命支えている。私は、裏方からにはなるけど、キーデザインで働くことで今苦しんでいる子たちの力になれる気がしたんだよね。苦しんでいる子たちが一歩でも前に進めたり「生きてても悪くないじゃん」とか「生まれてきたことって何も間違ってなかったんだ」って気づいてほしいなって思う。

私がキーデザインの裏側を支えることで、結果的に土橋がより余裕を持って現場に出ていけるはず。今はそこを目指してるよ。

ー佐和ちゃんはプロジェクトの代表でもあるから、周りはきっと佐和ちゃんが強いイメージを抱いているような気がするけど、佐和ちゃんも苦しかった時間を生きぬいてきたんだね。

前言っていた、「いつか本になる人生を」ってすごく印象的で。それも佐和ちゃんの過去に通じているところがあると思っていたんだ。どんな背景があるか聞いていい?

たしかに、普段の仕事で不安そうな顔してたら、この組織大丈夫かって思われてしまうから、いつも笑顔で余裕がありそうにしているのもあって、私の本当にダメだった時期があることが伝わりづらいのを感じている(笑)

今、笑顔で生きている人って、今までずっと笑顔だったように見えちゃうじゃない?でも私は22歳になってもまだ、「自分なんて」っていう気持ちに打ち勝つために戦っていて。そのリアルってどうやったら知ってもらえるんだろうなって思ったときに、私の人生の紆余曲折を伝えることで誰かの力になったらいいなって思ってるんだよね。

人生が終わったときに、あの人はかっこよかった、可愛かった、すごかったでもいいんだけど、美しかったねって。自分の生きてた時間そのものが1つの芸術になったらいいなって思うんだよね。

特徴的な出来事がある人の人生は映画になることが多いけど、どんな人の人生でもみんなドラマだから。その人なりに沈む時と上がってくる時と人との出会いと、なんとかしなきゃいけなくて頑張る時と、大きな決断とがあって、自分だけじゃなくていろんな人の人生が本になるくらいの価値を持っていると思う。

私たちの目指すところは、キーデザインが必要じゃなくなる社会

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ー佐和ちゃんからみたら、キーデザインってどんな組織に映っている?

人間の生活の中にそもそも存在するはたらきをしていると思う。どんなにやさしい時代や素敵な社会になっても、きっと悩みがなくなることはないと思うんだよね。人はいろんな理由で悩むし、それぞれの文脈で葛藤や苦しい気持ちを抱えながら生きていく。どんなにいい時代がきても悩みを抱えている人に寄り添う人が絶対に必要だと思ってるの。

でもキーデザインが今こうしてわざわざ会社になっているってことは、支えてくれる存在に出会えずに命を落としていく人たちがまだまだいるんだよね。キーデザインのやってることを日本中の人が当たり前にやるようになったらいいなって思ってる。

私たちの目指すところは、キーデザインが必要じゃなくなる社会なのかも。困ってる人がいたら横で支えて、「辛い」って言っていたら抱きしめてあげて、変わらなきゃって苦しんでいる人がいたら、「ありのままでもいいよ」って言えるような関係性が日本中で育まれるべきだと思ってるんだよね。

やさしい世界を作りたいと思ってる人がもっと増えて、キーデザインで働く人がいっぱいになって、気づいたらキーデザインなんて名前がいらなくなったらいいなって。

ーキーデザインが必要じゃなくなる社会では、みんなの心の中にキーデザインのマインドが残り続けているのかもしれないね。

取材場所:フリースペース ミズタマリ(キーデザインが運営している、だれにでも開放された場所。フリースクールの場所でもあります)

取材/執筆 サポーター担当 大瀧真優

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