夢の中の音を探して③~出会い、そして突然の別れ~

意気込んで最初にバンドスコアを打ち込んだ曲はポルノグラフィティの「アポロ」。

五線譜の画面にちまちまとスコア通りに音符を張り付けていきます。
ドラムやギターは全然分からないので、とにかく楽譜通りに同じ長さ、同じ音量で入力しただけなので、なんだか音がウソっぽい。スーパーで流れてる曲のようだ。
でもそんなこと気にしちゃいられない。1ヶ月以上かけてとりあえず最後まで入力し、「ちょっと違うけどゼロからよくやったよ・・・」とご満悦でした。

そんな感じでバンドスコア完コピ入力をゆるゆると続けていたのですが、3曲目、GLAYの「Winter,again」のイントロまで打ち込んだところで力尽きたようです。
去年20年くらいぶりにDTM再開するにあたりPCの奥底を捜索したらイントロだけのMIDIファイルが出てきました(笑)。

多分このあたりで「まだよく機能は把握してないけど、この調子だといつまで経っても先に進まない」と思い、無謀にもその時脳内でぐるぐるしていたメロディーをアウトプットしてみようと思い立ったのでしょう。そこから結構な時間をかけて1曲だけなんとなく曲っぽい形にしました。

Singer Song Writerって当時のDAWとしてはかなり優秀というか初心者にやさしいというか、確かメロディーだけ打ち込んで、いくつかあるパターンから「これ」と選ぶと勝手に伴奏をつけてくれる機能があった気がするのですが、その助けも借りてドラムなどは全面お任せだったと思います。

自分でも長いこと忘れていたのですが、今になってその最初の曲(このあと公開する「満月のいたずら」)を聞き直してみたら、MIDIキーボードで直接打ち込んで音符の長さがバラバラだったり、途中で面倒くさくなったのか間奏のバックの和音が入ってないとか色々つたないけれど、ナチュラルに転調してたりしてど素人が人生初めて作ったにしてはちゃんと曲っぽくなってて、うわー、この当時から脳内小人楽団(私の意志とは無関係に突如脳内に音楽を流してくれる存在をこう呼んでます)なかなかやりおるわー、と思いました。
そう、人生最初に作ったといっても私が作曲したという感じじゃなく、気分はイタコなわけです(笑)。

そんなこんなで1~2年ほど時々DTMと戯れる日々を送っていたのですが、出会いも突然なら別れも突然でした。

PCが不調になり買い換えたら、OSが違うのでソフトの動作保証対象外。その上シリアルポートもついてないのでMIDI音源が接続できない。お手上げです。
脳内メロディーをアウトプットする計画は、わずか1曲で強制終了となったのでした。

その当時、何としてでも続ける気概もなかったので、そのままいつの間にかDTMのことも忘れて日々は流れていきました。

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