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映画「ハケンアニメ!」を見タ

映画「ハケンアニメ!」を見た。

原作を知らないで見た。
持ち込み禁止の映画館で小分けパックのお菓子を一時間食べ続ける客が近くにいて、ガサガサ・パリパリとノイズ音を発するから全く集中できなかった。でも、後半部分の物をクリエイトするというシーンには熱いものを感じた。

パンフレットを読むと、いつもと違う文章でインタビューやコラムが書かれている。この違和感に何か閃き、とりあえず電子書籍で原作のサンプルを読んでみた。
「あぁ、この人達は原作をとても好きで大切にしているんだ」と理解できた。
こんな人達が作った作品に間違いはないと信用してしまった。
実際のアニメの現場と違うという人がいるけど、そんな違いはパンフレットのコラムに正々堂々と書いている。実際に完成度の高い劇中アニメを作るぐらいだから、本当の現場を知ってるのは当たり前。そのうえで違う部分を描くことで意味を持たせている。
ボリューム的には平凡なパンフレットだけど、いろんなことが伝わってくるパンフレットで私には逸品でした。

信用しちゃったから集中できなかった一時間を改めて見ようと思った。二回目を見ると登場人物の性格を知っているから、また違う部分を発見する。
特に王子監督と行城プロデューサーという際立ちすぎキャラの言動を見るのは面白かった。ライトが当たっていないときの視線や、ちょっとした言葉を拾ってみると、ずっと同じキャラを貫いて描いていたんだなと気付く。
一回目と違うものを拾っていくけど、一回目と同じように後半部分に熱くなる。何かを作るという心をまたくすぐってくる。
みんなに「ゴチャゴチャと考えなくて見れるよ!」って言いたくなる…。

二回目を見終えた私は、最後のミッションとして原作を読んだ。
パンフレットで原作への愛を感じたはずなのに、驚くほど内容が異なっていて違う作品かと思った。でも、必要な部分は原作から持ってきていて、形は違うけど熱くなる部分は同じだった。原作をうまく分解して映像化にしている。原作が好きな人は、「原作と違う!」と嫌うのではなく、「こうやって組み込んでいるんだ」という見方で楽しんでほしい。
そして、原作が好きすぎて映画を見ることに躊躇している人には、原作の最終章の言葉を思い出してほしい。
「徹底的に、原作を壊して、やっちゃってください」

原作が好きな人達が作ったんだなと伝わってきた。

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