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リーダー修行記79(私の中の『安全レバー』が全然安全じゃない話フェーズ2)

私がリーダーを始めて最初にぶつかった壁は、ホールドを維持することでもステップを覚えることでもフロアクラフトでもなくて、パートナーとしての自分を手放すことでした。

パートナーからダンスを始めたので、私の中に自分が主導権を握るという発想がなくて、無意識に相手のアクションを待ってしまって、あ、私が仕掛けるんでしたっけ?と、たびたびなっていたのです。
先生は先生でパートナー歴が浅くて(笑)、無意識にリードしたりするものだから、踊ってる間にいつの間にかリーダーとパートナーの役割が入れ替わってる、ということもよく起こっていました。
リーダーとパートナーの両方やっててステップが混ざらないの?とよく聞かれるのですが、混ざりがちなのはステップではなくて、脳内のモードです。

私はこれを「安全レバー」と呼んでいまして、1年半前にこんな記事を書いていました。

リーダー修行記23(私の頭の中の『安全レバー』が全然安全じゃない話)

ディズニーランドの乗り物に付いている安全レバーってあるじゃないですか。上からガチャンって下ろして膝の上で固定するやつ。
私の中にはあのレバーがあって、

上がってる状態=パートナーモード
下がってる状態=リーダーモード

というイメージだったのです。

当時の私はリーダー歴が浅く、リーダーをやるときには結構気合を入れてレバーを下ろさないと踊れませんでした。このレバーはガチャっとはまることがなくて、常に自分の腕で外れないように押さえていないと、バンっと上がってパートナーに戻ってしまうという、わりと綱渡り状態で踊っていたのです。

あれから1年半。
リーダーとパートナーを同時にやるとモードが切り替わらないという理由でそれぞれ別にレッスンを受けていた私も、最近は同じ日に半々でレッスンを受けられるようになりました。しかも、リーダーとパートナーで同じルーティン。

私も成長したわね、ふふふふふん。

と、調子に乗っていたある日のレッスン。
ふと、ある違和感に気づきました。

私、パートナーやるとき、ずっとリーダーの目線で踊ってる気がする…。

リーダーができると、リーダーがこう来るから私はこう動くって考えられるようになるよね、とよく言われるのですが、これ、そういうこととはちょっと違う感覚なんです。
たとえば、フェザーステップで、身体は後退してるけど、脳内は前進してる、みたいな感じです。リーダーはこう動くよね、と考えてるんじゃなくて、リーダーの身体に憑依してるようなイメージです。

身体はパートナーのステップを踏んでいるし、パートナーのお仕事をしているし、フォローしてるし、リードより先に勝手に動いているわけでもない。でも頭の中は完全にリーダーで、リーダーの眼でフロアを見ているし(比喩ではない)、フロアクラフトを考えている。

これってもしかして、安全レバーが逆転してない?

上がっている状態=リーダーモード
下がっている状態=パートナーモード

になってない?

レバーをぐぐっと押し下げないと切り替わらないのは、リーダーじゃなくてパートナーの方じゃない!?

これは何かい?
リーダー修行にかまけているうちに、リーダーの私がパートナーの私を超えてしまったということかい?
そんなバカな。

この不思議な感覚は、先生が男性の生徒さんに教えるときみたいな感じなのかなあと思って先生に聞いてみたら、

「けやきさんと踊るときは、僕は完全にパートナー目線だよ」

と言われました。
そんなバカな。

「前は、けやきさんがどう行こうとも僕は決めたルーティンを貫く、という感じだったけど、今はパートナーモードに全振りしてる。だからけやきさんが間違えたら僕は動けなくなる」

マジか。
このところ、とんとひよこ🐥を助けてくれなくなったのは意地悪じゃなくて、先生がパートナー道を極めたからだったのか。

リーダー修行2年とちょっと。
私はまた、新しいフェーズに足を踏み出しました。


でもちょっと待って。
リーダー修行の前に知りたいことがあるんだよ。

パートナーに戻れない問題はどうしたらいいの?

(おわり)

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