COVID-19情報:2023.11.30

皆様

本日のCOVID-19情報を共有します。

本日の論文は、LANCET系より5篇、Natureより1編です。

1編目は、重篤なCOVID-19の高リスクにあり、ワクチン接種に対する反応性が低い腎移植レシピエント(KTR: Kidney transplant recipients)において、連続的なワクチン接種が免疫と防御をもたらすかどうかを検証した血清学的誘導介入研究です。ブーストワクチン接種により、ブレークスルー感染で拡大する可能性のあるスパイク特異的免疫を誘導することができ、この脆弱な集団を保護するワクチン接種の有益性が強調されました。
2編目は、COVID-19生存者の3年間の健康転帰とオミクロン再感染の影響を調査することを目的とした中国の単一施設の縦断的コホート研究です。3年後のLong COVID症状のほとんどは軽度から中等度であり、肺機能はマッチさせた対照群のレベルまで回復していました。
3編目は、Long COVIDのメカニズムが明確に理解されていない中、COVID-19の長期的な結果に影響を与える基礎バイオマーカーを同定することを目的としたコホート研究です。COVID-19生存者181人とマッチさせた健常対照者181人の血漿709検体のプロテオミクスをプロファイリングした結果、生物学的プロセスの4つの主要な回復様式が示されました。
4編目は、SARS-CoV-2に対して強力な活性を有する経口抗ウイルス薬であるVV116を、軽度から中等度のCOVID-19患者における有効性と安全性を検討するために、第3相試験でプラセボと比較した研究です。軽度から中等度のCOVID-19患者において、VV116はプラセボと比較して臨床症状が持続的に消失するまでの期間を有意に短縮し、安全性に関する懸念は認められませんでした。
5編目は、1年以上にわたるSARS-CoV-2の突然変異の動態と選択的適応を、ワクチンの状態、ウイルスの系統学、関連する臨床的および人口統計学的変数との関連において特徴づける事を目的とした横断的研究です。デルタの波ではブースターワクチン接種が実施されましたが、ブースターによるブレークスルー感染とSARS-CoV-2の再感染はほぼオミクロンのみでした。

NatureはNews Watch記事から、中国で小児に感染拡大している肺炎に関する記事です。

報道に関しては、中国の小児に流行している肺炎に関して、どうやら正体はマイコプラズマ肺炎で、重症化しているのは免疫負債の影響であるということのようrす。今回、東洋経済の谷本徹也先生が丁寧にまとめてくださっていますので、必読です。

高橋謙造

1)論文関連      
LANCET
Hybrid and SARS-CoV-2-vaccine immunity in kidney transplant recipients
https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(23)00399-7/fulltext
*重篤なCOVID-19の高リスクにあり、ワクチン接種に対する反応性が低い腎移植レシピエント(KTR: Kidney transplant recipients)において、連続的なワクチン接種が免疫と防御をもたらすかどうかを検証した血清学的誘導介入研究です。
セロコンバージョンに失敗したKTR患者に再ワクチンを接種し、ノルウェーのワクチン接種プログラム後のKTRのセロコンバージョンをモニターしました。2回目(n = 432)から6回目(n = 37)のmRNAワクチン接種後までのIgG抗RBD Spike反応を分析しました。3-4回ワクチン接種後の介入コホート(n = 30)において、Spike特異的T細胞およびB細胞応答の頻度と表現型を評価しました。さらに、ブレークスルー感染に対する特異的T細胞およびB細胞応答を評価し(n=32)、炎症性サイトカインおよび広範な交差中和抗体を測定し、COVID-19関連の入院および死亡の発生率を定義しました。ノルウェーのKTRコホートは男性優位であり(男性2323人、女性1297人)、PBMCは男性114人、女性78人のドナーから採取しました。
ワクチン3回接種後、ほとんどのKTRはSpike特異的T細胞応答を発現しましたが、Spike結合B細胞は有意に減少し、メモリー細胞は少ない状態でした。B細胞応答にはオミクロンVOCと結合できる交差反応性サブセットが含まれ、ブレークスルー感染(BTI)後に拡大し、メモリーIgG+ B細胞応答を生じました。BTI後、KTRはスパイク特異的T細胞が増加し、スパイク以外のT細胞およびB細胞応答が出現し、全身性の炎症徴候がみられました。遅発性セロコンバージョンは5-6回接種後に生じましたが、KTRの38%(14/37)は複数回接種後でも検出可能な免疫がありませんでした。
ブーストワクチン接種により、ブレークスルー感染で拡大する可能性のあるスパイク特異的免疫を誘導することができ、この脆弱な集団を保護するワクチン接種の有益性が強調されました。

