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鷹と赤花

白波の渦潮回り飛沫上げ
 魚は泳ぐ鳴門の海は
蒼深し空の空色映しては
 鷹の翼に風がまた吹き
羽一つひらりはらりと落としては
 翼はためく青の大空
雲の中雨水触れて凍えるも
 飛び続けいま陽の光見る
陽の光我が身照らして温かく
 翼乾けば風に乗るとき
一陣の風はためきて空を飛ぶ
 旅路思えば遠く来たりて
海を越え山野原越え丘に着く
 丘の緑に降りて見下ろす
人の里若き女の微笑みに
 心嬉しく人を想えば
過去の世の生きた証を思い出す
 我その昔妻子を持ちて
日々暮らすそのうち思い山に行き
 赤い花取り持ち帰るれば
妻と子は喜び笑みて花瓶へと
 挿して飾りて眺めに眺め
もう一度喜び笑みて日が暮れる
 夜明け来たれば花は枯れたり
されどその赤花の映像(え)は心内
 照らして残る緑(あお)き香りは
また昔そのまた昔想い出す
 神々の世の香り高さに
心内明るく照らす光あり
 花の神には抱きしめられて
また嬉し何時(いつ)のときにも神ありて
 人の心を育んできた
雨が降り川の流れに花びらが
 流れ流れて水面を染める
紅の川の色にて魚たち
 水面を見れば一面の赤
川の中空だけでなく赤い色
 染め上げてなお輝き放ち
忘れえぬ光となりて玉の緒に
 結びて我は空をまた行く



2023/03/12


原稿(ヲシテ)、タカトアカバナ


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