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『14歳の栞』が好きすぎて書く

先日、『14歳の栞』という映画の最終上映日に池袋のシネマ・ロサまで行ってきた。

実はこの映画を見るのは3回目であった。しかし、自分の人生においてとても重要な作品である気がしたから、母を連れて映画館へ向かった。
3回目であるので、誰がどんなことを言うのかわかるし、途中若干飽きたりもしたが(笑)、やはり見に行ってよかった。

早速好きなシーンから紹介する。

おっちょこちょいのパートリーダーの女の子

自転車に荷物を載せようと頑張るも、結局自転車自体が倒れてしまって周りに助けてもらっているシーンから登場する彼女と、一方で吹奏楽部にてパートリーダーしている彼女の両方を見て、

「そう。それでいいんだ!」

と強く思った。それは、彼女がクラスや学校という集団の中で、弱みは他者に補ってもらい(おっちょこちょいな部分は周りに助けてもらい)、強みを存分に活かす(部活でパートリーダー)ことができていたからである。これはなかなか難しいことだと思う。なぜなら、強みを活かす前に、まずは自分の足りないところを直すのに基本的には時間を費やすのが日本社会の慣習だからである。

しかし、逆転の発想で、自分はここが弱いので助けてください。その代わりこれができるので、ここは助けます。というように他者と付き合っていくことができたら、上記した慣習的な社会よりももっと良いのではないか?と思った。

一方で、彼女はおそらく「愛嬌」というスキルを持っていることは特筆に値する。何か日常的にできないことがあっても、その愛嬌というスキルを活かして助けてもらうのが上手なのではないだろうか(完全な推測だが)。

また、本題とは逸れるが、この彼女が吹奏楽部の先輩が辞める時に

「先輩は怒ってくれたし、悲しい時は一緒に泣いてくれた。」

という発言があった。この発言に正直驚いた。世代関係なく、目上の人が「怒ってくれた」と言える関係性はどれほどあるだろうか。さらには、「一緒に泣いてくれた」のである。どれだけ有能な先輩だったのだろうか。

演劇部?のシーンも大好きである

何部かは忘れてしまったが、図書室で紙芝居をするシーンも大好きである。普段クラスでは静かにしているけれども、後輩たちに向かって紙芝居をする時にはしっかりと役を演じて、それに対して後輩も心からの拍手をする。
これに対しても、

「これでいいんだよね!」

と思った。どういうことかというと、別に部活で勝つとか負けるとか、そういったことは正直どうでもいいのである。もちろんそれに向かって頑張っている人はそれもちろん立派なので、続けて欲しい。しかし、それだけじゃないのである。どんなに小さくたって、人を喜ばせることができるのは大きな大きな才能なのである。ということに気付かされた。

全体を総括して

クラスのみんなが幸せなんだろうなととても思った。それが何度も観に行ってしまった理由だと思う。この幸せな日常に2時間だけ入れてもらえるような、そんな気がした。インタビュアーやカメラマンは映らないので、その視点に自分を投影していたんだと思う。

さらにはあえて大きく書くと、「ああこれが幸せの形なんだな」とも思った。

それは、毎日顔を合わせる仲間がいて、毎日やることがあって、少し部活などで自分のやりたいことができたりする。この三つがあれば幸せなのである。

あと必ずしもクラスのみんなは「ああ幸せだなあ。」なんてのは思ってない子もいると思う。

先生が怖い、あいつがうるさい、勉強がめんどくさい。

でもそんなことも含めて、幸せなのだと思う。

そして改めて、自分に聞いてみたい。

あなたは幸せですか?

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