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すこし詩的なものとして

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言葉を書き留めていきます。
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#言葉

[すこし詩的なものとして]0149 冬空のもみじ

言葉が糸を引くように あなたの背中に垂れている 匂いは残像 懐かしい首元の香り 惹かれるよ…

ケンヨウ
4か月前
36

[すこし詩的なものとして]0130 ひなげし

どんなに理路整然と 頭の中で文法を入れ替えようとも 結局口から出るのは 誰にも何にも響きも…

ケンヨウ
1年前
20

[すこし詩的なものとして]0106 まだ見ぬ時のあなたへ

君は、きっと忘れているだろう。 僕が抱きしめてあげたことを。 君は、きっと忘れているだろ…

ケンヨウ
1年前
30

[すこし詩的なものとして]0105 君を行く

僕が知っているこの街は 西から東からいつでも 人が押し寄せる 夏風は 人々の頬をさらいなが…

ケンヨウ
1年前
35

[すこし詩的なものとして]0103 夜も更けて目が覚めて

ぼんやりと目が覚めた 視野の定まらない視界には 五感に感覚は灯らずに 夢のような不安定な現…

ケンヨウ
2年前
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[すこし詩的なものとして]0102 火曜日の朝、空は少し曇っていた

週末に見た、桃色に広がる空 どうしても美しく 夢の帳に映し出す 慌ただしい時計の針は 僕の…

ケンヨウ
2年前
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[すこし詩的なものとして]0101 雨の降り続く静かな午後に

どんなことにも驚かなくなった 1秒ごとに降り積もるゴミ山のように いつ燃え上がってもおかしくない 火の子が燻るこの心 癒えてはまた出来上がるアザに 僕の腕や足は少しずつ少しずつ 壊されていくのだろうか 大きな力はなんの役にも立たない 偉大な空に ただただ垂れ流しているだけだから どこかで今日も堪えきれない悲しみを 空から鳥が運んでくる 誰もそれに気づきもしない 知っていても議論をしない だから静寂だけが からっぽの街を包み込む 不安も驚きもないこの場所 世界は発作を

[すこし詩的なものとして]0100 あの日の僕には戻れない

覚めたばかりの夢を思い返すと やわらかな香りが鼻を引く 君の姿に映し出された光と影は 見る…

ケンヨウ
2年前
36

[すこし詩的なものとして]0098 4月をめざせば

たぶんもうすぐ終わる頃だろう プランAが過ぎ去って プランBだとか あの手この手で 終わりの道…

ケンヨウ
2年前
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[すこし詩的なものとして]0097 明け方に吹く風

空が白んできた もう夜は明けるだろう 少し思い返す 夜の瞬くイタズラな時を もう終わるんだ…

ケンヨウ
2年前
33

[すこし詩的なものとして]0096 月曜日、空は少し曇っていた

水色の空 灰色の空 どちらを選ぶかなんて難しい 頭を下げて もう一度空を見る どうしても行か…

ケンヨウ
2年前
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[すこし詩的なものとして]0095 行き先なんて誰も知らない

感情を押し殺すことにだいぶ慣れてしまった いいんだ 別に言いたいことなんて実はなかったり …

ケンヨウ
2年前
45

[すこし詩的なものとして]0094 遠くで聞こえる

妙に静かで 木の床をコツコツと鳴らしながら 人がひとりひとり吸い込まれていく 吐息と咳払い…

ケンヨウ
2年前
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[すこし詩的なものとして]0093 終わりの合図は鏡の奥に

自分という人間が 誰かに認められたいからと 死ぬことすら恐れずに 自分以外を殺したった止められない そんな何かに取り憑かれていくような 鏡に映る自分を 今にも壊そうとしている もう終わりにしよう でも 僕を見捨てないで欲しい 終わりのベルを鳴らさないで欲しい お願いだから 話す相手もなく 誰かに声をかけたって 結局は何も話せないまま 唯一の話し相手は 郵便配達員だけだ 今にもバラけそうな その手紙の束のように 僕の心もバラバラと それでもそこに座ったままで 街ゆく女性に目