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⑯ 好きなものが変な流行り方をしているそうだ。

先日、友人からとある動画が送られてきた。
それはYouTubeのThe first takeでのR指定の動作が面白い、という趣旨の動画であった。
これがTikTokでバズっているそうだ。
否定するわけではないが、まず何が面白いのか全くわからなかった。笑
もう一度言うが、否定しているわけではないです。
面白いという価値観はその人が生きてきたものが繁栄されていると思っているので笑いの価値観が異なっているのは当然のことである。
小さい頃からテレビを見て育ってきた人はバラエティ番組でのノリを面白いと思う一方で、YouTubeやTikTokなどのSNSでのノリを見て育った人もいる。
私はどっちかと言うと前者に当たるので、YouTuberやTikTokerと言われている人たちのノリはあまり知らない。
だから人と笑いの価値観が合わないからと言って相手のことを決して否定してはいけない。

話を戻しますが自分のHIPHOPの好きなところは、自分の人生そのものがリアルに表現されていて、その生き様を楽しめることだなと思っています。
しかし、HIPHOP=面白いのような広がり方はして欲しくない。
時に不安な感情から守ってくれたり、背中を押してくれたり、落ち込んだ時に励ましてくれたり、私にとってはもう生活に欠かせない存在となっている。

そのHIPHOPという存在が若者の間で面白いコンテンツの文化として広まってしまうのは、自分のことを否定されたかのように(仲のいい友達が傷付けられたら腹が立つ、のように自分の好きなものをバカにされることは許せないみたいな感情です)なってしまいます。

だからYouTubeやTikTokで彼らを知った人は是非その部分だけ切り取って楽しむのではなく、そのリリックやライムに込められた意味あったり、一人一人の背景、HIPHOPの歴史まで深くまで知ってほしいと思ってしまう。
ずっと怪我に苦しんだ選手の引退試合で満身創痍にプレーしている姿を見たら観客は感動するでしょう。それはその選手が怪我というものに取り憑かれていたことを知っているからこそ最後の最後で一生懸命プレーしている姿に感動するのだ。

しかし、最近はあちこちで切り取られては、また切り取り。
何も知らない選手が身体中が痛そうにプレーしている姿を見ても感動できないですよね。
それと同じような現象で溢れているように感じます。

私たちは小さい頃からご飯を食べる時は、その生産者の顔や食べ物に感謝して食べなさいと教わってきました。
ただ食べるのではなく、色々なものに感謝をして「いただきます」と言ってから食べなさいと。
その時のように全てのことには意味や背景がちゃんとあるはずです。
一部の発言だけを切り取ったネットニュースで人を誹謗中傷することは楽しいですか?

また話が脱線してしまいましたが、HIPHOPにはサンプリングという文化があり、いわば過去へのアンサーのようなものがあります。
例えば、MCバトルで対戦相手の楽曲のリリックをフリースタイルに落とし込んだら知っている人は間違いなく興奮する。
自分の過去の曲のワンフレーズを新曲に取り入れるのも同じことである。
「あ、これあの曲のサンプリングじゃん」と心の中でニヤついたことのある人は私だけではないなずです。
このように深くまで知れば知るほど楽しめるのがHIPHOPなのです。


まあTikTokでバズっている動画の曲を聴いて、他の曲も聴く人などほとんどいないんだろうなって思っちゃいます。笑
とりあえず人を嘲笑するSNSの文化、私にはついていけません、苦手です。

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