【布教】初音ミクと藤田咲が同じキャラクターを演じている作品を知っていますか?
こんにちは。ボカロが好きです。ボカロはいいぞ。
今回は、ただの布教記事です。私が音楽において命を捧げているボカロともう一つの柱「Sound Horizon」というアーティストの紹介をします。主にボカロが好きな人向けの布教になっております。よければお付き合いください
(サムネイルはコミカライズ版の1巻です)
最初に結論:ボカロ好きに聞いてほしい理由・・・
・初音ミクと藤田咲が共演している知る限り唯一の音楽CD
・2010年に初音ミクが人間と共存し別のキャラクターを演じている先駆性
・クリプトンの未発表未発売のボーカロイドが使われている
・曲があまりにも良い
・物語があまりにも良い
Sound Horizonってなに?誰?調べてみました!
「Sound Horizon」(以下「サンホラ」)は音楽プロデューサーRevoが率いるソロプロジェクトです。正式なメンバーはRevoひとりで、発表する作品に応じて歌手や演奏者、声優そして初音ミクなどが起用されるスタイルをとっています。
似た名前の「Linked Horizon」というアーティストは知りませんか? 「進撃の巨人」のオープニング曲である、「紅蓮の弓矢」や「心臓を捧げよ!」を歌っている人です。サングラスの男の人が頭に浮かんできませんでしたか? その人がRevoです。
「Linked Horizon」は「進撃の巨人」や「ブレイブリーデフォルト」といったアニメやゲームとタイアップするときの名義です。
そして、Linked Horizonよりももっと前から活動している、オリジナル作品を発表する名義が「Sound Horizon」です。ボカロPが曲を提供するときは違う名義で出すみたいな感じです。ナユタン星人とナユタセイジみたいなものと思ってもらえれば。
サンホラの特徴は、音楽で物語を創っていることです。基本的にCD(○th Story CDと呼ばれます)一枚で一つの大きな物語になっており、歌手、声優、歌詞カード、CDケース(分解含む)を駆使してそれらが表現されます。俗に「喋っていたら急に歌うのがミュージカル、歌っていたら急に喋るのがサンホラ」と言われたりもしますが、ミュージカルというよりオペラに近いのではないかと個人的には思います。
メジャーデビューは2004年で今年で18年になりますが、音楽活動はもっと前からしており、1990年代から個人サイトで、2001年からコミケなどの即売会で作品を発表していました。そんな人がさいたまスーパーアリーナでコンサートを行い紅白歌合戦に出場したのです。米津玄師レベルのネットシーンからの大出世はじつは更に10年前にはあったのですね。
つまりは、カゲプロや悪の大罪シリーズに近いことをそれらより10年近く前から行っているのがサンホラなのです。
次のような人には刺さるんじゃないかなと思います
「悪の大罪」「Bad∞End∞NighT」シリーズが好きな人
ミュージカル、劇、オペラなどが好きな人
初音ミクが何かを「演じている」のが好きな人
曲の考察が好きな人
声優さんが好きな人
歴史、神話などが好きな人
とにかく「すごい曲」が聞きたい人
要はとりあえず聞いてみてほしいってことです。
物語の舞台は多岐にわたり、そのどれもが壮大で謎やスペクタクルに満ちた展開があります。そしてそれぞれを表現するために音楽ジャンルも物語ごとに多岐に亘り、ゴシック・メタル、EDM、賛美歌調、クラシック調、和風、ロックとあらゆる曲風の曲があります。
これまでの物語の舞台としては、戦乱のフランス、領土再征服時代のスペイン、ギリシャ神話、現代日本などがあります。
そんな中でも、ボカロが好きな皆様におすすめしたい、私が一番好きな、そして初音ミクと藤田咲さんが出演している物語が・・・
Sound Horizon 7th Story 「Märchen」
です!!!
