[PC小ネタ]Excelとかのスプレッドシート」で割り算の答えが1.23456E-5とかって出るのはなんで?

表示の設定ですね。Eで出るのは指数表記ですね。


割り算の答えとかで、なんかE-05とか出る

Excelなどのスプレッドシートで割り算をしたときに、E-05とか出てくることがあります。

図01 C2セルにE-05とか表示されている

ちなみに図01のデータは、人口動態調査(厚生労働省)の「令和2年 中巻 出生 第5表 出生数,都道府県(特別区-指定都市再掲)・性・母の年齢(5歳階級)別」から全国のデータを取ってきたものです。令和2年(2020年)の全国の母親の年齢階級(5歳ごと)別の出生数です。

で、この図01のC列は、全出生数に対する各年齢階級の割合を出しています。式は、C3セルにあるように各年齢階級の出生数を総数(合計)で割っています。一応C2セルで =B2/$B$11 と入力してドラッグして式をフィルしています。$とか絶対参照ってなんですかという方は、こちらを読んでください。

小数点以下に0が続くと指数表記(科学的表記)になる

で、ここで計算したら、C2セルは 4.40039E-05、C10セルは 6.18433E-05 とか表示されるわけです。C2セルはB2をB11で割った結果、つまり 37÷840,835 の結果が入るはずです。37÷840,835 の答えは約 0.00004400387です。実はこの0.00004400387が、4.40039E-05と表記されているのです。

0.00004400387が、4.40039E-05の正体なのですが、なんでそういうことになっているのかというと、理由があります。
特に科学分野では非常に大きい数、または非常に小さい数を扱うことがあります。それだとわかりにくかったり、桁がたくさん必要になったりします。なので、大きいな数や小さな数であることを簡単に表示する必要があります。そういうとき、数学では本来 $${4.40039×10^{-5}}$$ と記述します。この書き方を指数表記とか科学的表記と呼びます。

スプレッドシートは、4.40039E-05と表示するしかない

とまあ見出しに思いっきり書きましたが、スプレッドシートだけではなくコンピューター一般で $${4.40039×10^ {- 5} }$$ のような普通の指数表記ができないのです。なので、仮数E指数 という表記にすることになっています。これは日本の場合JIS規格で決まっています。ちなみに、仮数(かすう)というのは指数表記の最初の数値部分のことです。基数の10は省略されます。なんでEなのかというと、指数を英語で exponential というからだそうです。

指数表記のマイナスとかプラスってなんだっけ

図01での 4.40039E-05 は $${4.40039×10^{ - 5} }$$ のことです。なのでE-05は10のマイナス5乗ということになります。10のマイナス5乗なので$${10^ {- 5}  = 0.1^5}$$ということになります。10のマイナス5乗は0.1の5乗なので0.00001です。なので、4.40039に0.00001を掛けることになります。この、0.00001とかだと、「0何個ある?」というのがわかりにくいので、指数表記になるわけです。

一方 $${10^ 5 }$$ の場合は100000です。こちらも非常に大きな値を取るときは、例えば123456000だったら、$${1.2346×10^8}$$ ですが、1.2346.E+8という記述になります。

指数表記にしたくない場合

なんか指数表記はやだなという場合は、表示形式を「数値」(Numbersは「数字」)に変更すれば普通?の数値形式で表示されます。

図02 Excelは「配置」と「スタイル」の間にある「数値」メニューのプルダウンメニューから
「数値」を選択
図03 Googleスプレッドシートは 123▼ ボタンをクリックして「数値」を選択
図04 Numbersuの場合は右側の「フォーマット」をクリックして「セル」タブの
データフォーマットから「数字」

ただし、表示形式を変更しても小数点の表示指定は継承されません。

図05 C2セルが数値表記にはなったけど0

なので、小数の桁数の指定を変更して、いい具合の表示にする必要があります。小数の桁数の表示方法は、こちらの記事を読んでください。
ただ、指数表記になってしまう値があるときは、他の値と桁をそろえようとすると表示桁が多くなります。

図06 C2セルやC10セルが0じゃなくなるところまで桁を出した

図06ですが、ここまで桁表示を増やさないと、C2やC10は 0.000 とかのままで、「え?0?」ということになります。でも他のデータも値を下までだすことになって、そこまでいらなくない?という感じでもあります。

図07 適切な表示ってむずかしい

図07ではC2とC10は指数表記にしています。数値で他と桁を合わせるとどちらも 0.000 となります。指数表記になるときは、それくらい小さい(大きい)ときなので、どう表記するか考えた方がいいでしょう。
蛇足ですが、私の講義の場合は原則指数表記を残すように指定していますので、私の講義を取っている方は指数表記のままで結構です(笑)。

まとめ

スプレッドシートの指数表記は、通常の数学の指数表記とちょっと違います。基数が10であること前提で省略し、仮数E指数 という表記になります。決してエラーが表示されているわけではないので、表示設定を数値にして、小数の場合は小数桁数をそれなりに出してあげれば普通の数値として表記されます。

この記事終わり

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