【農】アミノ酸
概要
はじめに
医療または人体生理学や食用のためではなく、植物と有機肥料(ぼかし肥料)を製作に使用するために調べ集めたものをまとめたメモ書きです。
内容は今後も添削や変更する可能性があります。
アミノ酸とは
アミノ酸はアミノ基とカルボキシ基から構成されている有機化合物です。
生物の構成成分であるタンパク質はこのアミノ酸から出来ています。タンパク質の最小単位がアミノ酸です。酵素もタンパク質から構成されており、タンパク質は水の次に多い生体成分です。
また、タンパク質の構成成分としてだけでなく、アミノ酸はそれ自体が生物細胞の生合成に機能すると考えられています。
植物のアミノ酸の役割
植物のアミノ酸の吸収過程
土壌有機物は土壌微生物によってまずアミノ酸などに分解されます。
アミノ酸から更に分解が進むとアンモニア態窒素に無機化されて、硝化作用によって硝酸態窒素へと変化していきます。
一般的に植物は無機態窒素であるアンモニウムイオン*1か硝酸イオン*2のかたちで窒素を吸収しています。
酸素の少ない還元土壌で生育する植物はアンモニウムイオン*1を、酸素の豊富な土壌で生育する植物は硝酸イオン*2を主に吸収しています。
植物は硝酸イオン*2を吸収すると植物体内で再びアンモニウムイオン*1に還し、アンモニウムイオン*1からアミノ酸を合成してタンパク質として利用するという過程が基本的とされています。
植物がアミノ酸を形成するまで
植物は、土壌中のアンモニウムイオン*1や硝酸イオン*2を取り込んでいます。硝酸イオン*2は、植物の体内で還元酵素によってアンモニウムイオン*1になります。
アンモニウムイオン*1は、植物の体内に蓄積され、植物内のグルタミン酸と反応することによって、グルタミンになります。
グルタミンは、植物内のケトグルタル酸と反応することによって、グルタミン酸とケトグルタル酸に2分子合成します。
グルタミン酸は再びアンモニウムイオンと合成しグルタミンになり、もう1分子の合成はグルタミンからケトグルタル酸に合成される過程でアミノ基が作られます。
(アミノ基はあくまで官能基なので、まだアミノ酸ではありません。)
アミノ基は、有機酸と結合することによってアミノ酸になります。
アミノ酸は、カルボキシル基(カルボキシ基) とアミノ基という共通構造をもっています。
アミノ基と結合する有機酸とは、アミノ酸の構造式において四角で囲まれた、アミノ基を除いた部分を指します。
有機酸とアミノ基により合成されたアミノ酸はペプチド結合を形成し、最終的にタンパク質になって利用されます。
また一部の植物は無機態窒素だけではなく窒素源としてアミノ酸を直接吸収します。
植物がアミノ酸を直接吸収することはアンモニウムイオンの中のアンモニア態窒素からアミノ酸を合成する過程を省略できるためエネルギー消費効率化の観点から生育に対する影響があると考えられています。
また、有機質肥料の施用によってアミノ酸が土壌へ一定量供給すると、植物はアミノ酸を微生物と競合することになりますが、植物のアミノ酸吸収能力が高いため微生物よりアミノ酸を得ることが示唆できると報告されています。
更に有機質肥料を施用すると有機質肥料由来の土壌アミノ酸組成に一旦は変化するが数日後までには土壌微生物の代謝によって有機質肥料を施用する前の元のアミノ酸組成に戻るとされています。
*1 アンモニウム態窒素は、アンモニウムイオンの中の窒素成分のうちアンモニウム塩であるものをいう。
*2 硝酸態窒素は、通常は硝酸イオンに金属が結合した硝酸塩/酸化窒素の形で存在しているが、このうち ″ N ″ の部分だけをとって硝酸態窒素という。また硝酸態窒素は通常、窒素化合物の酸化によって生じる最終生成物です。
アミノ酸肥料
アミノ酸は植物への吸収が早く、速効性が高いと考えられています。 低温・高温・霜・乾燥・日照不足・長雨・病害虫などの障害が発生した際の回復促進や、作物の抵抗力の増加の効果が見込めます。
アミノ酸はうまみの向上するとされています。
別記事 【農】アミノ酸の種類 でも述べていますが植物は全てのアミノ酸を合成する事ができます。そのアミノ酸を肥料として直接与えることで、植物がアミノ酸を合成する運動量を消費する事がなくなるので葉や果実のうま味の向上が期待できると考えられています。
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