Märchenのご紹介
7th Story(同人時代から数えて7番目のアルバムという意味)の『Märchen(メルヒェン)』は2010年に発表されたアルバムです。
また、その前にこの物語の前日譚にあたるシングルCD『イドへ至る森へ至るイド』が2009年に発表されています。併せてこちらも聞いてください。先程CD1枚で1つの物語と書きましたが、ほとんどこれだけが例外です。こちらにも初音ミク・藤田咲が出演しています。
2009年というとボカロシーンはいわゆる「全盛期」初期であり、初音ミクとデュエットを果たしたBUMP OF CHICKEN「Ray」が2014年なことを考えるとかなり人間との共存に先見の明があります。
また、初音ミクに違う役割を与えて物語を創るという試みは、この頃既に「悪の大罪」や「囚人と紙飛行機」などがありましたが、やはり全盛を迎えるのは「カゲプロ」の登場を待つことになると思いますので、そういう意味でも先駆的です。
Märchenはドイツ語で「童話」という意味であり、ドイツと「グリム童話」を舞台としています。そこに「魔女狩り」と「魔女」、「復讐」と「悲恋」、「黒死病」などが絡み合って一つの大きな物語になっています。
これらの中で初音ミクが歌っているのは『Märchen』収録の「宵闇の歌」と『イドへ至る森へ至るイド』の「光と闇の童話」の一部、「この狭い鳥籠の中で」のコーラスです(先程CD一枚で一つの物語と書きましたがコレだけ例外です)。
「光と闇の童話」がこれらの物語のスタートですのでとりあえずこれだけでも聞いてください⇩(YouTube Topicの動画なのでご安心を)
この物語において、初音ミクは「エリーゼ」というお人形の役を演じています(↑の青白い男が持っている女の子です)。そして、「エリーゼ」が話す時は初音ミクの声優である藤田咲さんが演じています。藤田咲さんはほぼ全曲で語りがあります。
私が知る限り、初音ミクと藤田咲が共演している作品は2022年現在においてもこの2作品しか知りません。そういう意味でもとても貴重な作品です。
さらにこの前日譚CD『イドへ至る森へ至るイド』では1フレーズだけではありますが(というか1フレーズのためだけに)クリプトンの未発売未発表のボーカロイド「Junger März_PROTOTYPE β」が使われています。発売されるという噂もあったのですがついぞ立ち消えてしまいました……
(CDを聞いてくれた方向け:『イドへ至る森へ至るイド』の「彼女が魔女になった理由」の中の「おかあさん。ひかり、あったかいね」を人間と一緒に歌っているのがJunger Märzです)
他にも、「大塚明夫が歌っている」「シンデレラの歌を声優デビューした直後の黒沢ともよが歌っている」「メガデスのギタリスト、マーティ・フリードマンが演奏している」等々推したいポイントは山盛りですし、そもそも物語があまりにも良いので語りたいことはエベレストくらいありますが、とりあえずボカロ好き向けへの布教ということで自重します。
少しでも良いなと思ったらぜひ通しで聞いてみてください。ストリーミング配信もしているので、YouTube Topicを通じて無料で全曲聴けます。
しかしながら、サンホラは歌詞カードなども通して一つの作品を極めていますので、ぜひCDを買うかレンタルしてほしいところです。Märchenに至っては歌詞カードと称して77ページの本が入っています
そして、さらに興味が湧いたらコンサートの映像を見ていただきたいです。これらの物語を表現(=再現)するために、ダンサーや映像、セットも駆使したストーリーコンサートとなっており、こちらは更にオペラやミュージカルをそのまま舞台で楽しむような感覚で楽しめます。視覚情報も増えるので、物語も把握しやすくわかりやすいです(初音ミクは出ません)。
さらにコミカライズもされていますので、物語をより把握しやすくなっています。とはいえ、サンホラは考察もまた醍醐味であり、自分で物語の細部や謎を考えるのも楽しいです(サンホラはファン一人一人の解釈を尊重します。最近ファンは公式に創造主になりました)
というわけで・・・
少しでも興味があれば、ぜひ聞いてみてください! もちろん他の作品も良いものしか無いので、ぜひどうぞ! 現在サンホラは3年間15周年名乗り続けるというトンチキなことをしています。我々は新規に飢えています。この機会にぜひ履修してみてください
おまけ:初音ミク発売から1週間後の2007年9月7日に投稿されたサンホラの曲の初音ミクカバー動画です。2010年くらいまでFateのMADなどでニコニコでも人気がありました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?