見出し画像

夜の銀杏を、R5で手持ち撮影してみた。

夜景を撮るは好きだった。
多分それは、ステージ写真を多く撮ってきた事もあって、スローシャッター撮影を失敗しないための練習でもあった事も影響していると思う。
 
フィルム時代は高感度フィルムといってもISO400以上は画像の荒れが酷くて使えなかったし、モノクロで増感現像をしても似たような結果になってしまうので、とにかく手持ち撮影でカメラを揺らさない撮影技術を磨くしかなかったのだ。
 
最近のデジタル一眼レフカメラでも大伸ばしにする様な画質が求められる時はISO1600以下で撮るのが現実的だったけど、DXOのDeepPRIMEやPureRawが出てからはISO3200までは使えそうに思うし、SNSやNoteにアップするレベルであればISO6400でもセーフな時代になってきた。
 
加えて、スタビライザーがカメラ本体やレンズに実装されるようになってくれば、街の夜景を手持ちで撮るのも躊躇なく行えると感じている。
今回はR5にRF16・35・70−200を装着して、夜の山下公園界隈を切り取ってみた。

EOS R5 RF16mm F2.8 STM
ISO3200 f/5 1/5s

EOS R5はボディ内ISがあるカメラで、かつ超広角と言うべき16mmレンズを使うのなら、手ブレを恐れる必要は無い。
この1枚は1/5秒でシャッターを切っているが、銀杏の葉が風で動いてブレている以外は、カッチリと合焦している。
 
ちなみにRF16ミリは、隅の画質が厳しいとかのレビューが出るけど、フルサイズで撮ってそれを全部使っている人で、A3ノビ以上のサイズでプリントアウトするって場合なら問題はあると思うけど、この写真は長辺1920ピクセルにまでリサイズしているし、パース調整もしていてのこの画質なら、どれほどの人が問題だと言うのだろうか?
 
超広角レンズを使う場合、その性能を余すことなく使ってプリントアウトした写真を見て、多くの人が「何故パース調整して斜めになっている建物などを見やすくしなかったのか?」と伝えてくれた事に、少なからず衝撃を受けた。
最高の画質よりも、見た目の自然さの方が大事なのか・・と。 
 
以来、広角レンズを使う場合はほぼ必ずパース調整を行うし、見た時のイメージに近い表現であるならば、それが一番アウトプットしたかったモノだと思えるようになれたのだ。
 
ちなみにパース調整を行うと、写っている部分をある程度捨てる事になる。
だから、広角レンズに出やすいパースを調整してアウトプットする人にとっては、嫌でもトリミングする事になるワケで、そういう意味でも周辺(特に四隅)の画質に拘り過ぎるのはナンセンスだと言っても良いだろう。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO3200 f/3.2 1/13s

RF35mmはレンズ内ISがあるレンズ。
そしてマクロ機構も組み込まれている事からスマートフォンのカメラの様にも使え、リーズナブルだった事もあって私自身も即座に入手したのは言うまでも無い。
 
使ってみれば安価な非Lレンズでありながらかなり高画質で、マクロレンズらしくボケ味も自然なので、汎用性の高さは半端ない。
高価過ぎるレンズが多いRFレンズの中では異質なレンズにも見えるが、持ってて損しないレンズだと思っている。

EOS R5 RF70-200mm F2.8L IS USM
ISO3200 f/2.8 1/25s 135mm

大三元のLレンズRF70-200 F2.8Lだとこんな感じになる。
敢えての開放で撮っているが、自然なボケとピントのある部分のシャープさは見事で、EFとは別格な写りが楽しい。(RF100-500mmも持っているが、こういった夜景撮影で使うには暗すぎるので使う気にはならない)
 
R5はボディ内ISとレンズISとの協調制御で補正段数が嘘?って言うくらいに高いが、それは45メガセンサーを使いやすくするために不可欠なアプローチに一つで、シャッターも電子先幕シャッターがデフォルトで設定されるなど、高画素が引き起こす手ブレ問題にはあの手この手で対策をしている事がわかる。
 
EOS5DsRが出た時、その50メガセンサーはISが無いレンズだとシャッター速度1/60秒でもブレるとプロユーザーがレポートしていたので、メーカーとしてはできる事は全部やる、という事になったのだろう。(高価格で売れるしね)

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO3200 f/4.5 1/2s

この写真はシャッター速度1/2秒で手持ち撮影したもの。
RF35mmは協調制御されるのでここまで止める事はできるワケで、この能力は夜の街撮りにはかなり有効だ。
 
黄色い銀杏は明るく写りやすいので、マジックアワーの最後に現れる濃い青を見せる空とのコントラストが美しい。勿論、マリンタワーのライトアップが青いタイミングで狙ったのだけど、スローシャッターならでは動きある葉のニュアンスも面白い効果を見せてくれた。

EOS R5 RF16mm F2.8 STM
ISO3200 f/5 1/20s

RF16mmで撮った1枚は、パース調整と調色を行って見た目よりちょっと青い世界に表現してみた。
IS無しでも1/20秒でシャッターが切れるのは、ボディ内ISが優秀だからだと思うが、きっちり写りすぎると面白く無いと思ってしまうのは何故だろう。

EOS R5 RF70-200mm F2.8L IS USM
ISO3200 f/2.8 1/160s 70mm

せっかくなので、RF70-200mmでも1枚撮ってみた。
 
やはりこのレンズの開放でのボケ味は、かなり楽しいと再確認。
ただ白レンズを使っていると目立つので、要らぬ誤解を受けないように注意する必要はある。
 
そういう意味では、ミラーレスカメラは一眼レフに比べて小型な事が有利で、R5でもバッテリーグリップをつけなければ目立たない。なので筐体が小さく黒いレンズ、RF16mm・RF35mm IS ・RF24-50mm ISは、夜の街撮りに適したレンズだと言って良いだろう。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO3200 f/1.8 1/2os

ちなみにRF35mmの開放もかなり素晴らしい。
ピントは銀杏の幹に合わせているが、夜でもここまで解像するとは思わなかった。
 
それにしても今年は気象が異常過ぎる。
ここ数日で一気に紅葉が進んではいるものの色づきに均一性が無いので、撮影する人には悩ましい状況だったりする。
 
・・なんて考えてたら、今日は一気に冬っぽい風。
ライトアップを撮りに行こうと思っていて、風に吹かれた瞬間に意欲な消えたことは秘密です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?