面倒くさい→恐れ
面倒くさい。私は生まれ持った性格と環境がレゴブロックの様にカッチリと合わさり、真面目だと周囲に認識されることが多い。幼少期、頻繁に怒られる経験をし、当時、なぜ怒られているかわかない子供でした。母親は仕事の忙しさと人間関係で忙殺され常にイライラを家庭内に振りまく。帰宅時の母の玄関ドアの開け方でその日の機嫌を察知していました。溜め息混じりの澱んだ空気の中で食べる夜ご飯は味などするはずもなく、味噌汁をうっかりこぼそうものなら激しく叱責される。常に親の顔色を窺う子供の頃の私。保育園でもなぜか叱られ押入れに入れられたりしていたようです。はっきりせず、おとなしい性格で涙もろく、それでただ周りの大人のイライラを買っていただけなのか?
今となっては怒られない様に指示されたことはきっちりこなす事は得意となってしまいました。まさに無難にこなすといった感じです。周りの友人たちも「アイツは真面目」そういう認識だったように思われます。気楽に話しかけられるようなタイプではなかった。真面目さという観点で学級委員や部活ではキャプテンを任される事があり「皆んな真面目さというものを履き違えているよね」と心の中でTwitterが普及する数十年前からブツブツと呟きながら暗い思春期を経験し、私はただ怒られたくないので怒られない様にしているというだけ、決して真面目ではないということに ついては確固たる自信がありました。そういうポジションに就くと責任を 追求されるというと大袈裟かもしれませんがリーダーの素養がない私がリーダーとして色々な指摘や批判を受けたり、人との摩擦を避けて通れなくなります。私としてはとにかく、怒られたくないんです。怒られると心はささくれ立つし、反発したくなるし、不安定な状態になり気持ちが乱れます。それをどう処理して立て直して良いかわからない。引きずってしまう。そういう精神状態になるのがとにかく面倒くさいと思ってしまう。そんなこんなで人気関係を形成することに苦手意識を持つようになるというか形成しようとしない。こんな感じで私の性質の下地が作られてきました。
仕事の上でも、いつもクレームを受けたりしないか、ミスして怒られやしないかと怖がりながら生活している為、コンクリートのように固く緊張度の高い身体(筋肉)と、なかなか開かない重厚な扉のような心を手に入れました。これは、傷つかない様に、自分を守るためのあきらかな身体の防御反応ですね。根底に面倒くさいという気持ちがある為に新しいことにチャレンジするとか新たな環境を求めるなどのことは一切やらない。自分でもここまで酷い面倒くさがりな性格はある意味狂気だと思っています。
このままではまずい。この「面倒くさい」という気持ちが非常にものごとを進める上でポイント。この感情が常に邪魔をしている。この「面倒くさい」を乗り越えるために何か良い方法はないだろうか。
面倒くさいという感情は人との関係性の中に生まれたり、その他にも、わからないこと、未経験なこと、知らないことそういうものと出会った時にも生まれる。突き詰めていくとうまくいかないことに対する「恐れ」とも言えるのではないでしょうか。
生きていく以上、人と関わることは避けられないし、関わると大なり小なり良い事もそうでない事も起こり得る。初めてのことも、わからないことも当然あるしそこに面倒くささを感じる時もある。しかし、そういう場面に出会うことが生きていく上での醍醐味。不安感や嬉しい気持ち、揺らいでいる自分の心や変わりゆく日常を受け入れ、それに対応し、時には受け入れ難いことも許容しながらその時の気持ちを「味わっていく」事が大切なんじゃないか?と最近ふと思う。そこには気持ちの浮き沈みがあるだけ。上がったり、下がったりを繰り返すバイオリズム。生活が壊滅的になるわけではない。やはり面倒くさいの根本にあるのは「恐れ」。これはそう簡単になくすことはできないけれど「恐れることを恐れない」というか「恐れてもいいんだ」と肯定しながらそれすらもちょっと傍に携えた方が楽になるのではないかと。
この「面倒くさい」の感情をできるだけ抑えるためには、日常的に「小さな面倒くさい」を準備して耐性を養う。それには、「予定調和を嫌う」ことが一つの方法ではないかと思います。いつもと違う道を通る。起床時間を変える。食事の時間帯を微妙に変える。仕事のスケジュールを変える。あまり話したことのない同僚に話しかけてみる。日頃選ばない昼食のメニューを選んでみるなど日常の些細なことに変化をつけて、自分の心の動きを注意深く捉えつつ、それによって起こる小さなな違いというか「思ってたんと違う」で起こってくる「小さな小さな面倒くさい」を引き出すことで耐性がつくのではないかと思い日常に小さな変化をつけている。結局、こういう正解かどうかわからない地味な作業をやっている自分は真面目なんだと思う。とにかく文章を書くとか面倒くさい。
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