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リーダー修行記26(本番直前スペシャル〜大トラブル発生!けやきは無事本番を迎えられるのか?〜)

本番前レッスンで、衣装と音楽の確認をしてきました。

リーダー用ジャケットは、1着あれば使い回せると思ってフルオーダー。使い回す前提なのでベーシックなものを、と思っていたのに、お店の人と打ち合わせしているうちに私のこだわりが暴走。どうせなら、そんじょそこらの男どもには着こなせないデザインにしたい、とわがまま放題言った結果、大変にオシャレな衣装が仕上がりました。こんなオーダー受けたことない、と戸惑いながら仕上げてくださった衣装屋さんありがとう。

失礼ながら、完成品を受け取ったときは、あまりの窮屈さと着心地の悪さに、コレ採寸ミスちゃうん?と疑い、先生に相談してみたところ、

私「腕が下げられないんですよ…」
先生「ああ、腕は基本下げられないですよ(平然)」
私「?????」
先生「男性の上着はホールドした状態が基本姿勢で作られてるんで、腕はほぼ下げられない作りになってます」

そうなの!?!?!?

先生「服自体がホールド矯正具みたいな感じです」

まじか…。
リーダー、そんな大変な思いをして踊ってたのか。ダンスのときの格好って、やたら重いドレスとピンヒールのパートナーばっかり大変だと思ってたけど、リーダーもわりと大変だったわ。男女共に機能性のすべてを犠牲にして美しさを追求するなんて、つくづく身体に悪いスポーツだな。

でもおかげさまで、こだわりのお衣装は、デザインも背中のラインもカッコいいと教室の先生たちに大変褒めていただきました。
パートナーのときもそうだけど、私、衣装だけはいつも褒められるな。ダンスが褒められる日は来るのかしら。

まあそんな感じでだいたい服装は決まり、その後は一番大事な音楽と導線の確認をしました。
今回のトライアル、流れる音楽が事前に発表されるという大変親切なシステムになっているのです。大半のリーダーがプロの先生なので、これはもうへぼリーダーの私のためのサービスなんじゃないかしら。

パートナーのときでさえものすごく音楽に左右されるタイプの、トライアル不向きすぎる私。
ああぁぁぁ先に音楽確認できてほんとよかったああぁぁぁ。ぶっつけでこれを流されたら悲惨な末路を辿ったこと間違いなしです。
この曲たちは、いったいなぜに揃いも揃って難しすぎるリズムとテンポなのか。思わず、それ再生してる先生のスマホがおかしいとかじゃないですよね?と確認してしまいました。この選曲、私への嫌がらせなんじゃないかしら。

いやしかし、もはやそんな文句を言ってる場合ではない。慣れるしかない。
あと、導線も決めておかねば。なにせ本格的なリーダーは初舞台なので、現場で臨機応変に決めるなんて無理寄りの無理

私「客席が3面で、教室の生徒さん席がこの面なら、ワルタンこっちで、スローはあっちから始めた方がいいと思うんですけど」
先生「それは僕に決める権限ないんで、けやきさんに付いて行きますよ(薄笑い)」

いやいやいやいや。
もう切羽詰まってんねん。いまハイドにならんでええねん。そのプレイに付き合ってる余裕ないねん。

普段、360度から観られる場で踊っているコンペティターの先生と、舞台と客席(フロアと客席の二面)しかないという捉え方をする私では、フロアに立ったときの客席の見え方が違うのかもなあと思いつつ、そこを突き詰める時間はもうないので、とりあえず、見せ場のステップは客席のある側の長辺でやりたいと主張して、普段の練習と違う方向から始めることに決めました。リーダーの私が。リーダーの私が。
大事なことなので2回言いました。

先生「よし、じゃあやりましょう(やる気満々)」
私(左手を上げる)
先生(左手を上げる)
ふたり(じっと手を見る)

私「いま、私がリーダーですよね?」
先生「…もう一回いいですか?」

………男女逆転の練習を始めたときから、モードが切り替わらない問題は、常に最優先課題として我々の間に立ちはだかっているわけですが。本番を目前にして、なんだこの、かつてないコント展開は。

まあいいわ。本番で同じ事態になったら、私が一瞬でパートナーに戻って男女通常ペアになってやるわ。任せて、先生!(絶対、無理)

(本番につづく)

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