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とりあえずやってみたけどさ

鍼灸マッサージ師として個人事業主となって10年程度でしょうか。独立したいという訳でもなく、しかし、結婚を機に少しでも収入を何とかアップしなければ思い高齢者を対象に訪問専門で始める形を取りました。完全に独立する勇気もないので、所属する会社にお世話になりながら(アルバイト)赤字をひたすら垂れ流しながら継続してきました。

開業当初、妻の仕事が介護関係という事もありそのコネクションを使って比較的スムーズに集患できていました。完全に妻のおかげです。頭があがりません。自分でも営業活動しなければとチャレンジするも、もうそこは既にレッドオーシャン。入る隙間なんて無計画で行き当たりばったりの人間にありません。そこに営業活動なんかやった事がないど素人の無口な愛想のない鍼灸マッサージ師が緊張した面持ちでケアプランセンターへ行くわけですよ。名刺と資料を携え、噛み様降臨と言わんばかりに自分の名前すらもカミカミで。何故か分かりませんが「こんにちは」と言って玄関口に入っただけでいきなり怒鳴られたりした事もありました。めんどくさいなと言わんばかりの表情で対応される事は常です。

新しい患者さんを獲得する事は簡単ではありません。自分で獲得した患者は殆どおらず妻の恩恵を受けて今まで継続してきました。経営という側面からみたら全く成り立っていません。恐ろしいくらいです。

でも、やってみて良かったなと思う事は幾つかあります。鍼灸マッサージ師は3年間専門学校に通い国試をパスして晴れて仕事ができる様になります。どうしても技術的な部分や知識を得る事に一生懸命となってしまいがち。腕さえあれば生活していけるとばかり思っていました。技術的な部分はもちろん必要ですが、患者として施術を受けてくれる人がいなければ成り立たない。それに多くの患者さんをこなさければ技術向上なんてあり得ないのです。そんなこんなで新しい患者さんを獲得し続けなければならないという事に気づいたのです。無知過ぎて自分のバカさ加減に震えがもう止まりませんでした。

他にもケアマネジャー、ドクターなど外部の人達と連携するので社会人としてのマナーや文書の書き方、依頼の仕方、ご家族への配慮、電話対応、クレーム対応など基本的な部分の欠如が浮き彫りになるという自分の不甲斐なさをまたもや露呈し今に至ります。

良く言うならばこういう事を知れたというのが一つの収穫であり、また、心理的にかかる負荷を体験できたというのも良かったと思います。世の中の商売されている人、経営者の人達はどれほど精神的に強いねん❗️と思ってしまいます。

これらの事は社会に出たと同時に認識を深めながら身につけていくもの。いかにボンヤリと生きてきたかという事を噛み締めながら振り返っています。

結局、何が言いたいかと言うと上手くいかなくとも得られるものはありますよとマイナスばかりではない。

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