李忠成さんの解説を、もっと良いものにしたい

一生懸命さは伝わってくる李忠成さんの解説を、なんとかより良い解説にしていただきたい!と思ったので、解説の改善案、1人の視聴者目線でまとめてみます!(僕は、実況・解説の専門家ではないです…)

本題に入る前に前提として、解説のお仕事はかなり難しいと思っています。理由は、リアルタイムで考えを整理して話す点、試合が常に変化する点、などです。そのため、上手く解説をできる人が少ないと思います。終わった後に、改善点を出すのは、簡単ですが、解説の場で実践するのは難しいと思います。解説という難しい仕事にリスペクトの気持ちを持って、本記事も記載していこうと思います。

◾️動機
ハーフタイムから見始めた時に、「李忠成さんの実況をもっと改善できるのでは?」と、一人の視聴者として思ったら、書き始めてました

◾️書くこと
実況・解説内容を文字起こしして、改善点の明確化に挑戦

◾️対象:
2024/4/12(金) 柏レイソル vs 浦和レッズ

◾️時間帯
後半 「45:00-55:00」あたりの実況・解説だけ

結論:改善案

改善案、まとめると、この1つだけです!
これだけでかなり改善すると思います。

倒置法のコメントを減らす!

解説内容の文字起こし

ここからは、細かく文字起こしした内容と共に、改善案を書いてみました。
倒置法以外もあります。
(誤字脱字あったら、すみません…)

-45:11
後半キックオフ直前

(桑原さん)
浦和が、後半、どう攻略するのか、何か違ったアイディアを求められるわけですよね?

(李さん)
非常に難しいですよね。
柏レイソルは、ディフェンダーからトップまで、大々15m-20mで、しっかりコンパクトなディフェンスを敷いている。
そのスペースをない中、ボールを回していく。
そうした中で、グスタフソンが、アンカーの位置から左斜めに落ちていって、何か突破口を見出したい。
まあ、そういったところに、小泉だったり、伊藤っていうインサイドハーフの選手たちが【ここでキックオフ】、えー、ボールをもらうためにいろんな工夫をしている。
というところで、前半は終わってしまったので、後半は、えー、そこからどういう形で浦和が攻めていくのか、というのは、えー、実物ですね。(45:11で終わり)

キックオフ前、まだ試合が始まってない状態でのコメントです。
試合が動いていない状態で、選手の動きの流れの話が出てくると、頭でイメージしづらい感がありました。試合中にだったら、わかりやすかったかもしれません。

また、試合開始直前のコメントは、もう少し短めで良かったと思いました。
桑原さんも、キックオフ前に、長文コメントが来ることを想定してないように見えました。(桑原さんの相槌リアクションが、ほとんど入ってなく…)
おそらく、桑原さんは、キックオフ前に言うべき文章を頭に浮かべており、相槌を入れられる状態ではなかったと思われます。

45:27
浦和が背後へのボールを蹴ったシーンの後

(林さん)
いやでも、今みたいな背後が一本入ってくると、
(桑原さん)
はい。
(林さん)
柏のやっぱり最終ラインっていうのは、後ろを気にしだすんですよ。
(桑原さん)
うん。
(林さん)
そうなると、全体のこう、比重っていうのが下がった時に、浦和のボール保持っていうのはできると思うので。
(桑原さん)
はい。
(林さん)
前半そこのインサイドハーフが触れなかったっていう部分もありますし、
(桑原さん)
ええ。
(林さん)
背後へのボールっていうのは少なかったですよね。
(桑原さん)
はい。
(林さん)
そこをもっと増やしていきたいですよね。
(李さん)
まあ、綺麗にサッカーをして崩せるのか、といったら、そうでもないですからね。

林さんの長文解説に対して、最後に李さんが反応するシーン。

林さんの「背後にボールを蹴る話」に対して、「綺麗にサッカーしても崩せない」というまとめで、視聴者に伝わる形にしようとする姿勢は、とてもありがたいです。
ただ、抽象的にまとめりすぎて、少し理解に時間がかかりました。(前半見てないからかもしれませんが…)
以下のような文章だったら、より伝わりやすかったかもしれません。

