夢の中の音を探して④~20年ぶりの復活、そして・・・~

DTMとの日々が強制終了されてから20年近くの日々が経過しました。
その間も時折眠りにつく直前に頭の中で音楽が流れることはありましたが「あー、なんか聞こえてるけど明日は忘れてるのね~、ちょっともったいない」と思いながらそのまま寝てしまい、大部分のメロディーはそのまま忘れ去られていたのですが、コロナの流行が始まる直前の2019年末のある日、眠りに落ちる直前にものすごく鮮明に頭の中で音楽が鳴り響きました。

オーケストラ調の曲でした。すっかり寝てしまって100%夢の中という感じでもなかったのですが、映像もついていてそのBGMという感じです。オケとか吹奏楽などやったことがないので全部でどれだけ楽器があってそれぞれがどんな音を出すのかもよくわからないのに、完全にオーケストラサウンド。脳のどこから出てきたのか皆目見当もつきません。ハッとして飛び起き、まだメロディを覚えていたのでふとそこにあるスマホに気づいてボイスメモに鼻歌で録音しました。(夢の音①)
翌朝、記憶も曖昧だったのでスマホを確認したらちゃんと録音されていて「あー、やっぱり夢じゃなかったんだ」と思い、そういえば今までスマホの存在を意識してなかったけれど、これいつでもすぐに録音できるんじゃ?ということにそこで気づきました。

それから時々「あ、今なんか音楽流れたわ」と気づいたら可能な限り飛び起きてボイスメモに録音するようになったのですが、そうやってみると意外と頻繁に頭の中でメロディーが流れていることに気づきました。
といっても1か月以上気づかない時もあれば、週2~3回流れている時期もある、という感じです。
そんな感じでボイスメモに20~30秒の鼻歌が蓄積されていったのですが、録音しているのは基本メロディーだけなので、後から聞くとコードがわからずそもそも何調なのかわからない謎メロディーもいくつかありました(笑)

そうやって少しずつ意味不明なボイスメモが増え始めた頃、最初の緊急事態宣言が発令され、基本ステイホームの日々に。急に自分の時間が増え、ふと昔DTMをちょっとだけかじったことを思い出しました。
あれから20年も経っているんだから、色々技術が進化して高いソフトとか機材とか用意しなくてもそれっぽいことができる方法があるんじゃないか?と思ったのです。

調べてみると「Cakewalk by BandLab」という無料ソフトがあるのを発見し、早速インストール。
ちゃんと音がでて入力できる状態になるまでちょっと苦労しましたが、なんとかセッティングし、スマホ鼻歌録音の中から夢の音①と②をこれで打ち込みました。今はMIDI音源も外付けしなくても無料のソフトでいけちゃうしピアノロールという便利な入力方法もあって「あー、時代は変わったわ!」と思う反面、昔のSinger Song Writerのアレンジ機能に助けられたので、今はもうメロディーさえ打ち込めば勝手にそれなりにアレンジしてくれる初心者向けモードとかあるんじゃないかと期待してたらさすがにそれはなく、Singer Song Writerの偉大さ(?)に思いをはせたりしました。

このあたりで「作りながら覚える3日で作曲入門」という本まで購入し、付属していたDominoもインストール。この本も基本からわかりやすく解説してくれててためになりました。もともと理屈っぽい方なので基本からコード進行の理論について勉強した方がいいかも、と思ったのですが、私にとってはコードは最初に半分寝ぼけた状態で聞こえた時点から曲の一部としてついているもので、このコードの次には理論的にこのコードがくるというものではなく聞こえたままの和音をキーボードで弾きながら探してあてはめるという感じなので、トニックとかドミナントといわれてもピンとこなくていまいちコード進行の理論は頭に入りませんでしたが(笑)

しばらくして直接MIDIキーボードでCakewalkに音を入力してみようとしたら、音がズレる。鍵盤を押したタイミングで音がならない。
この段階でどうやらオーディオインターフェースなるものが必要らしいと知り、フリマアプリで安く中古品を入手したのですが、そのオーディオインターフェースにはCubaseが付属していました。

とりあえず、ついているものは入れてみる。

そんなこんなで、ロクに使い方もわからない素人のパソコンに、なぜか3つものDAWソフトが入っているという謎な状態に(笑)。

個人的にはピアノロール入力はCakewalkの方がやりやすかったのですが、ネットで使い方などを調べると圧倒的にCubeseの方が多かったりするので、最近はCubeseの方を使っています。


もともと、表に出すつもりはありませんでした。ただ、昨年少し年上の友人が急逝したり、母が大病を患った年齢まであと20年くらいしかないと気づいたりして、自分の命が平均寿命までだとしたらもう折り返し地点も過ぎたっぽいし、思ったより自分で自由にできる人生の残り時間は少ないかもと思った時に、何となく「今のうちにこの音たちを私の頭の中から外に出してあげたい」と思ったのです。
もしこれが自分の意志で作曲したものだったら逆に恥ずかしくて表に出せなかったと思うのですが、この音たちは私の意志とは無関係に完成した状態でどこからか聞こえてきて、私の脳内にとどめておいていいものか、それとも外に出ていきたがっているのか私自身にも判断がつかないのでとりあえず表に出してみようかと。

といっても、この脳内小人楽団がいつまでも活動してくれる保障はなく、突然活動休止するかもしれません。私自身にも全く予測はつきません。いつまでにこんな感じの曲、という発注もできないし、どんなタイミングでどんな音が聞こえてくるかも予測不能。

DTMの目的も「カッコいいサウンドを創る」という方向ではなく、寝落ち寸前に聞こえてきた音楽を「こんな感じ」とアウトプットするためだけなので音のニュアンスとかバランスとかエフェクトとか、細部にはこだわらずにざっくり打ち込んでいるので今後もそんなに上達してオシャレなサウンドになるとも思えませんが、音が流れてくるうちは脳内小人楽団のイタコとしてゆるーくアウトプットを続けていこうかと思っています。

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