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ウナギを食べる時いつも思い出すこと

昔勤めてた事務所は
稼働時間が平均で14:00〜0:00で
たまに仕事がなくて19:00までに帰れたりするのですが
大体深夜まで(あるいは朝w)なので
夜ご飯はいつもここでお世話になりました
町の中華や麺類のお店の出前だったり
トンカツ屋にお弁当作ってもらったり
でもツキイチで必ず鰻屋の出前と
近所のお寿司さんの出前or食べに行く
という日がありました
時間のある日はみんなで外食もありました
天麩羅だったりフグだったり
イタリアンだったりインド料理だったり…
それはそれは驚きの福利厚生でした


実は当時ウナギがダメで
今は食べれるようになったばかりか
鰻屋が焼く美味しい国産を食べたいくらい
贅沢になってしまいました
あの頃嫌いだったのが悔やまれてなりません
タイムスリップできたなら
食ってみろこのバカ!ここの絶対美味いぞ!
と背後からハリセンで頭殴ってやりたいです

そのせっかくのツキイチの鰻屋の出前の日は
全員が鰻重の松〜梅を頼む中
私だけいつも松花堂弁当を頼んでました
いや これはコレで美味しかったんですけども
そして全てのお弁当には
肝吸がついてきました
実はこの肝吸というものをここで初めて知りました
鰻屋さんが持ってきたお椀に
付属の三つ葉となんかサザエのキモっぽいのを入れて
ポットに入ってるお出汁を注いでいただきます
が 初めてこれに出会う私は
出し汁は大変美味しくいただくのですが
具はキモです
キモというと大体エグ苦いものです
これは単にダシとして使われたもので食べるものではないよね

ぽい

お片付けの時にゴミネットに捨てました     イラナーイ( ゚⊿゚)ノ⌒⊙ポイッ


ほどなくキッチンから
「おい 誰だ 肝捨ててんの」
と静かで落ち着きのある
だがかなり怒りに満ちた上司の声がしました
この人は
とても温厚で冷静かつ聡明であり上品で
普段滅多に怒りを露わにはしません
いつも優しい顔をしています

過激な言動や行動を静かに穏やかにやっているというだけで
ゴキブリが出ると殺虫剤で仕留めたあと
「卵持ってたらこのまま捨てても意味ないからね」と
必ず紙に包んでシンナーをぶっかけて火をつけ焼き殺します
殺る時には徹底的に殺る人です
「殺そうコイツ」と思ったら
相手に1ミリも殺意を感じさせずに穏やかに近づいて
確実に殺すと思います
私は一度事務所でしゃっくりが止まらなくなり
すぐ止まるとされるどんな方法を用いても止まらず
困っていたところにこの人がやってきて
「ああ、俺が止めてやるよ」と静かに言われた瞬間に
しゃっくりは止まったのです
そんな人が
明らかに「肝を捨てた」ことに怒っていました
即座に私は手をあげたんですが
幸いちょっとお説教を食らっただけで済みました
ラッキーです
おかげさまでこの時以来
肝を食べ肝の美味しさを知ることができるようになりました
感謝です
今は鰻は好きですが
だからといって日頃よく食べるほどでもなく
たまにスーパーでお安くなってるのを見て
お 食っちゃう?
なんて買うくらいですが
先日買ったのがあまり美味しくなかったので
今年もやっぱり鰻屋さんに一匹焼いていただきます
肝吸いのお持ち帰りがないのが残念です

以上
土用の丑の日が近づくと思い出すお話でした








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