もしも願いがかなうなら、もう一度だけ、キミを抱きしめたい。
これは真実の物語――
北海道。
壮絶な交通事故から奇跡的に生還。左半身と記憶能力に障害がありながらも常に明るく前向きに生きるつかさ(北川景子)。
彼女と恋に落ち、一生の愛を誓ったタクシードライバーの雅己(錦戸亮)。
身体は思うように動かず、記憶する力を失ったつかさは愛する恋人をも忘れてしまうという恐怖とも戦うこととなる。つかさと雅己の交際には周囲は反対する。しかし二人はそんな声にも負けず結ばれる。雅己は父から「孫の顔も見れないのか」そうも言われたが、二人の元に小さな命がやってくる。妊娠、出産は奇跡だ。しかしつかさが妊娠出産できるとは思っていない人も多かっただろう。つかさは元気な赤ちゃんを無事出産したが、非情すぎる現実が待ち受けていた。
つかささんはとても笑顔が魅力的な女性。強く、まっすぐに、物怖じをしない。
つかささんの笑顔は24時間テレビでも見たことがあるが、周囲にも笑顔と元気を与えるくしゃっとした笑顔だ。
つかささんの笑顔を見ると自分がちっぽけに思える。
なぜこの世に生きるべき人間を早く連れて行ってしまうのだろう。
この映画と言えばやはりメリーゴーランドのシーンが印象強い人が多いかもしれない。実際、取材でもよくとりあげられていた。
夜の遊園地、二人だけの、特別な時間だ。
足が不自由なメリーゴーランドのスタッフじゅんぺい役に窪田正孝が出演。昼間、つかさたちも乗せ、動かそうとするも他の園のスタッフにつかさは無理だと、降ろさせてしまう。そこで夜、じゅんぺいの計らいで特別な時間を過ごす事ができた。
つかさが断られたのは時間がかかってしまったり安全面の配慮からだろうが、体が不自由な人も、同じように遊園地で楽しめる時間を当たり前に過ごせる日が来ればいいのに。まだまだ障がいを持つ方への偏見や厳しい目が減らない社会。厳しいなあ。。
「記憶障害の花嫁」という書籍も出版されており、同タイトルで取材もされている。
取材に基づいて制作された書籍では言葉にできないグッと胸に刺さるものがある。
小柳雅己さんと萩田つかささんの真実のものがたり。
主題歌は安室奈美恵のTSUKI。
どんなに離れていても抱きしめられなくてもこの胸に光ともしたい
変わらぬ愛をくれた果てしない優しさを今日もずっとそっと照らすから
全体を見てもこの歌詞は月になったつかささんが雅己さんと和実くんを見守っているよというメッセージにも捉えられる
そしてつかささんは多くの人の中で今も生き続けています。
雅己さんと和実くんをつかささんは今でも照らし、見守り続けていることでしょう
監督:塩田明彦
出演:北川景子、錦戸亮、上地雄輔、斎藤工、平山あや、風吹ジュン、國村隼ほか(敬称略)
2014年映画「抱きしめたい -真実の物語-」
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