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詩)タバコ

ベランダでタバコを
赤く燃えた部分は長くなり
トントンと缶の中に落ちた
煙は鬱陶しく目の前にあったのに
何処かへ消えていった

あの頃はセッタがどうとか
キャメルはチョコレートの香りだとか
俺はマルボロだとか
なんかそんなセリフがカッコよく
お前はふかしてるだけだなとか
一回吸ったら辞めれないぞなんて
ただ、ただ何もない自分に
アイデンティディが欲しくて
俺は他とは違うんだぞって威嚇して
そんな感じで吸ってたのに

今となっては
ただなんとなくやめられず
ない金の無駄遣いで
煙たがられ
臭いといわれ
それでも吸っている

健康に悪いって
脳卒中がどうとか
肺癌がどうとか

でも辞めたくないんだよ
煙を吐いてる自分が
普段は愚痴しか吐けない自分が
ほんの少しイカしてるって
思えるんだよね
この煙を吐いてる時間は