3-year outcomes of discharged survivors of COVID-19 following the SARS-CoV-2 omicron (B.1.1.529) wave in 2022 in China: a longitudinal cohort study
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(23)00387-9/fulltext
*COVID-19生存者の3年間の健康転帰とオミクロン再感染の影響を調査することを目的とした中国の単一施設の縦断的コホート研究です。
2020年1月7日から5月29日の間に中国武漢のジンインタン病院を退院したCOVID-19確定症例の参加者を募集しました。参加者は、症状発症から6ヵ月後(2020年6月16日~9月13日)、1年後(2020年12月16日~2021年2月7日)、2年後(2021年11月16日~2022年1月10日)の3回、追跡調査を受けました(既報:Health outcomes in people 2 years after surviving hospitalisation with COVID-19: a longitudinal cohort study. COVID-19情報としては、2022.5.13に配信済みです)。1年後の追跡調査では、武漢の2つの地域からSARS-CoV-2感染歴のない地域対照を募集し、2年後には肺機能検査を受けたCOVID-19生存者とマッチング(1:1)させました。2022年冬のオミクロン(B.1.1.529)波の後、2023年2月23日から2023年4月20日まで3年間の追跡調査を行いました。COVID-19の適格生存者全員と2年追跡でマッチした地域対照者を病院の外来に招き、いくつかの対面式質問票、6分間歩行試験(6MWT)、および臨床検査を実施しました。入院中の疾患重症度スケールスコアに基づいて層別化サンプリングにより同定されたCOVID-19生存者のサブグループと地域対照が肺機能検査を受けました。COVID-19生存者のうち、高分解能CTを受け、2年後の追跡調査時に肺の画像に異常が認められた者を、再度評価に招待し、Long-COVIDの有無を確認しました。
主要転帰は、後遺症症状、オミクロン感染、肺機能、3年追跡時の胸部画像としました。
2年および3年の追跡調査を完了したCOVID-19生存者1359人のうち、728人(54%)が症状発現後3年およびオミクロン感染前に少なくとも1つの後遺症症状を有しており、その重症度は主に軽度から中等度でした。オミクロン波では、2年後にLong-COVIDが認められた参加者は、再感染(753人中573人[76%]、Long-COVIDが認められなかった606人中409人[67%]、p=0-0004)、肺炎(568人中27人[5%]、403人中7人[2%]、p=0-012)の割合が有意に高くなっていました。オミクロン感染から3ヵ月後、2年後にLong COVIDの生存者204人中126人(62%)に新たに発生した、または悪化した症状が認められ、この割合は非Long COVID群(205人中85人[41%];p<0.0001)および地域対照群(205人中81人[40%];p<0.0001)よりも有意に高く、非Long COVIDのCOVID-19生存者とマッチさせた地域対照群(205人中85人[41%] vs 206人中81人[39%];p=0.66)との間に有意差はありませんでした。再感染は、3年後の呼吸困難(オッズ比1.36[95%CI 1.04~1.77];p=0.023)、不安障害またはうつ病(OR 1.65[1.24~2.20];p=0.0007)、EuroQol視覚的アナログスケールスコア(β-4.51[-6.08~-2.95];p<0.0001)の危険因子でしたが、日常活動量の低下(0.72[0.38~1.37];p=0.32)の危険因子ではありませんでした。3年後の生存者の肺機能は、マッチさせた地域対照者の肺機能と同様でした。3年後に不規則浸潤影、牽引性気管支拡張症、胸膜下線状影、すりガラス様陰影を認めましたが、肺病変の肺全体に対する容積比は0.2-0.3%に過ぎませんでした。
3年後のLong COVID症状のほとんどは軽度から中等度であり、肺機能はマッチさせた対照群のレベルまで回復していました。Long-COVID症状のある生存者は、Long-COVID症状のない生存者に比べ、オミクロン感染後3ヵ月で再感染および新たに発症または悪化した症状を有する参加者の割合が高くなっていました。再感染は症状の発現を増加させたましたが、日常活動の低下は増加させませんでした。COVID-19の生存者の臓器機能は時間の経過とともに回復しましたが、重度のLong COVID症状、臓器機能の異常、または運動能力の制限を有する者は、今後の臨床診療および研究において早急な対応が必要であるとの事です。

