ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ宿泊記。弾丸旅行オタクの価値観を塗り替えた
2022年8月、チャンスは突然にやってきました。国内屈指の超豪華温泉リゾートに宿泊できました。
1.行かない理由は値段。でもチャンスはある!
2019年にオープンしたこのホテルは旅行好きの間でも注目を集めましたが1泊朝食付きで10万円前後、おいそれと手が出ない価格帯です。
旅先のホテルなんて1泊1万円でも「もっと良い場所ないか」と躊躇してしまいます。10万円って少し前なら完全に海外旅行の相場です。
しかも京都や沖縄などの高級リゾートならまだしも…別府?
と思ってしまったのですが別府は都市規模も温泉量も多く、ホテルの価格帯もピンキリなようです。
JR九州でも大分県の久大本線はゆふいんの森に飽き足らず或る列車、ななつ星in九州とハイクラスの豪華列車が立て続けに就航しています。
そして2022年夏になってチャンスが到来しました。
親元の英国IHGリワーズがインターコンチネンタルブランドのホテルを1泊35000ポイントで特典大放出しているではないか…
しかも告知をしたうえでの計画的なセールではなく、いわゆるバグレート。需給バランスや為替レートを考えたらエラーにしか見えないけど予約としては有効。
こっそり始まりこっそり終了するバグ祭りが、自分が確認しただけでも2回ほどありました。
ちょうどIHGは海外旅行でもお世話になっててポイントはそこそこ貯まっているのでチャンス。しかも通常2ポイント=1円程度の交換レートなので35000ポイントは実質17500円!
そもそもIHGリワーズはハイクラスのホテルや繁忙期は宿泊特典の空きがないことも多いので超レア!
ということで8月最後の週末に超高級リゾートを超お手軽に抑えることに成功しました。
その後全国旅行支援「新しいおおいた旅割」やホテル独自のセールで閑散期の平日なら6万円程度のプランも出てきましたが相変わらず高嶺の花です。
2.バスで観光しながら行くのがベスト
ということで今回の旅はホテルステイが第一目標になりました。いつもなら乗る飛行機や乗る列車から決まる自分にしては珍しい旅程の立て方です。
ホテルは別府市郊外の山の上にあり、予約制で別府駅からの送迎もあるようですが、ついでにあちこち観光してからにしました。
別府市内を走る亀の井バス。亀の井ホテルが交通事業もやるという珍しい事業形態ですがSuica等のICカードも使えますし、1日乗車券もあります。運行系統はGoogleマップで調べましたが、地方の割に運行本数は多く便利です。
至る所に温泉が噴き出す場所があり、見て回れる場所は数多くあります。入浴だけが温泉の楽しみ方ではないようです。但し入場料がかかるところが多いです。
さすがにホテルまでは急峻な山道とあって歩き続けるのはむずかしく、立命館APU行きのバスで「ANAインターコンチネンタル別府前」というバス停に着きます。
地図上は目の前なのですが、夏場で草木が生い茂りすっかり隠れてしまいます。また虫が多いので苦手な人はタクシーでフロント直行が無難です。
3.チェックインから豪華絢爛
別府市内から温泉の硫黄の匂いが漂っていましたが山を登り森の中に入ると鳥や虫の声も素敵です。
九州には何度も来ていますがこのロケーションはやっぱり価格相応なのかもしれません。大自然の風とこれからの体験に心躍ります。
チェックインは窓口ではなくテーブルに通されお茶を頂けます。もうこの時点で超高級リゾートの風格です。
露天風呂(14-24時 5-10時)
プール(9-19時 17時以降12歳以上)
フィットネスジム(5-24時)
宿泊者は使い放題。規模の割に4階建て全89室と部屋数は少なくかなり贅沢な空間です。また冒頭ウェブサイトで混雑状況を見ることができるのですが心配無用でした。
4.部屋も眺めも最高。何もしない幸せ
建物は左右方向に細長く、共用スペースから客室部部への中間扉でルームキー認証が必要だったりします。
3階クラシックキング、これで一番下のランクのお部屋…だと?
