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祝 東京ヤクルトスワローズ 日本一!!!

タイトルはひねりません。

ようやく掴んだ日本一。
前回の日本一からは実に20年の年月が流れ、日本シリーズに進出したのも2015年以来6年ぶり。

思えば2001年も下馬評はバファローズ有利の見方が多かった(らしい)。当時のバファローズは、中村紀洋、タフィー・ローズを中心とした超強力打線。狭い神宮球場では、打撃戦になることが予想され、打力で上回るバファローズに分があるとされていたようだ。

しかし、始まってみれば4勝1敗でスワローズが日本一の栄冠を掴んだ。第1戦の先発・石井一久が8回無失点に抑える快投で始まり、入来智、前田浩継の他球団を戦力外になった選手の活躍、副島孔太の代打決勝ホームラン、ケガを押して出場しMVPを獲得した古田敦也の奮闘、などなど投打でバランスの良さを見せつけた。

日本一が決まる第5戦のゲームセットの瞬間は、代打の藤井彰人のキャッチャーフライを古田敦也が掴み、右手で高くボールを掲げた。
客席に投げ入れた!?と思ってテレビの前で驚いたことをよく覚えている。
胴上げ投手は、高津臣吾。この年は自己最多の37セーブを挙げている。この日本シリーズでも2度登板し、いずれも無失点。大舞台にはすこぶる強く、通算4度出場した日本シリーズでは点を取られていない。

2015年は、前年の日本一チームであるホークスとの対戦となった。私もヤフオクドーム(当時)のビジター応援席で、第1戦と第2戦を現地観戦したが、ホークス打線の繋がりに圧倒された。

李大浩や松田宣浩は言わずもがな、明石健志や福田秀平といった伏兵たちも躍動。とにかくスキがなく、なすすべがなかった。先発に武田翔太、リック・バンデンハーク、抑えにはデニス・サファテが座るホークス投手陣の前に攻撃の糸口が見出せず、パリーグとの力の差をまざまざと見せつけられたシリーズとなった。
それでも第3戦で、この年トリプルスリーを達成した23歳の山田哲人が、日本シリーズ初となる1試合3打席連続本塁打を放ってみせ一矢を報いた。

そして2021年。月日が流れるのは早い。
20年前の胴上げ投手となった高津臣吾が監督を、6年前チームの希望の星となった山田哲人がキャプテンを務めている。

このシリーズでは若い世代の活躍が目立った。第1戦では2年目20歳の奥川恭伸が好投し、24歳の高橋奎二は日本シリーズの大舞台でプロ初完封を達成。4番には21歳の村上宗隆が座り、2本塁打を放ってみせた。この日本シリーズを経験した選手たちが、来年以降チームの柱となって活躍する姿に想いを馳せると高揚感で胸がいっぱいになる。

また、若手だけではなくベテラン勢の活躍も見逃せない。
接戦が続いた今回の日本シリーズ。第6戦も1-1のまま延長戦に突入し、ビジター応援席に座る私が翌日のホテルの予約を考え始めた12回2アウト。最後に決めたのは、燕のプリンス・川端慎吾だった。フルカウントからの7球目を、レフト前に落とし日本一をグッと手繰り寄せた。
誰もが認めるバットコントロールを持つ6年前の首位打者も近年は怪我に苦しみ、本来の姿とはかけ離れた打撃が続いた。2020年のシーズン終了後には、若手が主体となるフェニックスリーグへ参加を志願し、背水の陣で迎えた2021年。代打としてシーズン記録に迫る30安打、打率.372、出塁率.419という圧巻の成績を残し、「代打の神様」として見事復活を果たした。

第4戦に登板したのは、プロ20年目の41歳石川雅規。パリーグにいないタイプの投手であることも手伝ってか、ストライク先行のピッチングで6回を3安打に抑え自責点はゼロ。日本シリーズ初勝利を掴み、6年前の雪辱を果たした。
現役最多の177勝を挙げているが、日本一になった2001年のドラフトで入団した為、日本一の経験はない。2020年のレギュラーシーズンの成績は、2勝8敗防御率4.48。序盤で崩れる試合も多く、正直もう厳しいか…という印象を感じていた。今季は、打線の援護がない試合もあり4勝に留まったが老練なピッチングで、ほとんどの登板で試合を作った。名球会まで、残り23勝。
なんとしても到達して欲しい。

最後にもう1人。
2005年、2010年と2度のシーズン200本安打を始め、数々の記録を打ち立てたスワローズのレジェンド・青木宣親だ。日本シリーズでは、打率こそ.200だったものの第2戦では、宮城大弥から決勝のタイムリー。第3戦ではサンタナのホームランの足がかりとなるヒットを放つなど要所での活躍が見られた。
2018年にスワローズへ復帰した際には、「やり残したことはヤクルトで優勝すること」と語り、この4年間ことあるごとに優勝への思いを口にしてきた。それだけに喜びは一入だろう。リーグ優勝の際に真っ先にベンチから飛び出してきた様子からも、その思いの強さがよく伝わってくる。

長きに渡ってスワローズを支えてきたベテラン達が日本一を掴むことができたことが、ファンからしても非常に嬉しい。

書きたい選手を挙げればキリがないが、この目で日本一の瞬間を見られたことは、私にとってこの上ない喜びであった。また、過去2度の日本シリーズと比べれば、緊迫した試合が続き、見ている側も胃が痛かった。


来年は、日本一のチームとして11球団からの挑戦を受ける立場となる。研究もされるし、先発投手も表ローテをぶつけられることも増えるだろう。
でも、チーム一丸で一枚岩となって戦えば絶対大丈夫。

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