Probing long COVID through a proteomic lens: a comprehensive two-year longitudinal cohort study of hospitalised survivors
https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(23)00417-6/fulltext
*Long COVIDのメカニズムが明確に理解されていない中、COVID-19の長期的な結果に影響を与える基礎バイオマーカーを同定することを目的としたコホート研究です。
本研究の参加者は、2020年1月7日から5月29日の間に退院したCOVID-19生存者です。発症後6ヵ月、1年、2年の入院COVID-19生存者と年齢・性別をマッチさせた健常対照者の血漿サンプルのプロテオミクスをプロファイリングしました。Fold-changeが2以上または0.5未満、false-discovery rate adjusted P valueが0.05のものを、差次的に発現したタンパク質(DEPs)のフィルタリングに用いました。有意に発現が増加または減少したタンパク質のデータセットにおけるダウンストリーム効果を探索するために、インジェニュイティ経路解析を行いました。タンパク質をCOVID-19生存者の長期的結果と統合し、Long COVIDの潜在的なバイオマーカーを探索しました。
COVID-19生存者181人とマッチさせた健常対照者181人の血漿709検体のプロテオミクスをプロファイリングした結果、COVID-19群、対照群ともに114人(63%)が男性でした。その結果、生物学的プロセスの4つの主要な回復様式が示されました。細胞-マトリックス相互作用、細胞骨格リモデリング、肥大型心筋症、拡張型心筋症に関連する経路は、感染後1年未満で比較的早期に回復しました。免疫応答経路、補体および凝固カスケード、コレステロール代謝経路の大部分は、感染後2年未満で、マッチさせた健常対照者と同様の状態に戻りました。Fcレセプターシグナル伝達経路は、2年後の追跡調査でも健常対照と同様の状態には戻りませんでした。また、神経細胞の生成と分化に関連する経路は、感染後2年以上にわたって持続的な抑制を示しました。上記の経路から得られた98個のDEPのうち、11個のタンパク質で肺機能の回復と関連するエビデンスが認められ、その関連は2年連続または3回の追跡調査すべてで一貫していました。これらの蛋白質は主に補体・凝固経路(COMP、PLG、SERPINE1、SRGN、COL1A1、FLNA、APOE)と肥大・拡張型心筋症経路(TPM2、TPM1、AGT)に濃縮されていました。ニューロン経路とコレステロール経路の両方に関与する2つのDEP(APOA4とLRP1)は、嗅覚障害との関連を示しました。
本研究結果は、Long-COVIDの潜在的なメカニズムに関する分子学的洞察を提供し、Long-COVIDの負担を軽減するためのより正確な介入のためのバイオマーカーを提唱するとの事です。

