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中国の歴史を題材としたマンガ

僕が歴史好き、しかも古代中国の歴史が何より好きになったのは僕の読書体験からくるもので、今日は歴史好きになるまでの過程で出会った中国の歴史漫画を紹介していきます。

キングダム

もはや大人気コンテンツになったので、今さら薦めるまでもないのだけど、この戦国時代から中国統一に至るまでの道のりを真正面から取り組んだのはほんと脱帽するしかない。キングダムから中国史に興味を持った人は多いだろうし、戦国七雄について知った人も多いだろう。

(僕の好きな国は斉。ちなみに趙、魏、韓の三国は元々晋という秦以上の超大国が分裂してできた国で別名三晋というのは豆知識)

そもそも始皇帝というのは中国史における最悪の君主の一人として数えられる人物で、それを肯定的にとらえた物語というのは、例えるならヒトラーを肯定的に描くみたいなものだ。

これは日本だからこそできたものとも言えるし、文化史的に見ても非常に興味深いことだな、と思うわけだけど、この悪役を善玉として描くというのはキングダムの作者の発明ではない。次に紹介する蒼天航路の曹操というのがまさに目から鱗のエポックメイキングな作品であった。

蒼天航路

李學仁(原作・原案)、王欣太(作画)というコンビで始まった本作。

これはまさに当時(1994年頃)の僕らにとって金槌でガーンと頭を割られるほどの衝撃を与えた作品だった。

当時はコーエーのゲーム三国志の影響もあって、おそらく空前の三国志ブームであった。おそらく30代から40代くらいの人はかなりの割合で三国志好きが隠れているはずである。

で、三国志といえば日本では吉川英治の『三国志』が聖典であったわけで、とどのつまり絶対的な主人公は劉備であり、諸葛亮孔明だったわけです。

もちろん、そんな中で曹操もどこか憎めないキャラとして生き生きと描かれていたし敵役として充分魅力的ではあった。

それを主人公に据えてここまで堂々たる作品に仕上げていくことには本当に頭が下がる。しかも途中からは原作・原案の李學仁氏が死去し、これからどうなっていくのかと心配もしたのだが、そこからも勢いが衰えることなく描き切った王欣太氏の筆力には感服しかない。

僕がこの作品で好きな部分は董卓と袁紹の描き方。

本来、二人ともそれぞれ嫌われる要素しかない人物なのだが、それを魅力的に脚色していて、蒼天航路のクライマックスとも言えるシーンを数々見せてくれる。袁紹が歌いながら戦場に現れるシーンは思わず歓声をあげてしまったほどであった。

三国志

中国の歴史物を読むなら、まずはここから読み始めなければならないと言っても過言ではない本作品。蒼天航路をより楽しむなら、順番的にはこちらの三国志から読み始めてもらいたい。

正史→異聞というのが面白いのであって、逆では知識が偏ってしまう。従来の解釈やイメージを覆すから新鮮な驚きやイメージを裏切られる喜びがあるのである。ちなみに本作は前述の吉川英治の三国志を忠実になぞっているので、どちらかを読めばいいともいえる(少々エピソードが省略はされて入るけれど・・)

60巻もあるから大変ではあるのだけど、中国の歴史漫画にどっぷり浸かるなら、ここから入るのが1番のお勧めである。スターウォーズ、どこから入るか論争にも似ているが、やはりスターウォーズはエピソード4から見て、ダースベイダーの物語を驚きと感動を持って受け止めるのがいいと僕なんかは思うのである。

やっぱり、劉備、関羽、張飛、趙雲、そして諸葛亮孔明といった登場人物たちの魅力をまずは味わって欲しい。ちなみに僕の推しキャラは姜維、そして黄忠でした。

項羽と劉邦

三国志と同じ作者、我らが横山光輝先生の項羽と劉邦。

こちらも我らが司馬遼太郎先生の項羽と劉邦を下敷きにした作品。

最初に出てきたキングダム後の秦の滅亡から漢の建国までの物語を二人の英雄の対比によって描き出した作品で、実は司馬遼太郎の項羽と劉邦は僕の中のベスト100には入る本。(ほんとは100まで絞りきれないと思う、、正直)

何がいいって、登場人物が格好いいのですよ。三国志もそうですが、物語の重厚さもあるけど、やっぱりキャラの格好よさにやられるわけです。

韓信とかほんと、好き。国士無双と言われる前の馬鹿にされている姿に、自分の姿を映さざるを得ないわけですよ。今に見ておれ、と。正直、これは司馬遼太郎版を読んでほしくはあるけど、漫画も本当に素晴らしいので、どちらも。

劉邦 赤龍王

項羽と劉邦の漫画といえば、この2つの作品はぜひ読んでもらいたい。

劉邦は土竜の唄の作者の作品で、マンガならではの大胆な描写が飽きさせず、作品世界の中に導いてくれる。

赤龍王はもはや古典になって忘れられた作品になってる気もするけど、本宮ひろしの描く虞美人と項羽は本当に素晴らしかった。

虞よ虞よ汝をいかんせん。

はっきり言って項羽の方が100倍格好いいですw

おわりに

長いだらだらした個人の感想にお付き合いいただきありがとうございます。僕の読書体験の基本は

同じ題材を読む 同じ作者を読む

この2点です。他にも紹介しそびれた中国史に関連するマンガもまだまだあるとは思いますが、この辺で。(了)





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