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ロメロの理想の相方は?
*この記事ではトッテナム・ホットスパーFCのクリスティアン・ロメロの相方にはどんなCBが相応しいかをデータを用いて考えていきたいと思います。トップ画像は特に内容に関係ありません。
はじめに
大変ご無沙汰しております。Kevinです。1月以来の投稿となります。
皆様元気にお過ごしでしょうか?
世の中は暗い話題が多い中、オリンピックがあったりと明るい話題と暗い話題がひっきりなしで心が休まらない日々が続いています。
そんな世の中でスパーズサポはさらに心休まないニュースがあります。エースのハリー・ケインのシティへの移籍騒動です。突然のセルフ休暇延長。そして群がるメディアたちによる報道と代理人、チャーリー・ケインの謎の行動などニュースが盛り沢山で非常に疲れますよね。(許さんぞチャーリー)
ただ、その中でもとても明るいニュースがあります。クリスティアン・ロメロの獲得です。20-21セリエA最優秀DFであり、まだ23歳の若武者は次の舞台にN17を選びました。CBはスパーズにとって昨シーズンからの問題点であり、その穴を埋める補強と言えます。
その期待は移籍金からも窺い知れ,21-22シーズンはローン移籍扱いですが、買取OPの金額は£42.5m(€50m)とスパーズ歴代2位の金額となります。今シーズンからSDに就任したファビオ・パラティチの初めての大仕事と言えるでしょう。
✍️ We are delighted to announce the signing of @CutiRomero2 from Atalanta.
— Tottenham Hotspur (@SpursOfficial) August 6, 2021
Welcome to Spurs, Cuti! 🇦🇷
さて、これでスパーズのCB問題が解決したわけではありません。次に「誰をロメロと組ませるか」を決めなくてはなりません。ロメロは右利きであり、アタランタ時代は3CBの中央でしたので右左の得意不得意があるかは分かりませんが、彼の能力を最大限に発揮させるには右CBでの起用が濃厚でしょう。
すなわちスパーズは左CBを誰にするかを決めなければならないのです。
この記事では現有戦力+市場に出ている選手達を比較して左CBは誰が良いかについて考えていきたいと思います。
*めちゃくちゃ久しぶりに書いたので「ふーん」ぐらいな感じで呼んでいただけると幸いです。
1.犬型CB,猫型CBとは何か。ロメロは犬型?猫型?
CBのコンビを考える上で「CBってどんなタイプに分けられるの?」ということを理解しなければなりません。筆者はサッカー経験が全くないので尚更です。
その中でCBを犬(Dog)と猫(Cat)に分けて分析している記事を見つけました。下記の記事ではレスターのDFラインのソユンチュとエバンズのコンビに注目されています。(有料記事なのでライターの方へのリスペクトも含め、多くは語りませんが詳細については下記記事参照ください。)
https://theathletic.com/1909441/2020/07/06/caglar-soyuncu-jonny-evans-leicester-city/
それでは犬型、猫型CBの違いを確認してみましょう。簡単に言うと
犬型CBは、ボールや人に対してアグレッシブにタックルやデュエルをするCBのことです。犬ってボールにワンワンと向かっていきますよね?あんな感じです。
猫型CBは冷静に相手を待ち、確実にボールをインターセプトしたり、リスクを取り除くCBのことです。猫って静かに待ちながら、ネズミを取りますよね?あんな感じです。
非常に適当な感じで申し訳ないですが、この2タイプのコンビがCBラインとして理想とされているようです。想像しやすいのはスパーズサポの方にお馴染みのヤン・ヴェルトンゲンとトビー・アルデルヴァイレルトのコンビです。ヤンさんが犬型CB、トビーが猫型CBと分類するとより理解ができると思います。
じゃあロメロは犬型なのか猫型なのかどっちやねんと言うことですが、ロメロは犬型CBに当たるようです。下記のスタッツを見てもそう考えられるでしょう。ロメロはタックルや空中戦において強さがあり、特定の場所に止まるタイプというよりも前へ出ていくタイプ=犬型CBと言えるようです。
Cristian Romero Serie A stats in 20/21:
— Hotspur Lane (@HotspurLane) July 19, 2021
#1 in tackles
#1 in tackles in own half
#3 in aerial duels
#1 in aerial duels in own half
#5 in passes into box completion rate
#10 in 1v1 success rate
[Source: https://t.co/gz5FJTH62U] #thfc pic.twitter.com/zGskN8S6O7
よってロメロの相方は猫型の左CBが理想と言えます。
2.理想な相方に求める能力は?
