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詩)美しい世界

綺麗な花を見て
ただ美しいと思うのか
健気に咲いているのだと憐れむのか
生命の強さに励まされるのか
何が正しいのか?間違いなのか?
それは決まっていないけれど
何が正義で悪なのか
それも決まっていないけれど
瓦礫となったアパートや
燃えている街を見て
それが正義だと言うのでしょうか?

人々は美しい世界を望む

汚物に塗れて産声をあげる事も
裏切りと策略に塗れた真実も
目を背けたくなる事など
世界には溢れていると言うのに
それでも美しい世界を望む

誰かが叫ぶ
『赤く染めても美しくははなりません 
 土を赤く染めずとも
 きっと美しい世界は作れるはずです』

『世界は綺麗事だけでは
 変えられないのかもしれないけれど
 いつか変わると信じていれば
 その想いが伝播していけば…』

銃口を向けられたその先に
一体どんな未来が待つのだろう
『平和を望む』
私はそう口にして
ただ、黒い箱に映る世界を眺めていた