カップで味は変わるのか?

今日は、捨て置けない一文を目にしたため、急ぎ文を書くことにしました。
その一文は、以下です。

コーヒーの味が使うカップによって変化しない

これ、実はとても難しい話です。

私の見解を、結論から述べますと
通常、カップによって、味は大幅に変化する
と考えてます。

これは、味というものの定義を、液体の成分だけではなく人間の感じ方も含めて味と定義した場合の話です。
カップによって変化する、味に関連する要素は以下と考えてます。
・コーヒーの温度
・液体の、舌の上での広がり方
・味への集中力
この3点です。一つずつ簡単に触れていきます。

まずコーヒーの温度です。これは非常に簡単な話で、カップの熱容量及び熱伝導率によって、液体の温度は変化します。
そして、温度が変わると、味の感じ方は変わります。キンキンに冷えたジュースとぬるいジュースでは全くの別物ですよね?極端に言えばそういう話です。
一般的なお作法の一つである、コーヒーをカップに注ぐ前に、カップにお湯を入れてカップを温めておくことで初期温度の差は最小化できます。あとは、経時による放熱が差として残りますね。

続いて、舌の上での広がり方です。これは、ワイングラスなどでも飲み口が広いグラスと狭いグラスで味の感じ方が変わってしまうのがわかりやすい例と言えます。
一般的なコーヒーカップは温度が下がるのを防ぐために飲み口が狭めですが、口が広いカップで飲むと、液体は舌の横方向に広がります。具体的には、舌を横に広げたときに、奥歯と接触する位置付近まで液体が広がっていきます。これにより、酸味をより感じやすくなります。
したがって、フルーティーなコーヒーを飲む際には口の広めなカップで飲むことにより、更に酸味を楽しむことができます。カップが用意できない場合は、コーヒーを口に含んだ後に、意識的に液体を口の中で広げてみることによって差を感じることができるはずです。
舌の場所によって味の感じ方が異なる件については諸説あるようですが、私は経験上、舌のサイドにおいて酸味を感じやすい説を現時点では支持しています。

最後は味への集中力です。
これについては、まさに今日、言及してる記事を見て、笑いつつもなるほどと思ったのですが、カップの縁の厚みがこれに関与します。
記事曰く、縁が薄いほど唇への接触面積が少なくなるため、意識を妨げられず味に集中できる、と言うものでした。
これについては私は力強く言い切れるレベルに確信できてませんが、何となくそんな気がするので今後検証を進めていきたいところです。

と言うことで、私としては確信を持って力強く言えるのは、カップによって味は変わる。
具体的には、液体の温度と舌の上での広がり方が変わる。
もしかしたら、カップの縁が薄いことによって、より味に集中できるかもしれない、と言ったところです。

本件はコーヒーに限らずお酒やお茶など飲み物全般に言える話だと思っているので、何となく気にかけて、飲み物を楽しんでいただけましたら、これ幸いです。

※記事公開後、少し補足しました。温度の話は、お作法でカップによる差を最小化できます。


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