エビ中は変わっていなかった。

私立恵比寿中学10th Anniversary Tour 2022~drawer~ 茨城公演に行ってきた

高校の頃に好きだった私立恵比寿中学(通称:エビ中)のライブに行ってきた。会場は水戸駅から徒歩20分くらいのザ・ヒロサワ・シティ会館というところだったので地元から二時間かけて向かう小旅行であった。

というのも、身長が190cmある中学の同級生がエビ中が好きだと聞きつけて、学生最後のこの一年に行ってやろうと思ったのだ。

チケットはもう発売済みだったので東京公演はさすがに残っていなく、上記の茨城のチケットを購入した。

それからはずっと予習していた。最後にライブに行ったのが、2018年だったのでだいたいエビクラシー、でかどんでんあたりで止まっていた。
なので、MUSiC、playlist、今春発売の私立恵比寿中学(アルバム名)を重点的に聞いていた。
そこで思ったことがある。
曲がとにかく良い。ライブでわからない曲がないようにしようという意図で聞いていたが、普通にその時点でハマってしまった。
その中でも一番ハマったのが「Family Complex」である。

疲れて休もうと思ったこともあったけど
「ま、山あり谷ありか」ってひとりごと零しながら
頭の中で何度もシュミレーションしたんだよ
ここから見える景色は家宝にするね
綴られた歌詞はギターに乗せて響け
あなたはわたしの虜

Family Complex – 私立恵比寿中学

そして上記の歌詞を聞くとなぜか涙が出てしまう。
というのも、

疲れて休もうと(安元)思ったこともあったけど
「ま、山(真山)あり谷ありか」ってひとりごと零しながら
頭の中で何度もシュミレー(美玲)ションしたんだよ
ここから見える景色は家宝(歌穂)にするね
綴られた歌詞はギ(柏木)ターに乗せて響け
あなたはわたしの虜(莉子)

Family Complex – 私立恵比寿中学

このようにメンバーの名前が歌詞の中に入っているのである。だからなんだと言われたらそれまでだが、最後の「と、りこ!」がとにかく最高なのである。

そして当日

当日は5時開演のため、昼ごろに電車に乗り昼食を現地でとってから会場に向かうことにした。水戸駅について、何となく会場に向かっていたのだが、全くご飯を食べることがなくどうみてもお好み焼きではないお好み焼きがあるベトナム料理やでフォーと炒飯とバインミーを食べてから会場へ。

4時前に会場につき、5時からのライブを見て、アンコールがないことに驚きながらも大満足で家に帰った。

その後

家でFamily Complexを何度も聞いて、不思議な気持ちになっていた。感じたのは、

エビ中全然変わってなかったな。

ということ。しかし、客観的に言ったらそんなことはないのである。メンバーが転校(脱退、卒業の意)したり、新メンバーが入ったり、すでに現メンバーの柏木ひなたが転校することも決まっているのである。

それだけでなく、今回一緒に行った友達は以前に行ったスタプラフェス(エビ中が所属するスターダストのアイドルが一堂に会するフェス)でエビ中の歌のうまさ、特に声量に驚いたらしい。確かに今の歳になって今回のライブに行ったら柏木安本のうまさは正直アイドルのそれではないと思った。

しかし変わっていないのである。

それはどういうことなのだろうか。
何というか、それは今も昔も同じ方向を向いているのである。
陳腐な表現で言えば、いつも変わらぬ元気で一生懸命である。

この凄さが、大学生になってわかるようになったのかもしれない。
アイドルというのは、とても難しい。それは本人たちにとっても運営する事務所にとってもそうだろう。
真っ先に思い浮かぶのは、社会風刺的なコンセプトを掲げた欅坂46である。その儚さと危なげが魅力であったが、すぐに改名しコンセプト変更を迫られた。
ただ、そもそも長く続けられるグループ自体が少ない中で(ベイビーレイズJAPANなども応援していたが、納得のいかない解散であった)路線変更などは決して責められるべきものではなく、当然の決断だろう。
たしかにエビ中は音楽性という点では非常に変化している。ただ、それは表層であり、変化というよりは成長と言えるだろう。

そして、あまり詳しくは書きたくないがメンバーの不仲やスキャンダル、事務所のゴタゴタ、そういったことが極端に少ないのもそう感じた理由だと思う。
それは、現代の裏を知りたがるカルチャーとマッチしているが、エビ中を見ているとそもそも表も裏もないのだろうと納得してしまう。
本当に素敵な人が集まっているのだと思う。

一方で彼女たちからしたら、苦しいこと、辛いこともたくさんあったことも間違いない。それはメンバーの死別、病気などで明らかである。
ただ、それでも負けずに立ち向かう感動ストーリーという話で終わりたいわけではない。

結局考えてみたが、エビ中のメンバーの人の良さが大好きなのかもしれない。
いや、わからない。
わからない。

しかし、ふと
「いつかエビ中も解散しちゃうのかな。」
と思っている自分がいた。それは特に廣田あいかの脱退や、安本彩花の休養中に5人になってしまったということを噂で聞いていた時に少し思っていた。

そして、今は
「解散して欲しくないな。」
とはっきり思っている。
しかし、エビ中は本ツアーの中でさらなる新メンバーオーディションを発表したためその心配は杞憂に終わりそうである。

その一方で、どこかエビ中の解散を楽しみにしている自分がいる。
なぜなら、それは絶対悲しいし、必ず泣いてしまうからである。
そんなふうに思えることが人生で何度あるだろうか。
加えて、エビ中の解散なんて絶対笑顔で終わるに決まっている。
だから、大丈夫。

よし、今年のファミえんは必ず行こう。
と、190cmの友達に連絡をした。

サポートいただいたお金は一層よいnoteを書くために使わせていただきます!