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リーダー修行記29(5種目トライアルがスリルとスペクタクルに満ちていた件②)

前回のつづき)

2種目目: タンゴ(リーダー)

タンゴは、まあまあ予定通りのポジションから、音楽もジャストのタイミングでスタートできた、と安心していたら、スーパーパートナー様がレッスンではまず出さないキレを繰り出してきたので一瞬怯みました。リーダーのときの私は、とにかく余裕がないので、ほんのちょっとしたことに動揺するのです。

ちょっと…ちょっとさあ、レッスンでは、オマエのリードの通りにしかオレは動かん、というハイド全開モードなのに、本番で突然動き出さないでくださいよ。そういうのは事前に言っといてくださいよ。びっくりするじゃん!

ま、まあいいや。そりゃキレないよりはキレた方がいいですよ、タンゴですからね。
と思って気を取り直した矢先、進行方向に他カップル現る…。

これまで周囲全無視でほぼ何にも注意を払っていなかった私の視界に入ったということは、多分、何かの違和感を本能的に察知したのだと思います。
あれ?ここ通れるかな?と思った瞬間に集中力が切れて、コントラチェックで右足を出していました。
な、なんということだ。パートナーに自力ピクチャーポーズをやらせてしまった。これはリーダーの名折れだ。切腹ものだ。
とうろたえたものの、切腹は後でいいから次に進め!という圧を右手に察知してなんとか持ち直しました。どんなに心に余裕がなくても、組んでると何かしら相手の気持ちを感じるのがペアダンスの醍醐味よね。
とか悠長に感慨にひたっている場合ではない。次は、練習に練習を重ねたツイストターンだ。とにかくパートナーを見る、パートナーを見る、パートナーを見る!見れば通じる!と念じて回り込んだところに、さっきのカップルが再登場。(見れば通じる話の詳細はこちら

ごめん!今さら止まれん!

勢いで回りきったけど、なんかものすごく強引に進路妨害した気がするのはなんでだろう…。
いや多分、本当に妨害したと思うのですが、それまで他カップルに関しては、プロリーダーなんだからそっちがなんとかしてねよろしく!という気持ちで押し通してきたのに、このときばかりは、何故かひどい罪悪感が湧き上がってきたのです。
なんだろうこれは…と腑に落ちないまま後半へ。ここからはわりと混み合うエリアに突入してしまったのですが、すっごく上手に間をすり抜けられました!間違いなく他のリーダー様方が道を開けてくれたんですけどね!(学習した)

そんな感じでとりあえず、自力コントラチェック以外は大きなミスもなく、それなりに踊りきりました。なんか変なカップルがいると認知されたのか、ワルツより拍手をもらえてちょっとご満悦。切腹は全種目終わってから考えようっと。

と、いい気になって息をついたところに、女性の先生が走ってきて「さっきは邪魔してすみません!」と謝られました。私、そのときになってようやく気づきました。あれは女性同士のカップルで、生徒さんがリーダーのパターンだったのか。だから他のカップルと違って見えたのか。そういうのって、全然気づいてなくても脳が無意識に反応するものなのね、人間の感覚ってすごいわね、と自分の脳に感心しつつ、「こちらこそまじですみません!」と謝り倒しました。
多分さっきの、10-0(ジュウゼロ)で私が悪いですよ。後から動画も観ましたけど、やっぱり10-0で私が暴走しています。まあ、どの種目もたいがい他カップルを無視して我が道に突っ込んでるんですが、お相手がアマリーダーさんだったのは申し訳なかったです。ほんとすみません。

その上、ありがたいことに、この先生には、全種目終わった後、とても褒めていただきました。気をつかわせてしまって、ほんとすみません…。

(ここまで序奏。トライアスロン本番へつづく)

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