Oral VV116 versus placebo in patients with mild-to-moderate COVID-19 in China: a multicentre, double-blind, phase 3, randomised controlled study
https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(23)00577-7/fulltext
*SARS-CoV-2に対して強力な活性を有する経口抗ウイルス薬であるVV116を、軽度から中等度のCOVID-19患者における有効性と安全性を検討するために、第3相試験でプラセボと比較した研究です。
この多施設共同二重盲検第3相無作為化比較試験は、中国の感染症病院および三次総合病院の成人を登録しました。対象患者は、順列化ブロック無作為化を用いて1:1の割合で無作為に割り付けられ、VV116経口剤(1日目は12時間ごとに0~6g、2~5日目は12時間ごとに0~3g)またはプラセボ経口剤(VV116と同じスケジュール)を5日間投与されました。無作為化の層別化因子には、SARS-CoV-2ワクチン接種の有無、重症COVID-19への進行の高リスク因子の有無が含まれました。組み入れ基準は、SARS-CoV-2検査陽性、試験初回投与3日前までにCOVID-19の初期症状が発現、初回投与24時間前までにCOVID-19に関連する対象症状のスコアが2以上であることでした。重症または重篤なCOVID-19を発症した患者、あるいは抗ウイルス薬を服用した患者は試験から除外されました。
主要エンドポイントは、2日間連続して臨床症状が消失するまでの期間としました。有効性解析は、VV116またはプラセボを少なくとも1回投与され、SARS-CoV-2核酸陽性と判定され、初回投与前にインフルエンザウイルス陽性と判定されなかった全患者からなる、修正intention-to-treat集団で行われました。安全性解析は、VV116またはプラセボを少なくとも1回投与された参加者全員について行われました。
合計1369人の患者が無作為に治療群に割り付けられ、1347人がVV116(n=674)またはプラセボ(n=673)を投与されました。中間解析では、1,229例の患者において、VV116はプラセボよりも臨床症状が持続的に消失するまでの期間を短縮する点で優れていました(ハザード比[HR]1.21、95%CI 1.04-1.40、p=0.0023)。最終解析では、1,296 名の患者において、プラセボと比較して VV116 が臨床症状消失までの時間を大幅に短縮し(HR 1.17、95% CI 1.04-1.33、p=0.0009)、中間解析と一致しました。有害事象の発生率は両群間で同様でした(674例中242例[35.9%] vs 673例中283例[42.1%])。
軽度から中等度のCOVID-19患者において、VV116はプラセボと比較して臨床症状が持続的に消失するまでの期間を有意に短縮し、安全性に関する懸念は認められませんでした。

Selective adaptation of SARS-CoV-2 Omicron under booster vaccine pressure: a multicentre observational study
https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(23)00409-7/fulltext
*1年以上にわたるSARS-CoV-2の突然変異の動態と選択的適応を、ワクチンの状態、ウイルスの系統学、関連する臨床的および人口統計学的変数との関連において特徴づける事を目的とした横断的研究です。背景として、高率のワクチン接種と自然感染によって免疫が促進され、ウイルスの適応が選択的に変更されますが、ドリフトしたウイルスに対処するために、更新されたブースターが設置されているものの、実際の状況において免疫圧が高まる中での適応進化に関するデータは不足していると言う課題があります。
2021年7月から2022年8月にかけてニューヨーク大都市部で5400人以上のSARS-CoV-2感染を調査した結果、デルタ株からオミクロン株BA.1-BA.5への進化的移行が描出されました。デルタの波ではブースターワクチン接種が実施されましたが、ブースターによるブレークスルー感染とSARS-CoV-2の再感染はほぼオミクロンのみでした。調整ロジスティック回帰分析では、BA.1、BA.2、BA.5は、BA.2.12.1やBA.4とは異なり、ブースト接種集団で共存する系統よりも有意に増殖優位でした。ブースターショットによる淘汰圧は、デルタスパイクでは拡散的な適応進化につながり、BA.2-BA.5スパイクでは受容体結合モチーフに焦点を当てた強い適応進化と対照的でした(Fisher Exact検定;部位ごとの非同義/同義変異率)。オミクロンでは収斂進化が一般的になり、免疫逃避、受容体結合、切断に重要なスパイクの位置が関与していました。
ブースターショットは免疫のギャップに対処するために必要であり、その差別的な免疫圧はその有効性に寄与しますが、選択的なウイルス適応過程の監視も必要です。オミクロンBA.2およびBA.5は、ブースターワクチン接種の圧力下で選択的優位性を持ち、2023年に優勢となるBA.2およびBA.5の亜型および組換え型の進化に寄与しました。