修正前:まあ、綺麗にサッカーをして崩せるのか、といったら、そうでもないですからね。
修正後:綺麗ではない背後に蹴るサッカーでも、崩せれば良いですからね。

(林さんの長文解説に対して、細かく相槌のような反応を見せていく桑原さん、さすがでした。
やはり、解説者の「相槌があるか」「相槌がないか」の差は、視聴者にとってだいぶ印象が変わってくると思います。)

45:56
浦和が背後へのボールをまた蹴ったシーンの後

(林さん)
これね、今、ヘグモ監督のミーティングを少し想像してしまったんですけど、
(桑原さん)
はい。
(林さん)
多分、かなり背後を意識しろと言われたと思うんですよ。
(李さん)
まあ、とりあえず出せ、ということは言ってんでしょうね。今のこの二本のパスを見ても。

このシーンも林さんの「浦和の戦略」に対して、別の言葉に置き換えて、視聴者に伝わる形でまとめてくれる姿勢はとてもありがたいです。

とはいえ、なぜか倒置法が使われているのが、少し違和感がありました。(この後、倒置法が大量に出てきます。)
以下のように修正すると、よりわかりやすかったと思います。

修正前:まあ、とりあえず出せ、ということは言ってんでしょうね。今のこの二本のパスを見ても。
修正後:今のこの二本のパスを見ても、まあ、とりあえず出せ、ということは言ってんでしょうね。

47:11
西川が切り返した時

(李さん)
うまい!
狙ってましたね、西川。相手が来るのを。
(桑原さん)
はい
(林さん)
マンチェスターシティのエデルソンかと思いましたね。今のは。
ほんとですね。
(李さん)
誘ってましたね。
(桑原さん)
はい。

また、倒置法が、また使われていました。
以下のように修正した方が良いと思います。

修正前:狙ってましたね、西川。相手が来るのを。
修正後:西川、相手が来るのも狙ってましたね。

「誘ってましたね。」は、良いフォローだったと思います!

48:45
柏のプレス

(李さん)
いや、早いですよね。プレスが。柏の方は。

今回は、倒置法を二段階で活用している高度な技でした。
逆にすごいですが、解説時には、倒置法はあまり使わない方が良いと思いました。

修正前:いや、早いですよね。プレスが。柏の方は。
修正後:いや、柏の方は、プレスが、早いですよね。

49:05
浦和シュート後

(桑原さん)
左足のミドルになりました。ただ繋がりが見えました。
(林さん)
いや、非常にいい形です。サイドバックのところから、えー、センターフォワード。そこに対してインサイドハーフが絡んでくる。
(李さん)
しっかり今のも、チアゴの右足に出しているんですよね。そこも技術ですよね。一つ。

パスの素晴らしさの補足は良いと思います!
ただ、ここも倒置法あり。

修正前:しっかり今のも、チアゴの右足に出しているんですよね。そこも技術ですよね。一つ。
修正後:今のも、しっかりチアゴの右足に出しているんですよね。そこも一つの技術ですよね。

50:17
前田へのボールが出た後

(林さん)
少しミスにはなりましたけど、後半、やはり浦和がかなり再三、背後へのアクションが増えているので。
(桑原さん)
はい。
(李さん)
特に前田ですよね。前田選手。動き出しが、足元ではなく、裏ですよね。最初のファーストフォーム?の動きが

このシーンでは、重複している言葉が3つありました。

・「前田ですよね」「前田選手」
・「動き出し」「動き」
・「最初の」「ファースト(=最初)」

また、ここでも倒置法が使われてます。修正案は以下のとおりです。

修正前:特に前田ですよね。前田選手。動き出しが、足元ではなく、裏ですよね。最初のファーストフォーム?の動きが
修正後:特に前田ですよね。最初の動き出しが、足元ではなく、裏ですよね。

51:28
チアゴサンタナのシーン

(桑原さん)
チアゴサンタナ、林さん、やはり引き出し方上手いですよね。
(林さん)
上手いですし、身体の使い方うまいですよね。
(桑原さん)
はい。
(李さん)
預け方が上手いですよね。ディフェンダーへの。

ここでも倒置法や!

