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配信者になったきっかけの話。

 「なんで配信者を始めたんですか?」
 何度この質問を投げかけられただろう。僕の配信に顔を出してくれた、まだ比較的歴の浅いリスナーさんからよくもらう質問だ。いつもははぐらかして「暇だったからだよ」なんて答えるのだが、今日は少し真面目に本音を書いていこうと思う。

 「配信者をはじめよう」―。そう思ったのは2年前の夏。新型コロナウイルスが流行する中で「STAY HOME」が唱えられ、数多くの人が自宅待機を余儀なくされていた。僕もその中の一人だった。いつものようにYouTubeを開いて好きなYouTuberの動画を見た。動画の内容は「おすすめのマンガ紹介」。家で過ごす時間を退屈させないために、数多くのYouTuberがそんな動画を撮っていた。僕にはそれがものすごく輝いて見えた。「自分を発信して、人を楽しませる」ということに強い憧れを抱いた。元々雑談は好きだったこともあり、ラジオ配信アプリ「Spoon」で配信者を始めた。

 「雑談力」には自信があったが、配信者の世界はそう甘くなかった。雑談が得意な人が集まる世界なんだから当然だ。なかなか伸びず、落ち込んだ時もあった。辞めようとしたことだって何度あったかわからない。数字だけでなく「自分のスタイル」にも悩み始めていたその時、運命の出会いをすることになる。
 その人が僕の配信者人生を変えた。目標ができた。「あの人みたいな配信者になりたい」そう思った。たくさん配信に通って、たくさん相談した。その人と関わる中で、数えきれないほどの出会いもあり、自分の中での目指す像が出来上がった。

 僕の目指すところは2つ。まず、「聞いているだけで笑顔になれる配信」である。雑談配信ではコメントをすることで、我々配信者とコミュニケーションが取れるわけだが、コメントをしなくても聞いているだけで十分に楽しんでもらえる配信を目指したい。
 次に、「言葉で心を動かせる配信者」になることだ。配信者は「言葉」が商売道具。その「言葉」が持つパワーを大切にしたいと思っている。言葉でリスナーを元気づけたい。「現実の嫌なことを忘れられる時間」ではなく、「厳しい現実を生き抜く元気」を与えたい。心からそう願っている。

 配信者として活動を始めてかなりの時間がたった。僕はリスナーに楽しい時間と元気を与えることはできているだろうか。答えは「まだまだ」だ。まだまだやれる。配信者としての命がいつまでかはわからないが、まだまだ目指す先は遠い。「もっと笑顔を作りたい」「もっと元気を与えたい」―。その気持ちを忘れず、あの時のYouTuberのように、見てくれている人の力になれますように。そしていつか僕自身が、誰かにとっての「あの日のYouTuber側」のような存在になれますように。

 最後まで読んでくださったこと、感謝します。この文章を読んだあなたの毎日に、僕が何か「言葉」で力になれますように。それではまた、どこかで。

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