Nature
What’s behind China’s mysterious wave of childhood pneumonia?
https://www.nature.com/articles/d41586-023-03732-w
*NatureのNews watch記事から、中国で小児に感染拡大している肺炎に関する記事です。世界保健機関(WHO)は先週、入院患者数の急増の背景には、新たな病原体ではなく、冬によく見られる感染症があると発表しています。
◯冬の感染症の急増が予想されていた、COVID-19の規制が終了した後の中国
・ WHOは11月23日付の声明で、中国の保健当局は10月以降の入院患者数の増加について、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス(RSV)などの既知の病原体が原因であるとしている。しかし、5月以降、特に北京のような北部の都市で入院する子供が増えているのは、主に肺に感染する細菌であるマイコプラズマ肺炎によるものであるとしている。
・疫学者によれば、中国では肺炎の有病率が高いのは珍しいという。
・他の国々でCOVID-19の規制が緩和されたときは、インフルエンザとRSVが病気の急増を牽引することがほとんどだった。
◯典型的な "冬の急増 "
・香港大学の疫学者であるベンジャミン・カウリングによると、急性呼吸器感染症の典型的な "冬の急増 "との事であり、「おそらく3年間にわたるCOVID対策の結果、呼吸器感染症にかかりやすくなったためだろう」との事である。
・ マスク着用や渡航制限などのパンデミック対策が緩和された後の最初の冬に、一般的な呼吸器疾患が回復するのは、他国でもよく見られるパターンである。2022年11月、米国でインフルエンザで入院した人の数は、2010年以来、その時期の最高を記録した。
・ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの計算生物学者フランソワ・バルーによると、「COVID-19の蔓延を遅らせるために実施された全国的な封鎖やその他の措置は、季節性病原体の流通を妨げ、人々にこれらの微生物に対する免疫を蓄積する機会を与えることになった。中国は、地球上のどの国よりも遥かに長く苛酷な封鎖を経験したため、このような "封鎖解除 "の波は中国でも相当なものになると予想された」との事である。
◯他の国とは異なる中国での流行
・COVID後の冬にインフルエンザやRSV感染に悩まされた国はあったが、中国ではM.pneumoniae感染が一般的だった。細菌感染症は日和見感染することが多く、ウイルス感染の後に定着することが多いので、これは驚くべきことである。
・この細菌による肺炎は通常、マクロライド系と呼ばれる抗生物質で治療されるが、これらの薬剤に頼りすぎた結果、耐性菌が発生してしまった。研究によれば、北京におけるM.pneumoniaeのマクロライドに対する耐性率は70%から90%である。
・オーストラリアのUNSWシドニーの呼吸器内科医、クリスティン・ジェンキンスによれば、中国は国の疾病監視システム、診断テスト、感染を阻止し死亡を防ぐための対策が整ってきているというが、たとえ既知の病原体による感染であっても、深刻な感染症が発生するリスクを最小限に抑えるためには、その病原体を注意深く追跡することが重要であるとの事である。

2) 治療薬、 ワクチン関連       
国内     
第一三共コロナワクチン承認 厚労省、12月上旬から配送:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA280X30Y3A121C2000000/
*「武見敬三厚生労働相は28日の閣議後の記者会見で、第一三共が開発した新型コロナウイルスワクチンを承認したと発表した。オミクロン型の派生型「XBB.1.5」に対応する。12月4日の週から配送を始め、2023年度末までの無料接種に活用する。国産コロナワクチンでは初の実用化となる。
厚労省は既に第一三共と140万回分のワクチン購入で合意している。同省は年度内の接種用に米ファイザー社、米モデルナ社と計4500万回分を確保しているため、両社より少ない第一三共ワクチンが打てる機会は限られる見通しだ。」