修正前:預け方が上手いですよね。ディフェンダーへの。
修正後:ディフェンダーへの身体の預け方が上手いですよね。

52:07
渡邊選手がボールを蹴ったシーン

(李さん)
いや、渡邊もすごいですよね、えー、左サイドバックですからね、去年とまた全く違うポジションをやって。
今のも全キャンセルができますもんね。
出そうと思って、やめた、と思って、普通やめられないですからね。
身体は止まらないんですけど。
あそこ、全キャンできるの、すごいなー。

「全キャンセル」が分かりませんでした…
渡邉選手は、ボールを最終的に蹴ってパスミスになったことが、「全キャンセル」ということだったのでしょうか?
「全て」を「キャンセル」するが、僕が分からずでした…
(最近のサッカー用語、僕が知らないだけかも…)

また「全キャン」と略す部分も、少し違和感があったので、略さない方が良いと思いました。

52:41
背後にパスを狙った後

(桑原さん)
林さん、面白い狙いでしたね。
(林さん)
あとは、犬飼のフィード力ですよね。
狙ったところにしっかり届けられる選手なので。まあシンプルですけど、相手からしたら、やられたら、一番嫌な形ですよね
(李さん)
あれも、ボールをバック回転かけてますよね。ボールが止まるような。
(桑原さん)
フォワードからするとは、李さん、やっぱり、いろんな球種で届けてくれると、やりやすいものですか?
(李さん)
いやもちろんですよ。そこにメッセージがこもっているので。

これも補足としては、コメントいただいたと思います。
桑原さんの質問もあり、現役時代の経験談が視聴者に届いたので、良かったと思います。

ただ、「ボールをバック回転かけて、ボールが止まる」は、結構、既知の感覚だったので、わざわざ補足しなくても良かったかもしれません。

53:20
スタジアムが盛り上がってきた時

(李さん)いや、盛り上がってきましたね!スタジアムが。

ここでも倒置法や!

修正前:いや、盛り上がってきましたね!スタジアムが。
修正後:いや、スタジアムが、盛り上がってきましたね!

53:57
西川のビッグセーブ


(桑原さん)
完璧なヘッドでしたが、西川ビッグセーブ!
(李さん)
スーパーセーブですね!足で止めました。

これは、素晴らしい!「足で止める」という良い補足情報だと思います。

54:17
西川のビッグセーブの続き

(林さん)
いや、よく左足出しましたね、西川!
(李さん)
素晴らしいです。サイドバックの選手がここまで来てますからね。

話の流れ的に、林さんが西川選手に触れているので、シュートを打ったジエゴ選手ではなく、西川選手に対するコメントがあると、良かったと思います。

54:43
西川のビッグセーブの続きの続き

(桑原さん)
今度は、チアゴサンタナ。頭ひとつ出ていました。チアゴサンタナ。
(李さん)
ああいった場面は、もうフォワードからしたら、あの局面、入ったと思うんですよね。ジエゴ、もし自分がジエゴだったら、入ったと思うんですけど、止められてしまった。もう悔しくないですね!正直。
あのー。ん、あそこまで、その、足に当たってしまったという形で。
(桑原さん)
今のジエゴの表情は、完璧だったんだけどな、という
(李さん)
そうですよね。完璧だったのに、止められたというのは悔しくないんですよ。選手の感情からしたら。
と、僕は思います。
(桑原さん)
なるほど

経験からとても良いことを伝えようとしているのはとても良いと思います!
ただ、伝わりづらい印象もありました。
最初のコメントを改善するとしたら、以下のような感じでしょうか。

修正前:
ああいった場面は、もうフォワードからしたら、あの局面、入ったと思うんですよね。ジエゴ、もし自分がジエゴだったら、入ったと思うんですけど、止められてしまった。もう悔しくないですね!正直。あのー。ん、あそこまで、その、足に当たってしまったという形で。

修正後:
先ほどのジエゴ選手のシュートシーン、僕だったら、完璧なシュートだったので、キーパーに止められても、悔しさはなく、前向きに次のプレーに入れますね。

まとめ

この文章を書いているうちに、試合は終了してました。10分間の実況・解説の文字起こしをするだけで、1時間ほどかかりました。

エントリーシートの添削でもしている気分になりました。

色々改善案記載しましたが、リアクションはとても良かったと思います!
感情的な部分は、共感するシーンが多くありました。
具体的には以下のシーンです。

48:30(縦パスが入った時)
うん!
50:03(パスが乱れた時)
おっと!
53:13(忘れた)
お、チャンス!

サッカーを見ないで、何をやっていたのだろうか、と思う自分もいつつも、次回の李忠成さんの解説を楽しみにしてます!

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