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『不思議の国のアリス』署名の無い手紙②

「署名の無い手紙」第1連です。

第1連

They told me you had been to her,
And mentioned me to him;
She gave me a good character,
But said I could not swim.

貴女が女王のところにいると聞いた
彼らは僕のことを王に話した
女王は僕に大役をくれたが
僕がリズム音痴だと言った

第1連の話者は帽子屋です。

her, she→女王
they→総称的に「人々」を指す主語
him→王
me, I→帽子屋
you→アリス

場面特定

give a good characterは、「誉める」「推薦する」など様々な訳し方がありますが、ここでは女王が主催するコンサートで独唱を披露するという「大役」の意味だと考えます。

swimminglyという副詞に「すらすらと」という意味があることから、動詞のswimを「すらすらと発音する」と考えます。
すると、could not swimは「すらすらと発音出来ない」→「リズムが狂っている」→murder the timeとなります。
これは帽子屋の話の中の女王の発言ですね。

これらより、3行目と4行目はお茶会の場面の帽子屋の話だと分かります。
ならば、2行目のhimも法廷で帽子屋に尋問を行う王を指すと考えて良いでしょう。

帽子屋がキャロルの分身の1つであることを考えると、himがヘンリー・リデル氏、herがリデル夫人という裏の解釈も考えられるかもしれません。
その場合、could not swimはキャロルの吃音を指摘されたという意味なのかも・・・。

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