ロメロの相方には猫型の左CBが理想と分かった訳ですが、必要な能力について考えてみましょう。個人的には以下の条件が当てはまると考えられます。
1)ミスが少ない⇨シュートや得点,PKにつながるミスが少ない+ボールロストが少ない。
2)ドリブル突破される確率が低い。
3)インターセプト回数が多い。
4)デュエルが強い。
上記の条件を全て満たさないにせよ、多く満たすDFが適任と考えられます。猫型CBは犬型よりも後ろで構えるケースが多く考えられますので、特にミスが失点に直結しやすく、かわされればGKと1VS1のシーンを作られてしまうと考えられます。そのため、1>2>3>4の優先順位をつけて判断したいと考えます。 特に「 1)ミスが少ない」が一番優先順位が高いことについては昨シーズンの試合を見ていたスパーズサポなら全く異論ないはずです。
また今回はビルドアップ能力については比較は行いません。ビルドアップもスパーズの問題の1つですが、現状を考えればまずCBの守備面にフォーカスすべきと考えるためです。
3.データで見てみよう
さてやっと本題です。ここまで前置きが長くなり申し訳ありません。
現状のスパーズのCB*(ダイアー、サンチェス、ロドン、ロメロ)とCBで年齢的にもスパーズの方針にあった選手(若手選手がメイン)を独断と偏見で15名ほどピックアップし比較したいと思います。
*タンガンガについてはCBでのデータが少なすぎるため外しております。
なおデータについてですが、スタッツデータはSofaScore(https://www.sofascore.com/)、市場価値、年齢についてはTransfer Markt(https://www.transfermarkt.jp/)を参考にしました。(全て20/21シーズン、リーグ戦に絞ったデータとなります。)
また同一リーグでの比較でないためデータを正確に比較することはできませんが「ふーん」くらいの感覚で読んでいただければ幸いです。
① 1)ミスが少ない⇨シュートや得点,PKにつながるミスが少ない+ボールロストが少ない。
(画像が小さくて申し訳ございません。)
*シュート/得点につながるミスの多さ=Error led to shot+Error led to goal+Penalty goals conceded
*ポゼッションロストについて
SofaScoreにおける定義は下記となっております。
「「ポゼッションロスト」はより広義的な意味を持ちます。自チームのポゼッションが失われたすべてのイベントの合計数を示します。該当するイベントとはパスミス、クリア、タッチでのミス、ミスコントロール、クロスのミス、さらにはオフサイドを示します。」(引用:https://medium.com/@marketing_52805/premier-league-explained-through-stats-3876f941890)
こちらの画像を見てみると右上の赤いゾーンに何やら見覚えのある名前が2つほどあります。そうです。ダイアーとサンチェスです。ここから昨年のCBの問題が根深かったことがわかります。ポゼッションロストにはパスミスやクリアも含まれるため正確に反映しているとは言えませんが、少なくともミスが多いことは縦軸から推察できます。また上記のポゼッションロストの定義からSBを担うことがある選手はポゼッションロストが増える傾向があります。(冨安など)
一方で左下の緑のゾーンにも見慣れた名前があります。ロドンです。出場試合数が少ないため単純比較はできませんが、堅実なプレーを見せていることがわかります。
他チームの選手ではロマニョーリ(ミラン/26歳/市場価値€25m),右CBですがケーラー(PSG/24歳/€25m),試合数は少ないですが、フェリペ(ラツィオ/24歳/€18m)などが緑のゾーンにいますね。エルヴェディ(ボルシアMG/24歳/€28m),シュクリニアル(インテル/25歳/€60m)も良い数値を出しています。ミレンコビッチ(フィオレンティーナ/23歳/€25m)やパウ・トーレス(ビジャレアル/24歳/€50m)は平均的な様です。
*このデータでダイアー、サンチェスの不安定さが可視化されてしまい、あっ・・となりました。データは万能ではないにせよ、このデータは昨シーズンの守備のまずさを示してますね。。。
② 2) ドリブル突破される確率が低い+ 3)インターセプト回数が多い
このデータで特筆すべきはエルヴェディでしょうか。一人だけ緑色のゾーンに名前があります。またラクロワ(ヴォルフスブルグ/21歳/€21m),冨安(ボローニャ/22歳/€20m),バディアシル(モナコ/20歳/€28m)も良いデータを示しています。
スパーズの所属メンバーでは最も良い値を示したのがロドンであり、サンチェスは最も悪い値を示しました。
③ 2 )ドリブル突破される確率が低い。+ 4) デュエルが強い。
左上の緑色のゾーンにはボトマン(リール/21歳/€28m)やミレンコビッチ、冨安、エルヴェディなどの名前があります。またスパーズ所属選手ではロドン、ダイアーが位置しています。
赤色ゾーンには名前はありませんが、エルモソ(アトレティコ/26歳/€35m)が比較的悪い値を示しています。
4.一応の結論
データの比較をしてみると、ミレンコビッチ、冨安、シュクリニアルなどの移籍報道がよく出ていた名前に加え、その他にもエルヴェディ、ロマニョーリ、ボトマンなどがデータから見て良さそうと考えられます。
移籍報道がよく出ていた3名は確かにデータ的にもフィットしそうだなと推測することができますし、逆に言えば、エルヴェディやロマニョーリ、ボトマンは別の理由でターゲットにしていないだろうと推察できますね。ロマニョーリは契約が残り1年でスタメンではないにせよ、ミランのキャプテンでしたし、ボトマンは契約が2026年まであります。エルヴェディは知識不足で詳しくはわかりませんが契約が残り3年残っているので移籍希望を公にしない限りは移籍には動かないでしょう。()
またもう一つ考えなくてはならないのはロドンの処遇です。サンプルこそ少ないもののデータ自体は移籍候補に近い値を出していますし、プレミアを経験しています。彼を左CBで起用するということも全くもっておかしなことではないように見えます。一方でサンチェス、ダイアーについては扱いが非常に難しいところです。ロメロを獲得した以上同じタイプのCBが多くなっているため、移籍報道が出ているサンチェスは放出できないと次の補強が難しくなりそうです。
あくまでデータ上の話を今回行いましたが、契約年数や個人条件合意の難度も踏まえると、ミレンコビッチ、冨安が補強優先度が高い状況は変わらないと思います。また、並んで考えなくてはならないのは右SBの問題です。冨安を右SBで起用するために補強するのか、CBとして起用するのかにより補強戦略は大きく変化します。ここが非常に難しく、冨安の移籍が早くに決まらない原因かもしれませんね。
移籍難易度も含め簡単にまとめると、補強をするならミレンコビッチ、冨安。補強しない場合はロドンということになります。
データを見てきましたがいかがでしょうか。いろいろな観点でデータを比較しましたが、一つの考えとして見ていただけると幸いです。
それでは、パラティチの手腕に期待を寄せながら、残り移籍期間を楽しんでいきましょう。
COYS!
終
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