🍎詩)そらの“あお”
難解な言葉とメタファーの群れは
メェメィと声を上げて群れをなし
はみ出してはいけないよと
牧羊犬に追い立てられて柵の中へと入っていく
青空が綺麗と君は笑う
複雑に入り組んだ建物の隙間から
途切れ途切れに覗かせる程であれど
それが君を笑顔に変えると言うなら
それはそれで一つの答えなのだろう
僕にとってはいつもと同じ“あお”だとしても
その“あお”は
透きとおり何処までも続くようで
黒いモヤをゆっくりと薄めていくようで
凛とした静けさが周りのノイズを掻き消すようで
戦争だとか流行病だとかの現実を
まるで映画の中の出来事に変えてくれるようで
数多の言葉を並べ
ぐちゃぐちゃに掻き回した所で
この“あお”は
それ以上にもそれ以下にもならず
上澄みの美しさなどは
頭蓋の中へと染み渡る事もなく
そっと何処かへ霧散する
白でもない黒でもない世界
その美しき“あお”を描く事は叶わず
飛び立つ事のない言葉を置き去りにする
誰かが見つけ
誰かの答えになる事を願って
いくつもの灰色の羅列を吐き出した