行かない理由は値段かもしれないけど、これは大いに期待を上回る部屋。快適でないはずがありませんね。客室だけで52㎡とビジホ3部屋分くらいはあります。
フリーWi-Fi
USB電源
冷蔵庫
エスプレッソマシン
電動温水洗浄便座
バスタブ/シャワー別
そして全室バルコニー付き。窓を開けると湯布院からの心地よい風と鳥たちの声がしみわたります。
食事もお風呂もまだだけど、このままずっと何もしないでいるだけでも良さそうな気もします。
5.露天風呂もプールも贅沢な時間
バスルームは部屋にも十分なものがある訳ですが、別途大浴場というか温泉があります。利用しない手はありませんね。
温泉リゾートらしくホテルの一部通路は浴衣と下駄で出歩くことができます。タオルは持参しても良いのですが脱衣所にも用意があります。4階建て89室とキャパは小さいホテルですがどの部屋も広いので歩くと遠いです。
途中休憩場所も含めて端っこの大浴場へ。崖っぷちの立地とあって露天風呂から別府市内や海が見渡せます。お湯だけでなく風景もポイント高いです。さらに大浴場とは別に家族風呂もあって、予約制有料ですがお風呂だけでなくソファーのある部屋ごと貸切できるようで、意外にも大浴場には家族連れの姿はなく閑散としていました。
露天風呂は撮影御法度ですが夕暮れのプールは大人達の撮影会に。12歳以下は17時で終了なので結局入る人は皆無。ちなみにこのプールも温水なので冬でも利用できるそうです。
さて周囲は国道500号の山道1本だけで、徒歩圏内にスーパーコンビニはありません。事前にコンビニで夕食を調達してしまう貧乏性ですが、インルームダイニングで一品つまむのは悪くありません。
とは言え超高級ホテル。奮発してワインに大分牛のステーキでも頼もうものなら軽く1万円札が飛んでしまいます。
こういう時ラグジュアリーホテルではベジタリアンメニューが用意されており3000円程度の比較的ローコストで異文化を味わえます。もちろん野菜も凝ったものでアボカドと根菜のラップと、ルッコラのサラダはトマトを下に敷いてフォークが通りやすい。職人芸。
夜遅くまでやることも無いので大人しく寝てしまいます。窓が大きいのでカーテンを開けておけば町の灯りが見えます。
6.朝食前に朝活
翌朝。朝食は7:30~10:00と時間帯は遅め。キャパは余裕があるようですがチェックイン時に希望の時間をリクエストできたので7:30を指定してました。
それでも6時に起きたので朝もやの中周囲を散歩してみました。
フロントは静まり返っており奥の窓から朝もやの山々が見えます。
スイートの送迎車と思われるロールスロイス・カリナンの姿も。奥に朝日と湯けむり。
少し山を下ると小規模な露天風呂も見えてきました。昼間は賑わいそうですが早朝なら当然人の姿はなく、滔々と上記の噴き出る音だけが響き渡ります。
周囲には野良温泉とでも言うのか、露天風呂にもならない小さな源泉があちこちに見られます。
30分ほど散策してホテルに戻り、朝食の時間です。
予約した名前を告げるとスタッフにエスコートして頂けます。もちろん空いているのでブッフェの各コーナーを巡りながらおすすめの紹介も戴きました。テーブル席も良いのですがせっかくなのでテラス席に行ってみました。夏場は暑いですよと忠告戴いたのに…
席に着くとコーヒーか紅茶そして卵料理の注文が出来て、席まで持ってきてもらえます。
卵料理はエッグベネディクト、別府は冷麺が名物らしく小皿で頂けました。オープンテラスで朝日を浴び、鳥や虫の鳴き声を聞きながらの朝食はなかなか贅沢な時間です。
ポイント宿泊で朝食は別料金だったのですがこれで5000円。バイキングエリアも勿論種類豊富なのですが、ここは雰囲気を味わう場所かなと思いました。
テラス席から海側を見渡すとプールが見えます。9時過ぎると傘が開きチェックアウト前に少し入ることができました。天国。
チェックアウト時間を事前に伝えるとJR別府駅まで送迎車を用意してくれるようです。
おいそれと手が出せない価格ですが思わぬポイント特典で泊まるチャンスに恵まれました。価格相応の価値があるかは分かりませんが、今までにない異次元の滞在ができたことは確かです。