新生児用のRSウイルスワクチンを承認へ 妊婦に接種、肺炎を予防
https://www.asahi.com/articles/ASRCW655YRCWUTFL002.html
*「新生児や乳児の重い肺炎を防ぐための、妊婦向けのRSウイルス(RSV)ワクチンについて、厚生労働省の専門家部会は27日、国内での製造販売承認を了承した。高齢者向けワクチンは9月に承認されていたが、新生児や乳児用はなかった。
 了承されたのは、米ファイザー社のワクチン(販売名・アブリスボ筋注用)。2月に国内で製造販売承認の申請がされていた。米国では8月に承認されている。」

「工場の血管」ホースのトヨックス、ワクチン生産用参入:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC228HE0S3A121C2000000/

海外     

治療薬      

3)診断・検査、サーベイランス関連
変異株     

Long COVID

国内        
長野:新型コロナ512人感染 直近1週間の定点医療機関、前週から増加
https://www.asahi.com/articles/ASRCY7GR2RCYUOOB001.html

海外     
「中国の肺炎拡大」免疫低下以外に懸念される要因
https://toyokeizai.net/articles/-/718099?page=2
*「真っ先に考えられる理由は、2019年末にパンデミックが始まって以降、中国は初めて新型コロナの制限措置がない本格的な冬を迎えていることだ。
すでに新型コロナの制限措置を緩和していた中国以外の国でも、緩和後にはインフルエンザやRSウイルスが増加している。これと同じことが中国で起こっているのだ。」

中国で呼吸器疾患急増、小児科に患者殺到し診察8時間待ちも…「ゼロコロナ政策」で免疫力低下が一因か 
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20231127-OYT1T50191/
*中国などで拡大、謎の小児疾患の正体は「歩く肺炎」か 
https://forbesjapan.com/articles/detail/67589
*中国、子供の呼吸器疾患が急増 WHOが報告要請
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM271HP0X21C23A1000000/
*「中国保健当局によると高熱やせきが出るマイコプラズマ肺炎が5月から流行。10月にはインフルエンザやアデノウイルスの感染拡大も始まったという。「ゼロコロナ政策」で人々の免疫力が低下したことが感染拡大の一因とみられるという。
遼寧省瀋陽の小児科には25日、患者と家族ら200人以上が押し寄せた。処置室が足りず、受付や廊下は、せきこみながら点滴を受ける子どもたちであふれた。
青白い表情をした男児を抱え、母親が「早く私の子どもを診て」と泣き叫びながら駆け込む姿もみられた。北京では診察まで8時間待ったケースもあった。」

クロアチアで百日ぜき流行、反ワクチン運動拡大で予防接種率低下
https://sp.m.jiji.com/article/show/3110485
*「クロアチアの国立公衆衛生研究所は29日、封じ込めに苦労している百日ぜきの流行について、新型コロナウイルスの流行以降の反ワクチン運動の拡大に伴い、他の感染症に対するワクチンの接種率も低下しているのが一因だと指摘した。
同研究所によると、クロアチアの百日ぜき報告数は近年、年間50例程度で推移してきたが、今年はこれまでに1100例以上が報告され、過去10年間で最多となっている。」

4)対策関連
国内      

海外       

5)社会・経済関連     
医療保険、現役世代と高齢者で格差拡大 20年で3.6倍に:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA14BDP0U3A111C2000000/
*「厚生労働省は24日、医療経済実態調査を発表した。診療報酬を決める際の要素の一つになるもので、年末に向けた改定議論が加速する。
個人の診療所の利益率は新型コロナウイルスの補助金を含めると22年度に33.2%と、前年度から0.8ポイント改善した。医療法人の診療所は9.7%だった。運営経費との見合いで報酬が手厚いことが要因だ。」

コロナ協力金を過大計上か、外食チェーン・フジオフードに1200万円の課徴金勧告 
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231128-OYT1T50168/

忘年会シーズン到来、コロナ前より予約入る店も…若手「一度行ってみたかった」・在宅勤務者「交流したい」 
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231128-OYT1T50109/


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