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No.23 登場人物⑤ konore/今給黎明子/西脇一弘さん/鈴木慶一さん 編

konoreとは「超大陸パンゲア」という音楽ユニットをやっている。
お互いなんやかんや忙しくなってしまい今はほとんど活動をしていないのだが、元々「ゲーム感覚で、力の入っていない音楽をやりたい」という価値観を共有した上で生まれたユニットである。

お互いが忙しいのであれば、無理にスケジュールをぶちあけて活動したりはしない。
取り立てて「活動休止」だとか、そういう大げさなこともしない。

詭弁のようだが、動いていない、ということもまた超大陸パンゲアにとって健全な活動の一つだ。
世の中にそういうなまけた音楽が少しくらいあった方が良いと思っている。

今回久々にkonoreの元にヘルプを要請した。
というのも、福永のHP「福info」を作ってくれたのはkonoreなのである。
彼女は非常にセンスが良い。音楽だけでなく、ヴィジュアルや言葉、感性、選びとるものが一々「らしい」ものばかり。
なので、安心してお任せしてしまった。
福永はどうもヴィジュアルに本質的に興味がない。
楽器を鳴らして、音をいじっていればそれで満足してしまうところがある。
その結果どうなったか。今更になって、HPのいじり方が全然わからなかったのである。

今回リリースに向けてHPを大改編したくなったものの、操作方法がまるでわからなかった。
懇切丁寧に操作方法を教わり...というか思いっきり作り直してもらった。
感謝、しか出てきません。ありがとうございました、というか、すいませんでした。
いや、ありがとうございました。

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今給黎明子といえばaireziasのあっこさんのことである。
垂水佳菜さんに撮って頂いたアーティスト写真と、新しくできたHPを見比べながら思ったのである。
「ヘッダー画像にリリースインフォが書いてあったらどんなにか良いだろう」

ところが先述の通り全然ヴィジュアルに疎い福永は
画像に文字をのせるという行為はどのようになされるものなのかがわからなかった。

あきこはaireziasでフライヤー制作を担当してくれているほか
時折外部でもそういった仕事を請け負っているようだ。
あきこにラインをすると「しっかたねーなあ、いいだろう」という感じで引き受けてくれた。

なんなら画面共有で通話をつなぎながら一連の作業を見せてくれた。
良いフォントを選び、さっと文字情報を書き上げ、場所や大きさ・文字の色・濃度などを吟味して
ものの30分で仕上げてしまった。ほえー。
福永がとても良い、何にもいうことがない、と言うと
「福永はもっとめんどくさいかと思ったら意外と早く終わってよかった」と言っていた。

どこかに記名しますか?ときいたら
「それみんなにきかれるんだけど、別に書いてあってもなくてもどっちでも良い」
とかなんとか言っていた。
彼女はとんでもなく欲がない。
「良いものが作れたらあとはなんでも良い」のだ。
村娘のような飾らない歌と演奏に強く惹かれてaireziasメンバーにオファーした経緯があるのだが
その源泉は揺らぐことなく、今回の画像編集にも発揮されていた。

以前欲のない姿勢をほめてみると「自分じゃよくわかんないし全然嬉しくなーい」と言っていた。
自己評価が地の底を破るほど低いのである。
「トトロのお父さんは糸井重里さんが声優業の人じゃないからこそ素朴で良い、みたいな、あの感じだよ」と伝えると
「えっじゃあめっちゃ良いじゃん」と突然心を開いて喜んだ。


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西脇一弘さんと出会ったのは超大陸パンゲアのライブにて。
西脇さんとポコペンさんのユニット「sakana」と対バンさせて頂いた時だったはずだ。
ヴィンテージの赤ワインのような、濃密で、それでいて語りすぎないプレイングに感動して
終演後、少しお話しさせて頂いたのだったと記憶している。
西脇さんが「面白いペダルがある」とお話ししていたディレイを
そのあと買って、実は今でも常用している。

そうして繋がった後、彼がfacebookに投稿するイラストの数々に魅了されることとなる。
彼はギタリストでありながら、画家だったのである。
西脇さんの絵、イラスト、ブログの語り、お会いした際の喋り方、ギターには一貫したムードがある。
そしてそれは、こう、一言で言い表すのが難しい。体感してください、としかいいようがない。

すっかり惚れ込んでしまった福永は、このアルバムの制作半ばにもう決めていた。

「アルバムジャケットは、西脇一弘さんにお願いしよう。」

なんなら「ギリギリ知り合いかも?」くらいの状態である。
今思えばメッセージを無視されたとしても全くおかしくない状態だったはずなのだが
驚愕するほど低い姿勢でもって、福永の依頼をご快諾して下さった。
その上で、具にイメージを汲み取り、極めて丁寧に取り組んでくださり、版画に近い手法を用いて
えもいわれぬ素晴らしいアルバムジャケットを仕上げて下さった。

それがこちらだ。

福永健人_No.23_ジャケット


実を言うとこれ以外にも数パターンを提出して下さった。
それも、福永がお願いしたわけではないのに、である。
お好きなものを選んで頂いて結構ですよ、と。

今回のリリース、「このイラストがあちこちに表示されることになる」という事実だけでも
福永はとても嬉しい気持ちになれる。
版画...なるほどなあ。。見れば見るほど惹き込まれる。
これほどこのアルバムに似合うジャケットって、他にはありえなかったのではないかと思っている。

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突然の鈴木慶一さんの登場に驚く方もきっと少なくないだろう。
泣く子も黙るムーンライダースの、あの鈴木慶一さんのことである。
みなさまも驚くでしょうが、一番驚いているのは福永の方である。

konoreがメンバーとして活動しているバンド「Controversial Spark」の発起人がまさしく慶一さんであり
そのご縁で時折お話しさせていただいたり、ご連絡させていただいたりしている。

慶一さんといえば印象的なのが、とある打ち上げの席での話。
マネージャーさんが近くにいないことを確認した上で、数年前の福永青年に向かってこう耳打ちした。
「音楽もサッカーも同じ、私にとっては遊びだからね、こんなこと言うとマネージャーさんには怒られちゃうかもしれないけど」
折しも二十代半ば、周りの友達は売れるか、辞めるか。
売れてもいないのに音楽活動をし続ける、なんて人間がガンガン減っていく中で
福永はどちらに振り切ることもできず、所在なく、過去一番悶々として過ごしていた。
そういうオーラが無自覚に漏れ出ていたのだろうか。
「遊びだからね」
タイミングも相まって、忘れられない一言となっている。
どのようにして察したのだろう。

今作が出来上がった際に慶一さんに音源をお送りした。
こんなのは殆どDMみたいなもので、通常はゴミ箱フォルダに葬り去られてもおかしくないと思うのだが
きちんと聴いてくださって、しかも気に入ってくださって
果てはコメントまで下さったのである。
音楽愛の底知れなさ…。
ひっそりと超大陸パンゲアのライブを見に来て下さったこともある。
その日のお客さん、10人くらいだった気がする。普通はそんなことって、できないと思うんです。
そういったエピソードを、慶一さんをよく知る人に話したりすると、返答は決まってこうだ。
「ああ、慶一さんは、そういう人だよねえ!」

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2021.06.23リリース
福永健人1st EP「No.23」
様々な形で参加してくださった、konore、今給黎明子、西脇一弘さん、鈴木慶一さんの紹介でした。

ありがとうございました!

No.23特設ページはこちら

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「No.23」セルフライナーノーツ(全曲解説、制作エピソードなど)



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