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エジンバラフェスティバルフリンジ入門

世界最大の芸術祭、エジンバラフェスティバルフリンジ(以下エジンバラフリンジ)の開催まであと1ヶ月を切りました!と、言いたいところですが、今年(2020年)のエジンバラフリンジは中止、、、。中止が決定されるまでに色々と準備をされていた方も多いことでしょう。残念ですね。

早くまた人々が集える日が来ますように!


いつかまた「エジンバラフリンジに初参加する」という人たちが参考にできよう、参加の仕方についてメモってたものを、まとめて公開します。

今回は、エジンバラフリンジとは何なのかという基本中の基本の所まで書いてみました。


〜はじめに〜

誰のために?

これは、エジンバラフリンジにこれから参加しようと思っている方のためのフリンジのハウツー本ならぬ、「How to」noteです。一般の方が読んでもおもしろくないかもしれませんので、あしからず。日本から世界を目指すエンターテイナー、プロデューサーのみなさんの参考になれば嬉しいです。

(また、基本的には参加する人のためのHow to noteですが、インバウンド用エンタメに関わるみなさんが世界のエンタメのことを知るための参考書としても使っていただけると思います。)

エジンバラフリンジに参加しようと思っているみなさんにも、十人十色な目標があるかと思います。主に、

・パフォーマーとして名を知られ、自分の看板で世界中でパフォーマンスしたい。

・人の看板(大きなカンパニーに所属)で、世界中でパフォーマンスしたい。

・作品を売り込み、キャストは世界中で募り、世界中で公演したい、

など。

ただ外国で公演してみたいだけという方にはエジンバラフリンジはオススメしません。苦労や制作費の割に、得られるものは「エジンバラフリンジで上演。好評を得る」というキャッチコピーぐらいに終わる可能性大です。もちろん、この1行だって立派な宣伝文句になり得ますが、見る人が見たらわかります「大した成績を残せなかったんだな」と。世界中にたくさんの小さなフェスティバルがあります。そちらの方が、地元のメディアに取り上げられるなど、わかりやすい結果が残せるでしょう。

というわけで、

自分自身を、または作品を、あるいは自分自身と作品の両方を世界に向けて発信したい、その「出発点」としてエジンバラフリンジに参加したいという方には、参考になると思います。

フリンジの公式ウェブサイトです。いい写真もたくさんあるので雰囲氣を楽しめます。


経験から

ここからはちょっと自慢に聞こえてしまうかもしれませんが、が〜まるちょば(赤いモヒカンの僕と、黄色いモヒカンのHIRO-PONからなるサイレントコメディーデュオ) をご存知ない方も多くいらっしゃると思うので、しばしお付き合いください。簡潔に書きますから!

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エジンバラフリンジには、2004年から2018年にかけて、が〜まるちょば として何度も参加しました。ありがたいことに新聞雑誌で好評5つ星・4つ星を頂き、ソールドアウト受賞追加公演もしました!その好成績が数カ国に及ぶ、劇場、フェステバル、テレビ番組などからの依頼につながりました。BBCではパイロット版ではありますが、僕らの名前を冠にした「ケッチ!&HIRO-PON, Get it on」という番組も脚本から関わって製作しました。残念ながらシリーズ化はしませんでしたが。涙。そして、もちろん、日本でも”逆輸入”と言われて集客増につながっていきました。

ちょっと情報は古くなってしまいますが、最初に舞台公演で参加した2004年は、文字通りゼロから自分たちの力だけで準備、公演したので、かなりのノウハウが蓄積されました。2005年はそれを生かし、さらに進化させて、また自分たちだけでやり遂げました。

2006年からはイングランドのエージェントに間に入ってもらい、楽になりましたし、間に現地のエージェントを挟むためのイロハも学ぶこともできました。ちなみにこのエージェントがBBCの冠番組製作やイングランドツアーに繋げてくれました。最後に参加したのは2018年。基本は以前と変わってませんでしたが、色々アップデートもしてきました。

ここに書くのは、15年に渡るその試行錯誤の経験から獲得したノウハウです。いろいろ主観は混ざっていますが、このnoteを参考にしていただければ、ゼロから挑戦するより、よほど楽に進めるはずです。


エジンバラフェスティバルフリンジとは?

まずはフリンジの本質をとらえることから始めましょう。ここでボタンを掛け違えてしまうとおかしなことになります。逆にここで本質を理解して、これは自分の求めるものではないと思ったら、他のフェスティバルに参加しましょう。

エジンバラフェスティバルフリンジとは何なんだ?という疑問に一言で答えるとしたら、

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